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第一章
第四十九話 博識なお姉さん……ね
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「……あの、ちょっと質問があるんですけど」
「いいぞ、全年齢」
「呼び方……いや、あの、弥生さんって何者なんですか?」
明らかに魔術の扱いに熟達していたし、知識量も半端では無かった。飲み込みも異常に早いし……。
「……聖命魔術学院で、入学からずっと主席の座を危なげなく守り続けている才媛」
ふむ。
…………さて。
聖命魔術学院とは、聖命国にある国立の魔術学院である。もっと言えば、聖命国内で最も入学が難しい学府である。
極星国で言えば大学なのだが、彼の魔術学院では生徒の潜在能力を最大限引き出す事を目的に、一月に一度行われるテストによって、各生徒の順位を明確にする。……ちなみに、学校中に大々的に発表されるらしい。怖いね。
それで?そこの主席の座をずっと守っているって?
「第二学年だが……まあ凄い成績を収めてるよ。座学も魔法の技術も、最高学年――つまり第四学年の生徒と互角以上に戦える実力を持ってる。卒業後、ここの王宮付きの魔術師になることも確定してるし」
「……わお」
……うむ。また変な人脈を作ってしまったようだな。
「道理でね……思考速度も魔術の技能もずば抜けてる訳だ……」
「……いやそれより、あの子に涼しい顔してついていけるお前が怖いんだが。お前何歳だったっけ?」
「十七ですね」
「…………」
「嘘はついてませんよ」
「どっちかと言うとついていて欲しかったな……」
○
『安らぎの間』に着くと。
「あそうだ。姫様が寂しがってたから構ってやってくれ。あと勉強頑張ってたみたいだから褒めてやってくれ」
という言葉を残し、仁さんは昨夜と同じ席に座った。つまり俺はまたあの場所に赴かねばならないということか。
国王陛下と王女殿下の間の席付近にて。
「……あれ、お兄ちゃん、髪と目の色変えました?」
「…………うん」
変装が意味をなしていない件について。
「……お前由理か。何だよびっくりした。もてなさないといけない客人かと思ったよ」
「俺がもてなさなくてもいい客人だって言いたいんですか?」
「おやおや。口が滑って本心が」
「為政者として致命的じゃないですか?それ」
○
ディナー終了後。
「お兄ちゃん」
「なに?」
「今日勉強してて分からなかったところ、質問してもいいですか?」
「もちろん」
ただ場所が問題なんだよな。昨日も言ったけど。
「勉強にぴったりな、いい場所があるんです」
「……そうなの?」
「はい。静かで集中しやすい環境が整ってるんですよ。あと……」
「……あと?」
「博識なお姉さんが居て、いつも勉強を教えてもらってるんです」
………ふむ。博識なお姉さん……ね。
なんだか心当たりがあるような。
「いいぞ、全年齢」
「呼び方……いや、あの、弥生さんって何者なんですか?」
明らかに魔術の扱いに熟達していたし、知識量も半端では無かった。飲み込みも異常に早いし……。
「……聖命魔術学院で、入学からずっと主席の座を危なげなく守り続けている才媛」
ふむ。
…………さて。
聖命魔術学院とは、聖命国にある国立の魔術学院である。もっと言えば、聖命国内で最も入学が難しい学府である。
極星国で言えば大学なのだが、彼の魔術学院では生徒の潜在能力を最大限引き出す事を目的に、一月に一度行われるテストによって、各生徒の順位を明確にする。……ちなみに、学校中に大々的に発表されるらしい。怖いね。
それで?そこの主席の座をずっと守っているって?
「第二学年だが……まあ凄い成績を収めてるよ。座学も魔法の技術も、最高学年――つまり第四学年の生徒と互角以上に戦える実力を持ってる。卒業後、ここの王宮付きの魔術師になることも確定してるし」
「……わお」
……うむ。また変な人脈を作ってしまったようだな。
「道理でね……思考速度も魔術の技能もずば抜けてる訳だ……」
「……いやそれより、あの子に涼しい顔してついていけるお前が怖いんだが。お前何歳だったっけ?」
「十七ですね」
「…………」
「嘘はついてませんよ」
「どっちかと言うとついていて欲しかったな……」
○
『安らぎの間』に着くと。
「あそうだ。姫様が寂しがってたから構ってやってくれ。あと勉強頑張ってたみたいだから褒めてやってくれ」
という言葉を残し、仁さんは昨夜と同じ席に座った。つまり俺はまたあの場所に赴かねばならないということか。
国王陛下と王女殿下の間の席付近にて。
「……あれ、お兄ちゃん、髪と目の色変えました?」
「…………うん」
変装が意味をなしていない件について。
「……お前由理か。何だよびっくりした。もてなさないといけない客人かと思ったよ」
「俺がもてなさなくてもいい客人だって言いたいんですか?」
「おやおや。口が滑って本心が」
「為政者として致命的じゃないですか?それ」
○
ディナー終了後。
「お兄ちゃん」
「なに?」
「今日勉強してて分からなかったところ、質問してもいいですか?」
「もちろん」
ただ場所が問題なんだよな。昨日も言ったけど。
「勉強にぴったりな、いい場所があるんです」
「……そうなの?」
「はい。静かで集中しやすい環境が整ってるんですよ。あと……」
「……あと?」
「博識なお姉さんが居て、いつも勉強を教えてもらってるんです」
………ふむ。博識なお姉さん……ね。
なんだか心当たりがあるような。
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