日本語教師日誌2

藤堂Máquina

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12月4日(金)

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12月4日(金)

今日の授業は1つ。
それも30分だけだった。
内容は百人一首。
今日のことだけを書くと、五百字も書かないまま記録が終わってしまうため、少しこの学生について書こうと思う。
この学生はアメリカの学生であり、何か芸術系の先生をしているらしい。
それで日本の詩などにも興味があるようだ。
百人一首を勉強し始めたのは、本人が教科書を持っていたためである。
しかしそこに書かれているのは英語での説明であり、殆ど単語の直訳を繋げたようなものらしい。
それで大まかな意味は分かるものの、そこに込められた作者の想いだとか、表現の技法などは分からなかったそうだ。
学生は元々日本語の先生を探しており、大学で俳句も勉強した私を見つけたことからそれについても知っているのではないかということで提案してきたらしい。
そんな訳で今11首ほど終わったが、改めて解説してみると高尚な技法が細かいものだったり、遊び心を含んでいるもの、単純に文化として濃いものなど、既にバリエーションに富んでいる。
100首選んだ当時のことを考えると、入れたかった詩はきっとまだ他にあることだろうし、1人の歌人から一首だけとなると、選考も楽ではなかったと思う。
私なら好みで決めてしまって、バランスが崩れてしまうだろう。
「良い詩」を一概に決めるのは難しいだろうし、権力のようなものも絡んでくると面倒くさい。
今、例えば日本を代表するミュージシャンを100人選べと言われても、ジャンルは様々だし、単純な技術だったり、声質だったり、利権だったり、世論だったりと、誰もが納得する選考をするのは不可能だろう。
その中で国のプロジェクトとして、後世まで残るこれを作ったことは偉大だと思う。
さて、授業の話に戻るが、進め方としてはまず単語を拾って最低限個々の意味が分かっているかを確認し、それから単語の意味だけでなく、それに関わる文化や美意識、土地などの解説をし、必要があれば作者についても述べ、最後に全体の意味を鑑賞するという流れである。
外国人に「花」と言っても「桜」だと分かる訳ではないし、そこから「雪月花」のような言葉を連想できる訳ではない。
そのため教師がすることと言えば、そのあたりの補助、解説である。
だからできるだけ学生が自分で気づくことを重視しながら、足りない知識を補ってやることが必要である。
授業自体はとても楽しいし、毎回30分だけのため、殆ど負担はない。
私の復習にもなるため、良い時間だと思う。
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