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22話
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その日の夜。
「明日、どんな方が来ると思う?」
「キャゥー?」
ミウは一緒に寝ているエリムと話していた。
「オルガさまの家族⋯かぁ。優しいんだろうなぁ」
そんなことを考えていたら、どんどん時間が過ぎて行き、いつもより長く起きていた。
そんなミウにエリムは「寝ようよ」とでも言うように、ミウの手に自分の手を重ねた。
「んふふ、寝よっか」
ミウは少しソワソワしながらエリムを抱きしめて眠った。
「セシルさんおはようございます!」
「ミウちゃんおはよう」
今日はお昼に来客があるため、その方たち分のお昼ご飯の用意をしようとしていた。
オルガは朝早くに家を出て、今日来る方達となにか用があるみたいだ。
「今日のお客さまはどんな方ですか?」
「今日来るのはお兄さまとその護衛らしいわ。あまり会ったことはないけれど優しい印象があるわね」
セシルはそう教えてくれた。
ミウはオルガが弟だと知って少し驚いた。
「お兄さまがいるんですね、意外です」
「坊ちゃまはしっかりしているから弟には見えないわよね」
「オルガの兄」それはどんな人なんだろうとミウはとても気になって作っている最中もんもんと想像を膨らませていた。
お昼の時間となった。
無事お昼ご飯の準備は終わり、あとは来客が着いてから盛り付けるだけとなった。
「帰ったぞ」
オルガの声が聞こえ、セシルとミウはオルガたちを出迎えに玄関へと向かった。
ミウは息が止まった。
そこに居たのはハオたちだったからだ。
「⋯ミウ?」
ハオは気づいた瞬間ミウに抱き着いた。
「心配してたんだから!」
ミウは抱きしめ返すことも出来ず、ただ没前とした。
一方で、オルガは手で顔を覆った。
「まさか」と思っていたことが本当になるなんて思ってもみなかった。
その後のお昼ご飯の空気はシーンと静かだった。
真ん中にはオルガが座り、ミウとセシルは隣同士、目の前にハオたちがいた。
「オルガ、匿っていたのか?」
静かな空気の中、アルンが口を開いた。
「んなわけないだろ、奴隷商に売られてたのを買ったのが出会いだ」
「そうか⋯。まぁひとまず探していた人が見つかったことは安心した」
ふたりの会話に誰も何も言わずに見守っている中ハオが口を開く。
「おふたりはどんなご関係なんですか?」
「兄弟だ。」
「すまん、自己紹介がまだだったな。俺はアルンの弟のオルガだ。でこっちが」
「セシルです」
「ぼっ僕はハオです!」
元気に挨拶をするハオをみて、ミウは心臓がドキドキした。
ふたりもミウを嫌いになって、ハオを好きになるのではないか⋯と。
「ミウのこと本当に心配してたので、優しい方のお家に居て良かったです!」
そう話すハオの隣にいるエリルとラランを久しぶりに見た。
ハオが話すのを微笑ましそうに見つめている。
ミウは自分を探したくないのに探せと言われていたふたりを可哀想に思った。
「探したくもないミウを、義務で探していたエリルたちの貴重な時間をこんなことに使わせてしまったこと」をだ。
鈍感なミウでも分かるくらい、ふたりはハオを好いている。
もう過ぎたことだが、自分を探す時間を、ふたりとハオの時間にミウはしてあげたかった。
まさか、価値のない自分を探しているなんて思ってもなかったからだ。
「⋯どうして、僕を探してくれたんですか?」
ミウは気になっていたことを聞いた。
「明日、どんな方が来ると思う?」
「キャゥー?」
ミウは一緒に寝ているエリムと話していた。
「オルガさまの家族⋯かぁ。優しいんだろうなぁ」
そんなことを考えていたら、どんどん時間が過ぎて行き、いつもより長く起きていた。
そんなミウにエリムは「寝ようよ」とでも言うように、ミウの手に自分の手を重ねた。
「んふふ、寝よっか」
ミウは少しソワソワしながらエリムを抱きしめて眠った。
「セシルさんおはようございます!」
「ミウちゃんおはよう」
今日はお昼に来客があるため、その方たち分のお昼ご飯の用意をしようとしていた。
オルガは朝早くに家を出て、今日来る方達となにか用があるみたいだ。
「今日のお客さまはどんな方ですか?」
「今日来るのはお兄さまとその護衛らしいわ。あまり会ったことはないけれど優しい印象があるわね」
セシルはそう教えてくれた。
ミウはオルガが弟だと知って少し驚いた。
「お兄さまがいるんですね、意外です」
「坊ちゃまはしっかりしているから弟には見えないわよね」
「オルガの兄」それはどんな人なんだろうとミウはとても気になって作っている最中もんもんと想像を膨らませていた。
お昼の時間となった。
無事お昼ご飯の準備は終わり、あとは来客が着いてから盛り付けるだけとなった。
「帰ったぞ」
オルガの声が聞こえ、セシルとミウはオルガたちを出迎えに玄関へと向かった。
ミウは息が止まった。
そこに居たのはハオたちだったからだ。
「⋯ミウ?」
ハオは気づいた瞬間ミウに抱き着いた。
「心配してたんだから!」
ミウは抱きしめ返すことも出来ず、ただ没前とした。
一方で、オルガは手で顔を覆った。
「まさか」と思っていたことが本当になるなんて思ってもみなかった。
その後のお昼ご飯の空気はシーンと静かだった。
真ん中にはオルガが座り、ミウとセシルは隣同士、目の前にハオたちがいた。
「オルガ、匿っていたのか?」
静かな空気の中、アルンが口を開いた。
「んなわけないだろ、奴隷商に売られてたのを買ったのが出会いだ」
「そうか⋯。まぁひとまず探していた人が見つかったことは安心した」
ふたりの会話に誰も何も言わずに見守っている中ハオが口を開く。
「おふたりはどんなご関係なんですか?」
「兄弟だ。」
「すまん、自己紹介がまだだったな。俺はアルンの弟のオルガだ。でこっちが」
「セシルです」
「ぼっ僕はハオです!」
元気に挨拶をするハオをみて、ミウは心臓がドキドキした。
ふたりもミウを嫌いになって、ハオを好きになるのではないか⋯と。
「ミウのこと本当に心配してたので、優しい方のお家に居て良かったです!」
そう話すハオの隣にいるエリルとラランを久しぶりに見た。
ハオが話すのを微笑ましそうに見つめている。
ミウは自分を探したくないのに探せと言われていたふたりを可哀想に思った。
「探したくもないミウを、義務で探していたエリルたちの貴重な時間をこんなことに使わせてしまったこと」をだ。
鈍感なミウでも分かるくらい、ふたりはハオを好いている。
もう過ぎたことだが、自分を探す時間を、ふたりとハオの時間にミウはしてあげたかった。
まさか、価値のない自分を探しているなんて思ってもなかったからだ。
「⋯どうして、僕を探してくれたんですか?」
ミウは気になっていたことを聞いた。
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