日本語教師日誌2

藤堂Máquina

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8月10日

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8月10日

今日の授業は3コマで2人。
1人は助詞の授業で、もう一つは最近たくさん予約をくれる中国人である。
助詞は授業の前に質問をもらったことがテーマである。
テーマは日本語の学生がよくする質問であり、かなりめんどうな「は」と「が」の違いである。
日本人も答えられない人が多いが、これは基本的に「主語」と「主題」の違いである。
もっと具体的に言ってもいいような気もするが、授業と同じ内容をここに書くのも気が向かないためやめておく。
「気が向かない」と書くと良くなさそうなので、教え方は「企業秘密」的なことにしておく。
あとは場所を表す「で」と「に」の違いや、方向の「に」と「へ」などの違いなど、他の助詞の違いにも触れたが最初のものほど難しいテーマはないため、特別述べることもないだろう。
一番簡単なので言っておくと、「に」と「へ」は基本的に同じ意味で、「に」は直接的に目的地を表し、「へ」は「辺」が変化したものであり、その周辺を表す。
しかし最初に言った通り使い方は基本同じで、意味が大きく変わることもないというのがNHKの見解である。
日本語はフォーマルな場では直接的な表現を避けやすい傾向にあるものの、この場合は意味もそう変わらないし、効果もあまりないパターンである。
2コマ目は語彙であり、相変わらず難しい質問が多く、例えば「航空機」と「飛行機」の違いや、「ロケット」と「宇宙船」の違い、「乗員」と「乗組員」の違いなど、それは日本語教師の知識の範疇なのか疑問に思うのだが、聞かれる以上答えなければならない。
幸いこの授業に関しては、事前に教える語彙のリストを持っているため、概ねは予測できる。
しかしそうでない時は大変だ。
「知らない」とは言えないため、雑談をしながら片手間で調べたり、水面下で結構頑張っている。
これはまだオンラインだからできる芸当であるが、教室活動になるとできないため、今のうちに難しい質問は出し切ってくれた方が助かる。
この学生に関してはほぼ毎日授業があるため、もう少し苦しませてくれるだろう。
ただ科学や政治や経済なんかの知識はないため、学生の時の記憶を呼び起こさないといけないのは、できないこともないが限度もあるためどうにかしなければならない。
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