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第11章 神様は、いない
歪んでいく初恋
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おばあちゃんは私を抱きしめながら、私の後ろにいる祐を見て、
「あんた、梶原の息子かい?」
と訊ねると、私はおばあちゃんの胸からゆっくり離れておばあちゃんの瞳を見つめた。祐も驚きながら、
「何故、俺のこと…?」
と言うと、おばあちゃんは溜め息をついて私の肩を抱き寄せた。
「祥子が梶原と再婚した時、いやな予感がしたんだよ。梶原はね。梶原の親からして、卑劣な手を使って、昔から祥子に近づいてきた。なんであんな男を好きなんだか……。祥子は馬鹿な子だよ。俊一くんも、今頃天国で歎いているだろうよ」
おばあちゃんがそう言うと、私はおばあちゃんを見つめて言葉を失っていた。何一つ否定も出来なかった。そこに、近くのパーキングに車を駐車して、坂井さんが歩み寄ってきた。
「……詳しくお話を聞かせてもらえないですか?」
坂井さんが静かに言い出すと、おばあさんは驚いて坂井さんを見つめて不思議そうに首を傾げていた。
*
私達は、おばあちゃんが茹でた信州そばを、濃いめのおつゆにつけながら、ツルツルと音を立てて食べていた。
シコシコとコシのある麺が、口の中で溶けていく。
おばあちゃんは、熱いほうじ茶をいれて、私の隣に座布団も敷かずに腰を降ろした。
「おばあちゃん…。お母さんはパパと結婚する前は梶原と付き合っていたんでしょ?」
食べ終えた私は、おばあちゃんに向き直して訊ねると、おばあちゃんはまた小さく頷いた。
「梶原はね、本当は、…最初は、ただ純粋に祥子のことを好きだったんだと思うよ。梶原は中学の頃から、ずっと祥子を好きだったみたいでね。でも、祥子は気付かなかったんだ。祥子に追い付きたくて、同じ高校にも行って、発言とか苦手なくせに、生徒会にも立候補した。よく言えば、素直で健気なんだよね。だけど、だんだん狂気じみてきたんだ。
「あんた、梶原の息子かい?」
と訊ねると、私はおばあちゃんの胸からゆっくり離れておばあちゃんの瞳を見つめた。祐も驚きながら、
「何故、俺のこと…?」
と言うと、おばあちゃんは溜め息をついて私の肩を抱き寄せた。
「祥子が梶原と再婚した時、いやな予感がしたんだよ。梶原はね。梶原の親からして、卑劣な手を使って、昔から祥子に近づいてきた。なんであんな男を好きなんだか……。祥子は馬鹿な子だよ。俊一くんも、今頃天国で歎いているだろうよ」
おばあちゃんがそう言うと、私はおばあちゃんを見つめて言葉を失っていた。何一つ否定も出来なかった。そこに、近くのパーキングに車を駐車して、坂井さんが歩み寄ってきた。
「……詳しくお話を聞かせてもらえないですか?」
坂井さんが静かに言い出すと、おばあさんは驚いて坂井さんを見つめて不思議そうに首を傾げていた。
*
私達は、おばあちゃんが茹でた信州そばを、濃いめのおつゆにつけながら、ツルツルと音を立てて食べていた。
シコシコとコシのある麺が、口の中で溶けていく。
おばあちゃんは、熱いほうじ茶をいれて、私の隣に座布団も敷かずに腰を降ろした。
「おばあちゃん…。お母さんはパパと結婚する前は梶原と付き合っていたんでしょ?」
食べ終えた私は、おばあちゃんに向き直して訊ねると、おばあちゃんはまた小さく頷いた。
「梶原はね、本当は、…最初は、ただ純粋に祥子のことを好きだったんだと思うよ。梶原は中学の頃から、ずっと祥子を好きだったみたいでね。でも、祥子は気付かなかったんだ。祥子に追い付きたくて、同じ高校にも行って、発言とか苦手なくせに、生徒会にも立候補した。よく言えば、素直で健気なんだよね。だけど、だんだん狂気じみてきたんだ。
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