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第11章 神様は、いない
優しい祖父母
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静岡県。
高速を走りながら、私は助手席から景色を眺めていた。山間を照らしている夏を迎えようとしている青空は、真っ白い綿飴のような入道雲を泳がせている。そんな入道雲を眺めながら、車の中で私は子供の頃を思い出していた。
昔。
パパとお母さんと、美夜の4人で年に2回ほど毎年里帰りをしていた。美夜は小さかったから、あまり里帰りはできなかったけど。車で帰る時もあれば、新幹線とレンタカーを使って帰る時もある。おばあちゃんは、いつもパパを見るなり何か冗談を言って、パパは笑いながらおばあちゃんの肩を叩く。みんな、とても仲良しだった。
でも、お母さんが梶原と再婚してからは、一度も帰っていない。
梶原と再婚した時は、お互いに二度目だからということで、式も挙げなかった。
「俺、会うの初めてなんだよな。再婚した時、普通会わせるよな?会わせたくなかったのかな」
と後ろのシートに座る祐がひょっこり顔を出して言うと、私は首を傾げた。
「私は大好きだよ、おじいちゃんもおばあちゃんも。二人とも明るくて私と美夜にとても優しくて、甘くて……。でも、再婚にはあまり賛成してなかったみたい…」
私がそう言うと、坂井さんはタバコをふかしながら窓を開けると、生暖かい外の風が車の中の空気を変えた。
なんか、怖い。
真実って、なに?
私、まだ何かを知らないような気がする。
重要な、何か。
知らないほうが、いいこともある、なんてよく言うけれど、確かに一理あるのかもしれない。
嫌な予感がするのは、私だけなのかな?
*
正午を少し過ぎた頃、私達は祖父母の自宅に到着した。
祖父母は果樹園を営んでいて、このあたりだとわりと有名だ。今年70才を迎える祖父母は、まだまだ若々しい笑顔で、突然現れた私達を見て歓迎してくれた。
「よく来たね。そばを茹でたとこだから、食べていきなさい」
と祖母は明るく言った。私はおばあちゃんの顔を見た途端、ドッと涙が溢れてきて、
「おばあちゃん…!!」
と言っておばあちゃんに抱き着くと、おばあちゃんは驚いていたけれど、やがて優しく微笑み、私をぎゅっと抱きしめてくれた。
高速を走りながら、私は助手席から景色を眺めていた。山間を照らしている夏を迎えようとしている青空は、真っ白い綿飴のような入道雲を泳がせている。そんな入道雲を眺めながら、車の中で私は子供の頃を思い出していた。
昔。
パパとお母さんと、美夜の4人で年に2回ほど毎年里帰りをしていた。美夜は小さかったから、あまり里帰りはできなかったけど。車で帰る時もあれば、新幹線とレンタカーを使って帰る時もある。おばあちゃんは、いつもパパを見るなり何か冗談を言って、パパは笑いながらおばあちゃんの肩を叩く。みんな、とても仲良しだった。
でも、お母さんが梶原と再婚してからは、一度も帰っていない。
梶原と再婚した時は、お互いに二度目だからということで、式も挙げなかった。
「俺、会うの初めてなんだよな。再婚した時、普通会わせるよな?会わせたくなかったのかな」
と後ろのシートに座る祐がひょっこり顔を出して言うと、私は首を傾げた。
「私は大好きだよ、おじいちゃんもおばあちゃんも。二人とも明るくて私と美夜にとても優しくて、甘くて……。でも、再婚にはあまり賛成してなかったみたい…」
私がそう言うと、坂井さんはタバコをふかしながら窓を開けると、生暖かい外の風が車の中の空気を変えた。
なんか、怖い。
真実って、なに?
私、まだ何かを知らないような気がする。
重要な、何か。
知らないほうが、いいこともある、なんてよく言うけれど、確かに一理あるのかもしれない。
嫌な予感がするのは、私だけなのかな?
*
正午を少し過ぎた頃、私達は祖父母の自宅に到着した。
祖父母は果樹園を営んでいて、このあたりだとわりと有名だ。今年70才を迎える祖父母は、まだまだ若々しい笑顔で、突然現れた私達を見て歓迎してくれた。
「よく来たね。そばを茹でたとこだから、食べていきなさい」
と祖母は明るく言った。私はおばあちゃんの顔を見た途端、ドッと涙が溢れてきて、
「おばあちゃん…!!」
と言っておばあちゃんに抱き着くと、おばあちゃんは驚いていたけれど、やがて優しく微笑み、私をぎゅっと抱きしめてくれた。
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