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第8章 蔓延
9 お焚き上げ供養
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18時になり、セフィロトの面々が引き上げていく。それを期に、警護は久遠寺周辺に集中させた。浦安は弓削と一緒に境内に入り、最終チェックをする。先程まで頭の中に鳴り響いていた鐘の音は、5分くらい継続して鳴った後、ピタリと止んだ。ずっと聞こえていたヒグラシの甲高い鳴き声も次第にフェイドアウトし、カエルの濁声に代わっていく。西の山々の影が伸び、寺は夕闇に覆われていった。
お焚き上げの舞台では天冥が正装に身を包み、舞台周りを入念にチェックしている。純白の狩衣には下地の絹の赤いラインが両脇に走り、真っ赤な袴に黒く長い立烏帽子、その姿はイメージ通りの陰陽師。一目で質の高い織物だと分かる上衣にはこの町を模したと思われる、稲穂の上を鳥が舞う紋様があちこちに施され、安っぽいコスプレとは一線を画していた。直前の挨拶をと近寄ったが、天冥は四角に立てた忌竹に向き、目を瞑って何やらブツブツと唱えては手に持つ御神酒をかけている。始める前の清めの儀なのだと判断し、遠目にそれを眺めた。帯にはうちわ程の大きさの榊󠄀を差している。上衣の紋様の鳥はサギか白鳥かと目を凝らすと、その姿はまるでカラスが町を上から睨んでいるようで、少しギョッとして首を竦めた。
「浦安さん、本日はよろしくお願いします」
本殿側から声がしてその方を向くと、こちらも正装姿の遵奉住職が歩いてきた。後ろには和装に着替えた一乗寺弾正と青井草太を従えている。普段の住職の脂ぎった顔にはキャバクラで飲むのが似合いそうな俗物臭が漂っているが、目の前の住職は紫の法衣に金色の袈裟をかけ、厳かな風格を纏っていた。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
浦安と弓削が共に頭を下げる。
「おっさん、天冥と朱美をしっかり守ってやってくれよ」
まるで二人の保護者のように声をかけてきたのは弾正だ。その横で青井が丁寧に頭を下げる。二人とも神官白衣を着、頭に三角の烏帽子を載せている。
「あれ珍しい。弾正があたしらの心配してくれるなんて」
笑い声とともに住職たちの背後から巫女装束の女性たちが姿を現す。弾正に声をかけたのは朱美だ。
「おお~!馬子にも衣装じゃん!」
弾正が朱美に振り向いて言葉を返し、
「いやそれ、そっくりそのまま返すわ」
と、朱美を先頭に五人の巫女たちがコロコロと笑った。朱美と一緒にいる四人は鷹田神社から派遣されてきた巫女らしく、全員白衣に赤い袴を着け、一気に場が華々しくなる。互いに簡単な挨拶を交わし、住職たちは本堂へ、五人の巫女は舞台の方へと別れる。鷹田神社の四人の巫女たちが舞台の外周に張られたスペースの中に入って四辺に散り、朱美は天冥の立つ真ん中の舞台に上がって彼女と並んだ。そして互いに頷き合い、天冥が松明に火を点けて高らかに掲げた。いよいよ、お焚き火に火が灯される。
「いざ!天津神にお祈り奉る!生き神はこの地に豊穣をもたらされ、死に神は疾く冥界へお戻りにならんことを!」
太陽が完全に山の稜線に沈み、境内は橙色から濃紺に移り変わっている。松明を掲げた天冥の歌舞伎役者のような明瞭な声が響いた。松明の火を中央の組木に移し、真っ赤な炎が高く積み上げられた薪を飲み込んでいく。炎が立ち昇るその先には、瞬き出した満天の星空。南天から満月、北天から北極星が、一際明るく下の様子を見守っていた。この日、日付変更線を超える頃、月は最大の円となる。天冥は松明をそのままお焚き火に投げ入れ、腰に刺していた榊󠄀に持ち替えて二度、大きく✕を描くように打ち払う。それを合図に、弾正がドンと太鼓を鳴らす。遵奉が読経を始める。五人の巫女たちは神楽鈴と呼ばれる鈴を鳴らしながらひらひらと舞い、天冥はまるで住職の経に合わせるように、間延びする祝詞を唱え出した。
「アーリャーヴァローキテーシュヴァロー ボーディサットヴォー ガムビーラーヤーム プラジニャーパーラミターヤーム チャリヤーム チャラマーノー ヴャヴァローカヤティ…」
古代日本の祈りはサンスクリット語なのだとどこかで聞いたことがあるが、おそらく天冥が発している言葉もそういった類なのだろう。その言葉に日本語のニュアンスは読み取れなかった。
住職の読経と天冥の祈りが重なり不思議なアンサンブルを奏でている。神楽鈴と太鼓、それに磬子が適度な合いの手を入れる。全開した本堂の磨き上げられた仏具から煌々とした金色の光が溢れ、お焚き火の真紅と合わさって境内全体を幻想的な空間に染め上げる。まるで雄壮な古典芸能を見ているように、仏教、神道、陰陽道の三つが融合した見事な饗宴に浦安はしばし口を開けて見惚れていた。寺の敷地全体が上空を飛んでいるような、ふわふわとした浮遊感に囚われていた。
捜査官は皆、互いの連絡がスムーズに出来るようにベルトにインカムを装着していたが、そのインカムに繋いだイヤホンがガガッと鳴り、浦安の意識を現実に引き戻す。
『こちら橋爪。西側にてこちらに歩いて来る集団を確認!』
ハッとして耳を済ますと、天冥の祝詞に混じって雑然とした声が聞こえている。声はまだ遠いが、声の重なり具合でかなりの人数であることは判断できた。
「やつら、まだ帰ってなかったのか…」
忌々しい顔で弓削と目を合わせる。弓削の顔に不安の色が浮かぶ。
「ちょっと見てくる。弓削はここで待機」
弓削が頷き、浦安は足早に東門を出る。門前で遠藤班の面々がこちらを向く。浦安は遠藤に目配せしながら、インカムを手に取った。
『こちら浦安。遠藤班はそのまま門前に待機、橋爪班と弓削班は西の規制線を張った辻まで行き、やつらが進入しないよう誘導!』
「了解」の声が人数分重なり、浦安も西の辻へと急ぐ。彼らはきっと来た道を引き返そうと北に歩いている中で久遠寺から上がる炎を発見し、東に折れてきたのだろう。山の腹の暗黒からチラチラと懐中電灯やカメラのライトを散らつかせながら近づいてくるのが見て取れる。
「ここからは先に行けません!引き返しなさい!」
しめ縄を張った先では橋爪が声を張り上げている。他の四人が縄に沿って横に並び、集団が先に進むのを防ぐ。
「ねーねー、この先で何やってんの~?」
「祭りじゃね?祭りやってんじゃね?」
「すっげー火、上がってんじゃん!」
「僕らにも見せて下さいよ~!」
シュプレヒコールこそ上げていないが、あちこちで勝手なことを言っている。その中の一人が金切り声を上げた。
「こいつら、警官じゃねーの!?」
その声に反応し、集団の中程からドスドスと頬の肉を震わせて主催者と見られた巨漢男が躍り出てきた。隣では巨漢男に寄り添って、銭形ちゃんと名乗ったトレンチ男がハンディカメラをこちらに向けている。巨漢男がプラカードを掲げ、荒い息を撒き散らし始めた。
「公権力の横暴を許すなー!ファックザパブリックサーバント!!」
「ファックザパブリックサーバント~」
続く声は昼間に比べてかなり散漫になっている。浦安は彼らの上気した顔を見て、こいつら神社で宴会をして来やがったなと、浦安は眉間の溝を深めた。
『一番前の太った男にライトを集中!』
インカムでそう指示し、各々携帯していた懐中電灯を巨漢男に向ける。六人分のビームライトが集中し、巨漢男は眩しさに顔をプラカードで覆った。
「わ、ま、まぶっ」
怯んだ男の前にすかさず浦安が出る。
「我々はこの寺を警護する者です!この寺では今、先日の工場爆破事件で亡くなった方々を供養する法要が執り行われています。それを邪魔するということは、死者を冒涜するということ!この場は速やかに引き返して下さい!」
咄嗟のことだったが、我ながら上手いことを言ったと浦安は思う。こういう風に言えば、もし彼らがネットに映像を出しても逆に彼らが大義を失って悪者になるだろう。事件現場が寺に近かったことも幸いした。
「おい、引き返そうぜ」
後ろからそんな声がし、後続の者たちが次々と踵を返し始めた。何とかなりそうだと浦安は胸を撫で下ろす。ライトを浴びた巨漢男はうううと呻きながら、力無くプラカードをダランと下に下ろした。露わになった巨漢男の渋面を見てハッとする。眩しいのか悔しいのか、その細い目からは涙が流れているが、その色が赤いのだ。妖化だ。やつは、妖化の前兆の血の涙を流している!そう思った矢先だった。
バキュン!
後方から発砲音が響き、巨漢男の白いTシャツの、マジックで書いたと思われる「Fuck the public servant」の伸び切った文字がみるみる赤く染まり出した。銃弾が胸に当たったのだ。
「誰だ!誰が撃った!?」
浦安は音のした方向を見た。捜査員たちのライトが自分の潔白を証明するかのように浦安の見る方向をサーチし、やがて一人の男を浮き上がらせた。頬のコケた痩せた男が拳銃を前に構えている。あんな男はK署の強行犯係にはいない、浦安は男の顔を見てそう思ったが、その姿に既視感を覚えた。記憶を手繰り寄せ、それが聖蓮女子を訪れた際の映像だと思い当たる。目から血を流しながら校長を刺した女子高生が撃たれた時、背後に全く同じポーズの男がいた。袴田だ。警察庁捜査一課の袴田、その名前を思い出した時、彼の目からツウっと、赤い涙が流れ出た。袴田は真っ赤な目をこれでもかと見開き、ニタっと口角を広げてギャヒヒと笑った。浦安の背筋を、漆黒の冷気が撫で上げた。
お焚き上げの舞台では天冥が正装に身を包み、舞台周りを入念にチェックしている。純白の狩衣には下地の絹の赤いラインが両脇に走り、真っ赤な袴に黒く長い立烏帽子、その姿はイメージ通りの陰陽師。一目で質の高い織物だと分かる上衣にはこの町を模したと思われる、稲穂の上を鳥が舞う紋様があちこちに施され、安っぽいコスプレとは一線を画していた。直前の挨拶をと近寄ったが、天冥は四角に立てた忌竹に向き、目を瞑って何やらブツブツと唱えては手に持つ御神酒をかけている。始める前の清めの儀なのだと判断し、遠目にそれを眺めた。帯にはうちわ程の大きさの榊󠄀を差している。上衣の紋様の鳥はサギか白鳥かと目を凝らすと、その姿はまるでカラスが町を上から睨んでいるようで、少しギョッとして首を竦めた。
「浦安さん、本日はよろしくお願いします」
本殿側から声がしてその方を向くと、こちらも正装姿の遵奉住職が歩いてきた。後ろには和装に着替えた一乗寺弾正と青井草太を従えている。普段の住職の脂ぎった顔にはキャバクラで飲むのが似合いそうな俗物臭が漂っているが、目の前の住職は紫の法衣に金色の袈裟をかけ、厳かな風格を纏っていた。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
浦安と弓削が共に頭を下げる。
「おっさん、天冥と朱美をしっかり守ってやってくれよ」
まるで二人の保護者のように声をかけてきたのは弾正だ。その横で青井が丁寧に頭を下げる。二人とも神官白衣を着、頭に三角の烏帽子を載せている。
「あれ珍しい。弾正があたしらの心配してくれるなんて」
笑い声とともに住職たちの背後から巫女装束の女性たちが姿を現す。弾正に声をかけたのは朱美だ。
「おお~!馬子にも衣装じゃん!」
弾正が朱美に振り向いて言葉を返し、
「いやそれ、そっくりそのまま返すわ」
と、朱美を先頭に五人の巫女たちがコロコロと笑った。朱美と一緒にいる四人は鷹田神社から派遣されてきた巫女らしく、全員白衣に赤い袴を着け、一気に場が華々しくなる。互いに簡単な挨拶を交わし、住職たちは本堂へ、五人の巫女は舞台の方へと別れる。鷹田神社の四人の巫女たちが舞台の外周に張られたスペースの中に入って四辺に散り、朱美は天冥の立つ真ん中の舞台に上がって彼女と並んだ。そして互いに頷き合い、天冥が松明に火を点けて高らかに掲げた。いよいよ、お焚き火に火が灯される。
「いざ!天津神にお祈り奉る!生き神はこの地に豊穣をもたらされ、死に神は疾く冥界へお戻りにならんことを!」
太陽が完全に山の稜線に沈み、境内は橙色から濃紺に移り変わっている。松明を掲げた天冥の歌舞伎役者のような明瞭な声が響いた。松明の火を中央の組木に移し、真っ赤な炎が高く積み上げられた薪を飲み込んでいく。炎が立ち昇るその先には、瞬き出した満天の星空。南天から満月、北天から北極星が、一際明るく下の様子を見守っていた。この日、日付変更線を超える頃、月は最大の円となる。天冥は松明をそのままお焚き火に投げ入れ、腰に刺していた榊󠄀に持ち替えて二度、大きく✕を描くように打ち払う。それを合図に、弾正がドンと太鼓を鳴らす。遵奉が読経を始める。五人の巫女たちは神楽鈴と呼ばれる鈴を鳴らしながらひらひらと舞い、天冥はまるで住職の経に合わせるように、間延びする祝詞を唱え出した。
「アーリャーヴァローキテーシュヴァロー ボーディサットヴォー ガムビーラーヤーム プラジニャーパーラミターヤーム チャリヤーム チャラマーノー ヴャヴァローカヤティ…」
古代日本の祈りはサンスクリット語なのだとどこかで聞いたことがあるが、おそらく天冥が発している言葉もそういった類なのだろう。その言葉に日本語のニュアンスは読み取れなかった。
住職の読経と天冥の祈りが重なり不思議なアンサンブルを奏でている。神楽鈴と太鼓、それに磬子が適度な合いの手を入れる。全開した本堂の磨き上げられた仏具から煌々とした金色の光が溢れ、お焚き火の真紅と合わさって境内全体を幻想的な空間に染め上げる。まるで雄壮な古典芸能を見ているように、仏教、神道、陰陽道の三つが融合した見事な饗宴に浦安はしばし口を開けて見惚れていた。寺の敷地全体が上空を飛んでいるような、ふわふわとした浮遊感に囚われていた。
捜査官は皆、互いの連絡がスムーズに出来るようにベルトにインカムを装着していたが、そのインカムに繋いだイヤホンがガガッと鳴り、浦安の意識を現実に引き戻す。
『こちら橋爪。西側にてこちらに歩いて来る集団を確認!』
ハッとして耳を済ますと、天冥の祝詞に混じって雑然とした声が聞こえている。声はまだ遠いが、声の重なり具合でかなりの人数であることは判断できた。
「やつら、まだ帰ってなかったのか…」
忌々しい顔で弓削と目を合わせる。弓削の顔に不安の色が浮かぶ。
「ちょっと見てくる。弓削はここで待機」
弓削が頷き、浦安は足早に東門を出る。門前で遠藤班の面々がこちらを向く。浦安は遠藤に目配せしながら、インカムを手に取った。
『こちら浦安。遠藤班はそのまま門前に待機、橋爪班と弓削班は西の規制線を張った辻まで行き、やつらが進入しないよう誘導!』
「了解」の声が人数分重なり、浦安も西の辻へと急ぐ。彼らはきっと来た道を引き返そうと北に歩いている中で久遠寺から上がる炎を発見し、東に折れてきたのだろう。山の腹の暗黒からチラチラと懐中電灯やカメラのライトを散らつかせながら近づいてくるのが見て取れる。
「ここからは先に行けません!引き返しなさい!」
しめ縄を張った先では橋爪が声を張り上げている。他の四人が縄に沿って横に並び、集団が先に進むのを防ぐ。
「ねーねー、この先で何やってんの~?」
「祭りじゃね?祭りやってんじゃね?」
「すっげー火、上がってんじゃん!」
「僕らにも見せて下さいよ~!」
シュプレヒコールこそ上げていないが、あちこちで勝手なことを言っている。その中の一人が金切り声を上げた。
「こいつら、警官じゃねーの!?」
その声に反応し、集団の中程からドスドスと頬の肉を震わせて主催者と見られた巨漢男が躍り出てきた。隣では巨漢男に寄り添って、銭形ちゃんと名乗ったトレンチ男がハンディカメラをこちらに向けている。巨漢男がプラカードを掲げ、荒い息を撒き散らし始めた。
「公権力の横暴を許すなー!ファックザパブリックサーバント!!」
「ファックザパブリックサーバント~」
続く声は昼間に比べてかなり散漫になっている。浦安は彼らの上気した顔を見て、こいつら神社で宴会をして来やがったなと、浦安は眉間の溝を深めた。
『一番前の太った男にライトを集中!』
インカムでそう指示し、各々携帯していた懐中電灯を巨漢男に向ける。六人分のビームライトが集中し、巨漢男は眩しさに顔をプラカードで覆った。
「わ、ま、まぶっ」
怯んだ男の前にすかさず浦安が出る。
「我々はこの寺を警護する者です!この寺では今、先日の工場爆破事件で亡くなった方々を供養する法要が執り行われています。それを邪魔するということは、死者を冒涜するということ!この場は速やかに引き返して下さい!」
咄嗟のことだったが、我ながら上手いことを言ったと浦安は思う。こういう風に言えば、もし彼らがネットに映像を出しても逆に彼らが大義を失って悪者になるだろう。事件現場が寺に近かったことも幸いした。
「おい、引き返そうぜ」
後ろからそんな声がし、後続の者たちが次々と踵を返し始めた。何とかなりそうだと浦安は胸を撫で下ろす。ライトを浴びた巨漢男はうううと呻きながら、力無くプラカードをダランと下に下ろした。露わになった巨漢男の渋面を見てハッとする。眩しいのか悔しいのか、その細い目からは涙が流れているが、その色が赤いのだ。妖化だ。やつは、妖化の前兆の血の涙を流している!そう思った矢先だった。
バキュン!
後方から発砲音が響き、巨漢男の白いTシャツの、マジックで書いたと思われる「Fuck the public servant」の伸び切った文字がみるみる赤く染まり出した。銃弾が胸に当たったのだ。
「誰だ!誰が撃った!?」
浦安は音のした方向を見た。捜査員たちのライトが自分の潔白を証明するかのように浦安の見る方向をサーチし、やがて一人の男を浮き上がらせた。頬のコケた痩せた男が拳銃を前に構えている。あんな男はK署の強行犯係にはいない、浦安は男の顔を見てそう思ったが、その姿に既視感を覚えた。記憶を手繰り寄せ、それが聖蓮女子を訪れた際の映像だと思い当たる。目から血を流しながら校長を刺した女子高生が撃たれた時、背後に全く同じポーズの男がいた。袴田だ。警察庁捜査一課の袴田、その名前を思い出した時、彼の目からツウっと、赤い涙が流れ出た。袴田は真っ赤な目をこれでもかと見開き、ニタっと口角を広げてギャヒヒと笑った。浦安の背筋を、漆黒の冷気が撫で上げた。
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