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20話
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手当をしてもらった後、ミウはこの子をどうすればいいか考えていた。
親がいるかもしれないし、はたまたいないかもしれない⋯。
「どうしようか?」
ミウの腕の中ニコルその子に問いかけるように聞くと首を傾げた。
「坊っちゃまに報告しに行きましょうか」
「そうですね」
オルガはなんと言うだろうかと少し不安になったが、いつも優しいオルガのことなので大丈夫だろうとミウは考えた。
書斎に入ると、オルガは真剣に書類をさばいていた。
「坊っちゃま」
「ん?」
オルガが顔を上げると、その子にすぐ目がいったようで驚いた顔をしていた。
「どうしたんだ?そいつは」
「裏庭にいたんですよ。それをミウちゃんが見つけて、足を怪我していたので保護したんです」
「そうか⋯。」
オルガはその子の元へ近寄ってきた。
「お前の親は?」
「キャウ」
「話せないか」
「この子も話せるんですか⋯?」
「あぁ、多分生まれて半年くらいだから少しは話せるはずなんだがな。ちなみに、こいつも大きくなったら俺たちみたいに二足歩行出来るようになるぞ」
人間より獣人が発達しているのは分かっていたが、生まれて半年で話すことができることや、この子が二足歩行ができることにミウはそれを聞いてとても驚いた。
「獣人は街で暮らす者もいれば、山で暮らす者もいるんだが、こいつは話せないのを見る限り山でひとりでいたのかもな⋯。」
それを聞いて、ミウは「自分と一緒だ」と感じ、この子により一層そばに居てあげたいという思いが強くなった。
「とりあえず、家で保護するか」
「いいんですか?!」
「いいよ、ミウも一緒に居たいだろ?」
全てを見透かしたようにオルガはそう言った。
「名前は決めたのか?」
「なまえ⋯」
「そうだ、ミウが決めてあげな」
ミウは一生懸命考えて、考えた結果⋯。
「エッ、エリム⋯にしますっ!」
ミウは恥ずかしそうに、でも大きな声でそう言った。
「いい名前だ」
「いい名前ですねぇ」
ふたりは口を揃えてそう言ってくれたし、エリムは「キャンキャンッ」とミウの腕の中でとても喜んでいた。
ミウはそんな反応をみて、とても嬉しくなって心がポカポカした。
「気に入ってくれたの?」
「キャウッ!」
なんだが、エリムは言葉はまだ話せないけど、ミウたちの話す言葉が分かるようだった。
エリムはどんな環境にいたのか気になるミウだったが、これからは自分が幸せにしてあげようと思った。
お昼はエリムと一緒にご飯を食べた。
エリムのご飯はミウの手作りほぐしささみだ。
「美味しい?」
「キュゥ」
エリムは美味しすぎて溶けてしまった。
そんなエリムを見て、みんなが笑い癒されていた。
親がいるかもしれないし、はたまたいないかもしれない⋯。
「どうしようか?」
ミウの腕の中ニコルその子に問いかけるように聞くと首を傾げた。
「坊っちゃまに報告しに行きましょうか」
「そうですね」
オルガはなんと言うだろうかと少し不安になったが、いつも優しいオルガのことなので大丈夫だろうとミウは考えた。
書斎に入ると、オルガは真剣に書類をさばいていた。
「坊っちゃま」
「ん?」
オルガが顔を上げると、その子にすぐ目がいったようで驚いた顔をしていた。
「どうしたんだ?そいつは」
「裏庭にいたんですよ。それをミウちゃんが見つけて、足を怪我していたので保護したんです」
「そうか⋯。」
オルガはその子の元へ近寄ってきた。
「お前の親は?」
「キャウ」
「話せないか」
「この子も話せるんですか⋯?」
「あぁ、多分生まれて半年くらいだから少しは話せるはずなんだがな。ちなみに、こいつも大きくなったら俺たちみたいに二足歩行出来るようになるぞ」
人間より獣人が発達しているのは分かっていたが、生まれて半年で話すことができることや、この子が二足歩行ができることにミウはそれを聞いてとても驚いた。
「獣人は街で暮らす者もいれば、山で暮らす者もいるんだが、こいつは話せないのを見る限り山でひとりでいたのかもな⋯。」
それを聞いて、ミウは「自分と一緒だ」と感じ、この子により一層そばに居てあげたいという思いが強くなった。
「とりあえず、家で保護するか」
「いいんですか?!」
「いいよ、ミウも一緒に居たいだろ?」
全てを見透かしたようにオルガはそう言った。
「名前は決めたのか?」
「なまえ⋯」
「そうだ、ミウが決めてあげな」
ミウは一生懸命考えて、考えた結果⋯。
「エッ、エリム⋯にしますっ!」
ミウは恥ずかしそうに、でも大きな声でそう言った。
「いい名前だ」
「いい名前ですねぇ」
ふたりは口を揃えてそう言ってくれたし、エリムは「キャンキャンッ」とミウの腕の中でとても喜んでいた。
ミウはそんな反応をみて、とても嬉しくなって心がポカポカした。
「気に入ってくれたの?」
「キャウッ!」
なんだが、エリムは言葉はまだ話せないけど、ミウたちの話す言葉が分かるようだった。
エリムはどんな環境にいたのか気になるミウだったが、これからは自分が幸せにしてあげようと思った。
お昼はエリムと一緒にご飯を食べた。
エリムのご飯はミウの手作りほぐしささみだ。
「美味しい?」
「キュゥ」
エリムは美味しすぎて溶けてしまった。
そんなエリムを見て、みんなが笑い癒されていた。
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