あたたかく光る

たまこ

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2話

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時が経つのははやく、獣人さまが来る日になった。


ミウとハオは村長の家でその獣人さまを待っていた。

今日は特別な日ということもあって、綺麗な格好をさせられていた。

「お前らどちらが選ばれるか分からん。だが、あちらで暮らせれば衣食住は保証される。そこは安心しなさい。だけどな、ハオお前に行かれるとな、わしは」

「悲しい」と続けて言おうとした村長の言葉を遮り、

「はいはい、何回も聞いたって~!」

とハオが言う。

ハオは村長とも仲がいい。実の孫のように思われている。

それとは真逆にあまり話したことのないミウはハオと違い初めて聞いた。
ミウはハオとの差をまた感じた。

村長とハオが仲睦まじく話していると、

コンコン

と音がした。
その音に空気が張りつめる。

ミウたちは正座をして顔を下げて待つ。

「お待ちしておりました。」

村長が迎え入れる。 

「突然すまない」
 
聞こえてきた声はとても低い声。
まだ一言だけだが、この獣人は良識のある人のようだ。

「いえ、お気になさらなず。こちらにどうぞ」  

足音が複数聞こえた。

予想だが、第一王子とその護衛だろう。

「顔をあげよ」

その声でミウたちは顔をあげた。

ミウは初めて見る獣人だったので不思議な気持ちになった。

第一王子と見られる真ん中の獣人は綺麗な金色の毛並みをしていた。
いかにも王子という容貌だが、威圧的な感じはいまのところ見受けられない。
その王子の隣に護衛が2人いた。
ひとりは赤色の毛並み。もうひとりは白色の毛並み。
護衛だといっても高貴な身分そうな方々だった。

「私はアルン・シュッド・バーンだ。噂は聞いているか?」
「あれですよね、人間の方を離宮に住まわせたとか…。まさか王子様が人間を好きになるとは思わなかったですけど」

と少し嬉しそうにハオが話すと、それを聞いていた赤髪の護衛が声を張り上げた。

「お前っ!その口の利き方、アルンさまに無礼であるぞ!」

そう言う赤髪にアルンは

「エリル!」

と圧のかかる声で怒った。

するとエリルと呼ばれた赤髪は耳やしっぽを垂れ下げ

「申し訳ありません」

と謝った。

ミウはそんな獣人を可愛いと思ったが心の中だけだ。

「エリルさんしょげてて可愛いですね!」

とハオは言った。
怖いもの知らずである。

「お前っっっ!」
「んふふ」

怒られても笑っているハオにミウは

(獣人を前にしてもハオはハオなんだな)

と尊敬した。

「「ハハハ」」
「アルンさま、笑うところじゃありません!お前も笑うな!!」

エリルとハオの言い合いに、アルンと白髪の獣人は笑った。

「いっいいじゃないか、仲良さげで」

と白髪の人はまだ笑っている。

「ラランッ!」

ラランというのが白髪の人の名前らしい。
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