日本語教師日誌

藤堂Máquina

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4月20日

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4月20日

今日の授業は三つ。
朝に漢字のクラスと昼に体験授業、夜に会話の授業であった。
朝のクラスは、30分だけの漢字に特化したクラスで、誰も受講しないと思って料金設定を高めにしていた授業である。
そのコースのはじめての学生であり、日本に留学した経験もあることから、正直教えることはないのではないかと思っていた。
しかし、蓋を開けてみると、単純に漢字が苦手な学生らしく、会話はそこそこ上手なのだが、N4で出てくる「魚」を覚えていなかったために、教えることが多そうで安心できた。
魚は教科書によっては象形文字のため、イメージを培うという意味で初めの方に出てくることもある。
しかしこの学生は覚えていなかったことから、レベルに忠実な教科書だったのか、単純に覚えていないかっただけなのかは分からないが、とにかく得意な方ではないことが充分に理解できた。
正直漢字を教えるのは好きだ。
日本にいた頃も教えたことがあるのだが、イメージをつかめてきた学生は本当に楽しそうである。
多分覚えるのが苦手なのだろうが、好きになるための足がかりにはなれていると思う。
彼ははじめてのレッスンで、体験授業もなかった学生なのだが、来週もまた来てくれるようで、こちらとしてはかなりありがたい。
二つ目の授業は体験授業である。
学生はシャイな女の子であり、どのくらいの期間日本語を勉強したのかを尋ねても返事はよく分からなかった。
「一年半」と言ったように聞こえたのだが、レベルとしては半年くらいような気もした。
正直3ヶ月と聞いても驚かないし、1ヶ月と言われても納得してしまうだろう。
会話量が少ない分定着が薄いのだろうと思う。
私の授業は会話中心だ。
受講してくれればそれなりに上達させる自信はある。
しかし、体験授業の手応えはあまりない。
多分文法を中心に勉強したいのだろうが、そのような学生にこそ、来てほしい。
色々なことをして、自分に合う勉強方法を見つけてほしいのだ。
勉強は自分勝手な方が継続する場合が多い。
思いつきをなんでも試そうと思わないと飽きてきてしまうし、そもそもやらされているだけになってしまうと離れていく一方だ。
いかに楽しむか、いかに楽しい方法を見つけるか、学生のうちに見つけるべきことである。
日本の教育ではそのようなことが薄い分、勉強が嫌いだと、苦手な人が多いのではないかと思う。
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