優しい夜のうた〜美夜篇〜

第7章 そばにいて

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リュウが釈放されるかもしれない。

そんな噂が耳に入ってきて、私のクラスでは雅美を中心にざわめいている。雅美は今ではすっかり落ち着いていて、腕を組んでのけぞりながら、

「出てくるなら出てくればいいのよ。叩きのめしてやるわ」

と強気の発言だ。

「雅美。またそんなこと言って…」

とそばで聞いている優が呆れた口調で言うと、雅美は優を睨みつけて、

「優は根性なさすぎよ。ひっこんでなさい！」

と仁王立ちで冷たく言い放つと、優は肩をすくめて私と香織のそばにやってきた。

「早く告白しちゃいなよ、優」

と香織が言うと、私は笑いながら優を見て、

「そうだね。誰かに取られてからじゃ遅いよ」

と背中を押す。だけど、優は頭を横に振って、

「まだだめ。あいつは、まだ頭の中で整理出来てない」

と独り言のように呟いていた。