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第2章 セブンティーン
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「………春川……?」
杉本さんの彼氏は、眉をピクンと上げて尋ねる。私は彼氏を見て、小さく頷いた。
「彼氏いるでしょ?」
隣の男子が聞いてくると、みんなが私に注目する。
「いないわ」
「嘘ばっか」
みんなはそう言って笑い合っている。
「彼氏なんてすぐ作れるよ」
みんなはそう言って笑いあっている。私はなんだか居心地が悪くて、苦笑いばかりしていると、杉本さんの彼氏はずっと向こうから私を見つめていたいた。
杉本さんたちは明るく話していて、その場の雰囲気は悪くはないのだけれど、相手の男の子たちの視線がなんだか気持ち悪い。
昔、義父から感じ取れたような嫌悪感。
体の隅々まで舐めるように見られているような感覚が、体全身を包んでいた。
人は、視線だけで人を犯せるのかもしれない。
そう、思った。
*
翌日、私は混雑を少しでも避けるために少し早めに学校に着いて教室に入ると、まだまばらにしか生徒は来ていなかった。話したこともないクラスメートたちは、入ってきた私を見て、
「春川さん、おはよう」
と声をかけてくれた。私は机の脇に鞄をかけながら、クラスメートたちを見た。
女子が3人、男子が2人。
女子は、杉本さんたちとは正反対の一匹狼みたいな子ばかりだ。つるんでるわけではなさそうで、みんなそれぞれ自由に過ごしている。
杉本さんの彼氏は、眉をピクンと上げて尋ねる。私は彼氏を見て、小さく頷いた。
「彼氏いるでしょ?」
隣の男子が聞いてくると、みんなが私に注目する。
「いないわ」
「嘘ばっか」
みんなはそう言って笑い合っている。
「彼氏なんてすぐ作れるよ」
みんなはそう言って笑いあっている。私はなんだか居心地が悪くて、苦笑いばかりしていると、杉本さんの彼氏はずっと向こうから私を見つめていたいた。
杉本さんたちは明るく話していて、その場の雰囲気は悪くはないのだけれど、相手の男の子たちの視線がなんだか気持ち悪い。
昔、義父から感じ取れたような嫌悪感。
体の隅々まで舐めるように見られているような感覚が、体全身を包んでいた。
人は、視線だけで人を犯せるのかもしれない。
そう、思った。
*
翌日、私は混雑を少しでも避けるために少し早めに学校に着いて教室に入ると、まだまばらにしか生徒は来ていなかった。話したこともないクラスメートたちは、入ってきた私を見て、
「春川さん、おはよう」
と声をかけてくれた。私は机の脇に鞄をかけながら、クラスメートたちを見た。
女子が3人、男子が2人。
女子は、杉本さんたちとは正反対の一匹狼みたいな子ばかりだ。つるんでるわけではなさそうで、みんなそれぞれ自由に過ごしている。
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