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第3部 他殺か心中か
帳場が立つ
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車のナンバーと所持していた免許証から、男の名前が割り出された。宮本拓也、28歳。死亡推定時刻は夜中の3時頃ということで、車がが大川に突っ込んだ4時とは隔たりがある。そこは姫野係長の見立て通りだった。
女性の身元は傍らに置かれたバッグの中に財布があり、そこから出てきた学生証から絹川萌未、20歳と推定された。
あと現場の不審点としては、男の手に中に名刺が握られていたこと。「椎原涼平」と書かれた、北新地のクラブの名刺だ。何故そんな物を握っていたのか、まるでこれが殺人事件であることを示唆しているように見えた。
だが、検視官の見立ては違った。
「おそらく、女性が男性を道連れにした無理心中でしょう。その方向でお願いします」
大きな事件性は無いという検視官の判断に、姫野係長が大きく反発する。
「はあ?それはまだ断定出来ないのでは?大体、男の死亡推定時刻が早過ぎません?司法解剖した方がええんちゃいますか?」
係長のこの言葉に、倉持検視官はあからさまに黒縁眼鏡がかかっている眉根を寄せた。倉持検視官は階級が警視で、近々警視正に上がると噂されている典型的なキャリア組だ。気を悪くしたように見えるのは、格下の姫野に異を唱えられたからか…。
「いいですか?西天満署の方はどうか知りませんが、府警本部ではこの年の瀬も凶悪事件が目白押しになっています。今いたずらに事件を増やす訳にはいかんのです」
「そんなこと知ったこっちゃないですね。現場に不審な点があれば徹底的に調べ上げる、それが捜査の基本ちゃいます?警察本部の事情よりも、目の前の仏さんをはよ成仏させてやる、それが大切ちゃいますかねえ?事件が多発して捜査員が割けない言うなら、私らだけでもやりますよ?どうなんです?」
姫野係長に熱く詰め寄られ、倉持検視官は身体をのけ反らせた。柳沢の心情的にはやや乱暴だが係長の言い分の方が正しいように思える。
「まあまあ、まずはご遺体を署まで運びませんか?それから、取り敢えず女性の方の家は近くですので、そちらの方に向かってみるべきかと。係長、現場の指揮をお願いします」
丸山主任が割って入り、そやな、と係長もひとまず感情を抑えた。
「ほな、丸さん、柳沢、ご遺体を署まで運んだら女性の方の住んでるマンションに行ってきてくれるか?」
「は、分かりました!」
「あ、はい!」
「何や、柳沢、その間の抜けた返事は?しっかりせい!」
いつも通り姫野係長にどやされ、柳沢らはご遺体を丁寧に車から毛布に包み、捜査車両へと移した。
「倉持検視官も一度署まで来て、もう一度しっかり検分してみて下さい。すぐ帰らんとって下さいよ」
「わ、分かった」
ワゴン車の後部スペースに二つの遺体を乗せ、柳沢は別車両で来た検視官と別れて署へと車を発進させた。署に着くと遺体を霊安室に安置し、心斎橋にある絹川のマンションへと向かった。
予め絹川萌未を警察のデータベースに照らし合わせると、彼女の住むマンションで二年前に同居の女性が自殺しているのが分かった。そして今回の事件、何かきな臭い匂いがすると丸山が呟くのを、柳沢も不穏な気持ちで聞いた。
管理人に現在は萌未が一人暮らしなのを確認し、部屋の鍵を開けてもらう。扉を開けるとすぐ前に若い男が立っていて、柳沢はギョッとした。こちらも驚いたが、向こうも驚いているようだった。
手帳を見せて刑事だと告げると、まずはここが絹川萌未の部屋であることを確認する。そして相手の男に身分証の提示を求めると、男は部屋から自分の名刺を取ってきて見せた。その名刺を見て、柳沢は目が丸くなる。隣りの丸山を見ると彼の眉も上がっている。そう、彼の名刺には……椎原涼平……男の遺体が握っていた名刺と同じ名前が書かれていたのだ。
「椎原涼平さん…でよろしかったですか?」
「はい…」
「絹川さんとはどういうご関係でしょうか?」
「あの…萌未と一緒にこの部屋に住んでいます」
柳沢はこの時点で気分が高揚していた。目の前の男は事件に明らかに関係している。重要人物に早々と出会え、幸先良く感じられた。
だがこの後、椎原がとんでもない事実をぶちまけ、柳沢の早期帰宅が絶望的になることを、この時はまだ知らなかった。
遺体を確認して欲しいと頼み、何とか椎原を警察署まで連れ出す。
「こちらです」
霊安室の女性の方の顔にかけられたベールを捲くり、その顔を覗き込んだ椎原はそれ以上開かないくらい目を見開いてあからさまに驚いた顔をした。そして、遺体の横に崩れ落ちた。
「そんなあああああっ!」
椎原の絶叫が部屋に響く。そこにいた皆がそんな椎原に注目した。彼の次の言葉を待ったが、彼はずっと嗚咽していて、言葉を発せられる状況ではなかった。
柳沢は彼に近づき、肩に手を乗せる。
「絹川萌未さんで間違いないですか?」
イエス、言葉を発せられなくても、そうジェスチャーするだけでいいようにと慮ってそう聞いた。だが、椎原の口をついて出た言葉は刑事たちの予期したものと違った。
「ち、違います!め、めぐっうっ…萌未と違うっっ」
え、何て言った!?そんな反応がそこにいた捜査員たちに広がる。
「だ、誰ですか!?この人は誰ですか!?」
柳沢の声にも緊迫感が増す。だが元々薄い顔色を一層青ざめさせて震える椎原から発された言葉は何を言っているかはっきり判別出来ず、仕方がないのでしばらく椎原の様子が落ち着くまで見守った。そして、彼の感情の波がやっと収まり出した頃、柳沢はハンカチを彼に渡しながら、今度は声のトーンを落としてゆっくりと聞いた。
「この女性をご存知なんですね?一体誰ですか?」
「みかです。ふじわら…みか…」
目の焦点は定まらず、声もかなり掠れていたが、今度ははっきりと聞き取れた。その場にいた全員がその全く予期していなかった女性の名前に耳を疑った。
「おいっ、帳場が立つぞ!帳場を立たせるんや!」
部屋の中が慌ただしくなり、その場にいた誰かが叫んでいた。
帳場………
大阪府警の捜査員も加わり、大掛かりな捜査本部が設けられるということだ。柳沢が刑事になってから初めての帳場で、それは刑事に憧れていた彼に取って心浮き立つことのはずだったが、この日はその状況に悲嘆してしまった。
ごめん、あきら……
心の中で、彼女のあきらに謝った。
それから…取調室に連れ出した椎原は、目の焦点を遠いところに合わせて固まっている。柳沢もしばらく同じように放心していたが、やがて立ち上がると、取り敢えず、署の来客スペースまで出て彼女に電話を入れた。
「ごめん、あきら。今日は帰れなくなってもた」
『そう…しょうがないね。しんちゃん、声が疲れてるみたい。大丈夫?』
「うん……何とか。あきらに会えなくてちょっとショックやけどね。ほんまに、ごめんやで」
『そんな、謝らんといてよ。しんちゃんのお仕事、私も応援してるから。それにまたいつでも会えるやない。そうや!家に帰る時は連絡して?何か精のつくもん作って持っていくから』
「そう?いっつも悪いなあ」
『ううん、お仕事頑張ってね。あ、でも身体壊しちゃダメよ』
「うん、ありがとう。あ、そうや、あきら?」
『うん、何?』
「メリークリスマス!」
『うん。メリークリスマス、やね。ほんなら、連絡待ってるね』
「うん。帰る時、必ず連絡する」
本当は今日の日を有給を取って楽しみにしてくれ、ずっと待っててくれただろうに、それよりも自分の身体を気遣ってくれるあきらに、狂おしいほどの愛しさを感じた。
そして今すぐにでも彼女を抱きしめたい気持ちを押し殺し、大部屋のコーヒーメーカーから二つのカップにコーヒーを入れると、それを持って取調室に戻る。
さ、仕事仕事!
そう声を張って独りごち、今度はしっかりとした足取りで、柳沢は取調室に向かった。
女性の身元は傍らに置かれたバッグの中に財布があり、そこから出てきた学生証から絹川萌未、20歳と推定された。
あと現場の不審点としては、男の手に中に名刺が握られていたこと。「椎原涼平」と書かれた、北新地のクラブの名刺だ。何故そんな物を握っていたのか、まるでこれが殺人事件であることを示唆しているように見えた。
だが、検視官の見立ては違った。
「おそらく、女性が男性を道連れにした無理心中でしょう。その方向でお願いします」
大きな事件性は無いという検視官の判断に、姫野係長が大きく反発する。
「はあ?それはまだ断定出来ないのでは?大体、男の死亡推定時刻が早過ぎません?司法解剖した方がええんちゃいますか?」
係長のこの言葉に、倉持検視官はあからさまに黒縁眼鏡がかかっている眉根を寄せた。倉持検視官は階級が警視で、近々警視正に上がると噂されている典型的なキャリア組だ。気を悪くしたように見えるのは、格下の姫野に異を唱えられたからか…。
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姫野係長に熱く詰め寄られ、倉持検視官は身体をのけ反らせた。柳沢の心情的にはやや乱暴だが係長の言い分の方が正しいように思える。
「まあまあ、まずはご遺体を署まで運びませんか?それから、取り敢えず女性の方の家は近くですので、そちらの方に向かってみるべきかと。係長、現場の指揮をお願いします」
丸山主任が割って入り、そやな、と係長もひとまず感情を抑えた。
「ほな、丸さん、柳沢、ご遺体を署まで運んだら女性の方の住んでるマンションに行ってきてくれるか?」
「は、分かりました!」
「あ、はい!」
「何や、柳沢、その間の抜けた返事は?しっかりせい!」
いつも通り姫野係長にどやされ、柳沢らはご遺体を丁寧に車から毛布に包み、捜査車両へと移した。
「倉持検視官も一度署まで来て、もう一度しっかり検分してみて下さい。すぐ帰らんとって下さいよ」
「わ、分かった」
ワゴン車の後部スペースに二つの遺体を乗せ、柳沢は別車両で来た検視官と別れて署へと車を発進させた。署に着くと遺体を霊安室に安置し、心斎橋にある絹川のマンションへと向かった。
予め絹川萌未を警察のデータベースに照らし合わせると、彼女の住むマンションで二年前に同居の女性が自殺しているのが分かった。そして今回の事件、何かきな臭い匂いがすると丸山が呟くのを、柳沢も不穏な気持ちで聞いた。
管理人に現在は萌未が一人暮らしなのを確認し、部屋の鍵を開けてもらう。扉を開けるとすぐ前に若い男が立っていて、柳沢はギョッとした。こちらも驚いたが、向こうも驚いているようだった。
手帳を見せて刑事だと告げると、まずはここが絹川萌未の部屋であることを確認する。そして相手の男に身分証の提示を求めると、男は部屋から自分の名刺を取ってきて見せた。その名刺を見て、柳沢は目が丸くなる。隣りの丸山を見ると彼の眉も上がっている。そう、彼の名刺には……椎原涼平……男の遺体が握っていた名刺と同じ名前が書かれていたのだ。
「椎原涼平さん…でよろしかったですか?」
「はい…」
「絹川さんとはどういうご関係でしょうか?」
「あの…萌未と一緒にこの部屋に住んでいます」
柳沢はこの時点で気分が高揚していた。目の前の男は事件に明らかに関係している。重要人物に早々と出会え、幸先良く感じられた。
だがこの後、椎原がとんでもない事実をぶちまけ、柳沢の早期帰宅が絶望的になることを、この時はまだ知らなかった。
遺体を確認して欲しいと頼み、何とか椎原を警察署まで連れ出す。
「こちらです」
霊安室の女性の方の顔にかけられたベールを捲くり、その顔を覗き込んだ椎原はそれ以上開かないくらい目を見開いてあからさまに驚いた顔をした。そして、遺体の横に崩れ落ちた。
「そんなあああああっ!」
椎原の絶叫が部屋に響く。そこにいた皆がそんな椎原に注目した。彼の次の言葉を待ったが、彼はずっと嗚咽していて、言葉を発せられる状況ではなかった。
柳沢は彼に近づき、肩に手を乗せる。
「絹川萌未さんで間違いないですか?」
イエス、言葉を発せられなくても、そうジェスチャーするだけでいいようにと慮ってそう聞いた。だが、椎原の口をついて出た言葉は刑事たちの予期したものと違った。
「ち、違います!め、めぐっうっ…萌未と違うっっ」
え、何て言った!?そんな反応がそこにいた捜査員たちに広がる。
「だ、誰ですか!?この人は誰ですか!?」
柳沢の声にも緊迫感が増す。だが元々薄い顔色を一層青ざめさせて震える椎原から発された言葉は何を言っているかはっきり判別出来ず、仕方がないのでしばらく椎原の様子が落ち着くまで見守った。そして、彼の感情の波がやっと収まり出した頃、柳沢はハンカチを彼に渡しながら、今度は声のトーンを落としてゆっくりと聞いた。
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目の焦点は定まらず、声もかなり掠れていたが、今度ははっきりと聞き取れた。その場にいた全員がその全く予期していなかった女性の名前に耳を疑った。
「おいっ、帳場が立つぞ!帳場を立たせるんや!」
部屋の中が慌ただしくなり、その場にいた誰かが叫んでいた。
帳場………
大阪府警の捜査員も加わり、大掛かりな捜査本部が設けられるということだ。柳沢が刑事になってから初めての帳場で、それは刑事に憧れていた彼に取って心浮き立つことのはずだったが、この日はその状況に悲嘆してしまった。
ごめん、あきら……
心の中で、彼女のあきらに謝った。
それから…取調室に連れ出した椎原は、目の焦点を遠いところに合わせて固まっている。柳沢もしばらく同じように放心していたが、やがて立ち上がると、取り敢えず、署の来客スペースまで出て彼女に電話を入れた。
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『そう…しょうがないね。しんちゃん、声が疲れてるみたい。大丈夫?』
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『ううん、お仕事頑張ってね。あ、でも身体壊しちゃダメよ』
「うん、ありがとう。あ、そうや、あきら?」
『うん、何?』
「メリークリスマス!」
『うん。メリークリスマス、やね。ほんなら、連絡待ってるね』
「うん。帰る時、必ず連絡する」
本当は今日の日を有給を取って楽しみにしてくれ、ずっと待っててくれただろうに、それよりも自分の身体を気遣ってくれるあきらに、狂おしいほどの愛しさを感じた。
そして今すぐにでも彼女を抱きしめたい気持ちを押し殺し、大部屋のコーヒーメーカーから二つのカップにコーヒーを入れると、それを持って取調室に戻る。
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