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王都から離れようと移動を開始した瞬間、大きな歓声が聞こえてきた。
「ーっ!」
システィが王都の方向へ振り向く
「どうした。中に入らないのか?」
「…いえ、今入ります」
そう言うシスティの表情はとても良い表情をしていた。理由は何だろう、知り合いの声でも聞こえたのだろうか?
…さて出発だ
「キューーーーー」
国境を越えしばらく進んでいると
「ユウト…いつまでユウキなんだ?」
「……あっ」
すっかり忘れていた
「システィ」
「はい、何でしょうか?」
「俺のこの姿は実は変装でな別の姿を持っているんだ」
とても真剣な目つきでシスティを見つめる
「別の姿…ですか?」
「ああ、だから…」
「大丈夫です。あなたがどんな姿だろうが私を助けてくれて失った腕を元通りにしてくださった。とても素敵な恩人であることに変わりはないのですから」
ホントかな?
…ここで禿げて太った脂ぎったオッサンになっても同じことが言えるかな?
「…本当かな?」
「はい、例え人ならざる者でも他の方々が信頼していらっしゃいますし」
うん、みんな狭いスペースながらくつろいでいらしゃいますから、時折揺れることもあるが窓が無いからラドンちゃん止まらない限りテラスに行くぐらいか?
今はみんな室内にいるがこっちを見ている。退屈なんですね、わかります
「実は俺の本当の姿は……」
「「「(ゴクリ)」」」
…システィに言っているからシスティがリアクションがあるのはわかるが何でクルミルの2人もも?
他はアーノはニヤニヤしてる何かを期待しているな…
ジト目のナーナンさんは目を細める
ルナさんは広角を僅かに上げて微笑みを浮かべている
これはふざけたほうがいいのかな?
ならば期待に答えて先程言ってはいないが思った姿になるしかあるまい!
では、お見せしよう汚っさんを
『ボフン』
アーノが手助けしてくれた。なるほどいいね
「「「…」」」
「「「…」」」
「「…」」
みんなが無言の中、この無害の煙が消えそうになったところで俺は言葉を発する
「デュフフフフ、これが本当のすがたでしゅよ~」
「「「「「ーっ!」」」」」
「ぷっ」
そこからは思い出したくもない悲鳴と叫びと笑いの阿鼻叫喚(笑)付きのすごい絵面だ、落ち着くまでに時間がかかったがなんとかなだめ謝罪をする俺
ナーナンさんからは
「2度とあの姿やあれに似た姿をするな!」
と怒鳴られルナさんからも
「ないわ主様、あれは絶対にないわ、ありえないわ、本当にないわ」
ないわ連発発言を延々と食らった。仕方がないクルファでさえ
「申し訳ありません主君があの姿を取っているときは距離を開けてもよろしいでしょうか?」
超拒絶の表情で言われ、ミルファは泣きっぱなしだった。肝心のシスティはというと
至近距離で見たせいなのか白目気絶だった口も空いていたし叫びながら気絶したのだろう
その後目が覚めるまで俺は謝り、目が覚めたあとにユウトの姿を見せてふざけた事の謝罪をし、反省の意味も込めてアーノと共に外へ出た
「やっちまった」
「だねー…ぷっふふふ」
「アーノ的にはどうだった?」
「えー、そだね~発禁書物に出てくる美少女をゴニョゴニョするオッサンだったからマジでキモかった♪」
「そっかぁ…あの姿でアーノに近づいても大丈夫か?」
「ムリムリ、手を出さない保証がないよ?」
アーノも無理か、生理的に受け付けない領域と思ったほうが良さそうだな
「プレイヤーさん、あの姿はモザイク指定できるレベルだよ?」
「そんなにか?」
「うん」
「そんなにかぁー」
永久封印だな、さて少し今から行くところを確認したいな
まず国境を越えて海洋王国ヴェルドニアに入った
さてイーリンさんや、この国のこと少し教えて下さいな
『海洋王国ヴェルドニアですね
貴族社会でありますし良い貴族、悪い貴族半々といったところでしょうか軍事面が割と多めに税金は注ぎ込まれていますがそれは海向こうの隣国があまり信用ならない国ゆえです
ですがゲスドグーズ王国と比べるまでもなく、村でなければ主要都市などはだいぶ発展していると言えましょう』
「ふーん」
『付け加えるならば魔法があるため上水道はありませんが下水道はありますのでトイレやお風呂は充実しておりますし衛生概念はありますので割と清潔ですよ』
「それは助かるな」
「宿屋も同様かな?」
『はい、ですが…』
「「?」」
『奴隷を隣国より買い取っております』
わーお、イーリン奴隷はこの世界ではどんな扱いですかそこは割と重要ですよ?
『各国により違いは様々ですのでこれから訪れる国の説明だけします』
はーい、お願いしまーす
『ヴェルドニアでは奴隷は主に借金奴隷のみとなっております。最初はそういう扱いでありましたが海向こうの隣国やゲスドグーズ国、先のガンダダ王国により奴隷の間は誰かに買われない間は国保有として有事の際は戦奴として扱う名目で購入されております』
つまり購入先は海向こうの隣国ということかつーか名前は何?
『海向こうの国、カンディク帝国です。この国は人族至上主義であり亜人は人以下で見つけ次第、どこの国のものであろうが、冒険者であろうが別大陸のものであろうが亜人ならば奴隷にしますので行くならば人族のみで行くべきです。
あとこのヴェルドニアの奴隷購入先はここであります亜人しかいませんし現国王は気休めにしかならないとわかっていて購入して助けています』
へーいい国王じゃん、それじゃあいざとなったら戦奴っていうのは購入する名目てところか
『はい』
でもイーリン、奴隷は無限じゃないだろ?
『それが…………』
イーリン?
『胸糞悪い話ですが、お聞きになりますか?』
なんだ?言ってくれ
『奴隷……牧場があります』
は?
『見目の良い奴隷、体格に恵まれた奴隷はその中で優れた個体を数名確保して良いもの同士を交配させており常に産ませています。その中から売り用、繁殖用と分けて常に数を保っているのです』
……マジで家畜扱いか、この世界の問題とはいえ滅ぼしていいだろうか?
『よろしいかと』
やりたいことリストの最下層に入れとくか、チートで俺が気に食わないからと言って世界をわがままに変えていくのはいけないことだと思う
実は俺的に勇者システムの問題以外では、色々と世界に大きな変動をあたえる可能性の事柄はできれば避けたいと思っている
チート系主人公は、さも当然のように世界で大暴れし色々と周りに影響を与えているがあれは後のことを何も考えていないから出来ること…と断言しないが後々のことを考えると俺は行動できないのだ
そう、気にしてしまうんだよなー
例としてあげるなら男性人間と女性エルフの結婚は寿命を考えると酷い事だよなと思ってしまう
エルフにとって瞬きの間に子供つくて愛する人は死ぬエルフがきにしなくても俺は気にするゆえに結婚とか子供とか無理
残される方が可愛そうだと思ってしまう自分が残される側ならば、なんとか大丈夫。でも残す側だったら無理だし愛する人がその後別の男性と…とか想像したくない
気にしてしまう上に独占欲もあるだから残される側である今は結婚や子供はバッチコイの状態
で話を戻すが影響を与えたくないというのは俺の寿命が無いというのもある
まあ詳しく話す必要はないが、後々考えると国である地位につくのも問題あると思う、ついてもせめて1代限りで適当なところで死体用意してさよならしなければならない
あと、その他諸々でめんどくさいのだ
だから世界の問題は勇者システムという神様影響以外、積極的に手を出さないようにしたいのだ
「そのうちな」
見てないから平気だが見て気にしたら我慢はせずに神様にアポ取り速GOだ!
『ガチャ』
「ユウト、アーノロウティ今日はここらへんで野宿にしようと思うが…」
「ん、そうか」
言われて太陽の位置を見ると高い位置をとっくに過ぎていてそろそろ沈む位置にある
「ラドンちゃん野宿の準備をするぞ」
「キューン」
道からそれるラドンちゃん、やっぱり言葉が通じるっていいな♪
ラドンちゃんから降りて、それぞれ準備をする
ナーナンさんはクルファを連れて薪拾いと狩りへ、ルナさんとミルファは竈を作っている
「どうして魔法を使わないんだ?」
「主様もし魔法を使っては駄目な時とかの為の練習よ」
「魔法を使ってはだめなとき?」
「ええ、討伐対象が魔力に敏感な場合は魔法を使わずに野営をしないと逃げられてしまうのよ」
なるほど、そんなパターンもあるのか
「なるほど参考になる」
ルナさんにお礼を言って立ち去る
キョロキョロとシスティを探し見つけると絵を描いているのでそっとしておこう
さて俺とアーノは何をしよっか?
「ーっ!」
システィが王都の方向へ振り向く
「どうした。中に入らないのか?」
「…いえ、今入ります」
そう言うシスティの表情はとても良い表情をしていた。理由は何だろう、知り合いの声でも聞こえたのだろうか?
…さて出発だ
「キューーーーー」
国境を越えしばらく進んでいると
「ユウト…いつまでユウキなんだ?」
「……あっ」
すっかり忘れていた
「システィ」
「はい、何でしょうか?」
「俺のこの姿は実は変装でな別の姿を持っているんだ」
とても真剣な目つきでシスティを見つめる
「別の姿…ですか?」
「ああ、だから…」
「大丈夫です。あなたがどんな姿だろうが私を助けてくれて失った腕を元通りにしてくださった。とても素敵な恩人であることに変わりはないのですから」
ホントかな?
…ここで禿げて太った脂ぎったオッサンになっても同じことが言えるかな?
「…本当かな?」
「はい、例え人ならざる者でも他の方々が信頼していらっしゃいますし」
うん、みんな狭いスペースながらくつろいでいらしゃいますから、時折揺れることもあるが窓が無いからラドンちゃん止まらない限りテラスに行くぐらいか?
今はみんな室内にいるがこっちを見ている。退屈なんですね、わかります
「実は俺の本当の姿は……」
「「「(ゴクリ)」」」
…システィに言っているからシスティがリアクションがあるのはわかるが何でクルミルの2人もも?
他はアーノはニヤニヤしてる何かを期待しているな…
ジト目のナーナンさんは目を細める
ルナさんは広角を僅かに上げて微笑みを浮かべている
これはふざけたほうがいいのかな?
ならば期待に答えて先程言ってはいないが思った姿になるしかあるまい!
では、お見せしよう汚っさんを
『ボフン』
アーノが手助けしてくれた。なるほどいいね
「「「…」」」
「「「…」」」
「「…」」
みんなが無言の中、この無害の煙が消えそうになったところで俺は言葉を発する
「デュフフフフ、これが本当のすがたでしゅよ~」
「「「「「ーっ!」」」」」
「ぷっ」
そこからは思い出したくもない悲鳴と叫びと笑いの阿鼻叫喚(笑)付きのすごい絵面だ、落ち着くまでに時間がかかったがなんとかなだめ謝罪をする俺
ナーナンさんからは
「2度とあの姿やあれに似た姿をするな!」
と怒鳴られルナさんからも
「ないわ主様、あれは絶対にないわ、ありえないわ、本当にないわ」
ないわ連発発言を延々と食らった。仕方がないクルファでさえ
「申し訳ありません主君があの姿を取っているときは距離を開けてもよろしいでしょうか?」
超拒絶の表情で言われ、ミルファは泣きっぱなしだった。肝心のシスティはというと
至近距離で見たせいなのか白目気絶だった口も空いていたし叫びながら気絶したのだろう
その後目が覚めるまで俺は謝り、目が覚めたあとにユウトの姿を見せてふざけた事の謝罪をし、反省の意味も込めてアーノと共に外へ出た
「やっちまった」
「だねー…ぷっふふふ」
「アーノ的にはどうだった?」
「えー、そだね~発禁書物に出てくる美少女をゴニョゴニョするオッサンだったからマジでキモかった♪」
「そっかぁ…あの姿でアーノに近づいても大丈夫か?」
「ムリムリ、手を出さない保証がないよ?」
アーノも無理か、生理的に受け付けない領域と思ったほうが良さそうだな
「プレイヤーさん、あの姿はモザイク指定できるレベルだよ?」
「そんなにか?」
「うん」
「そんなにかぁー」
永久封印だな、さて少し今から行くところを確認したいな
まず国境を越えて海洋王国ヴェルドニアに入った
さてイーリンさんや、この国のこと少し教えて下さいな
『海洋王国ヴェルドニアですね
貴族社会でありますし良い貴族、悪い貴族半々といったところでしょうか軍事面が割と多めに税金は注ぎ込まれていますがそれは海向こうの隣国があまり信用ならない国ゆえです
ですがゲスドグーズ王国と比べるまでもなく、村でなければ主要都市などはだいぶ発展していると言えましょう』
「ふーん」
『付け加えるならば魔法があるため上水道はありませんが下水道はありますのでトイレやお風呂は充実しておりますし衛生概念はありますので割と清潔ですよ』
「それは助かるな」
「宿屋も同様かな?」
『はい、ですが…』
「「?」」
『奴隷を隣国より買い取っております』
わーお、イーリン奴隷はこの世界ではどんな扱いですかそこは割と重要ですよ?
『各国により違いは様々ですのでこれから訪れる国の説明だけします』
はーい、お願いしまーす
『ヴェルドニアでは奴隷は主に借金奴隷のみとなっております。最初はそういう扱いでありましたが海向こうの隣国やゲスドグーズ国、先のガンダダ王国により奴隷の間は誰かに買われない間は国保有として有事の際は戦奴として扱う名目で購入されております』
つまり購入先は海向こうの隣国ということかつーか名前は何?
『海向こうの国、カンディク帝国です。この国は人族至上主義であり亜人は人以下で見つけ次第、どこの国のものであろうが、冒険者であろうが別大陸のものであろうが亜人ならば奴隷にしますので行くならば人族のみで行くべきです。
あとこのヴェルドニアの奴隷購入先はここであります亜人しかいませんし現国王は気休めにしかならないとわかっていて購入して助けています』
へーいい国王じゃん、それじゃあいざとなったら戦奴っていうのは購入する名目てところか
『はい』
でもイーリン、奴隷は無限じゃないだろ?
『それが…………』
イーリン?
『胸糞悪い話ですが、お聞きになりますか?』
なんだ?言ってくれ
『奴隷……牧場があります』
は?
『見目の良い奴隷、体格に恵まれた奴隷はその中で優れた個体を数名確保して良いもの同士を交配させており常に産ませています。その中から売り用、繁殖用と分けて常に数を保っているのです』
……マジで家畜扱いか、この世界の問題とはいえ滅ぼしていいだろうか?
『よろしいかと』
やりたいことリストの最下層に入れとくか、チートで俺が気に食わないからと言って世界をわがままに変えていくのはいけないことだと思う
実は俺的に勇者システムの問題以外では、色々と世界に大きな変動をあたえる可能性の事柄はできれば避けたいと思っている
チート系主人公は、さも当然のように世界で大暴れし色々と周りに影響を与えているがあれは後のことを何も考えていないから出来ること…と断言しないが後々のことを考えると俺は行動できないのだ
そう、気にしてしまうんだよなー
例としてあげるなら男性人間と女性エルフの結婚は寿命を考えると酷い事だよなと思ってしまう
エルフにとって瞬きの間に子供つくて愛する人は死ぬエルフがきにしなくても俺は気にするゆえに結婚とか子供とか無理
残される方が可愛そうだと思ってしまう自分が残される側ならば、なんとか大丈夫。でも残す側だったら無理だし愛する人がその後別の男性と…とか想像したくない
気にしてしまう上に独占欲もあるだから残される側である今は結婚や子供はバッチコイの状態
で話を戻すが影響を与えたくないというのは俺の寿命が無いというのもある
まあ詳しく話す必要はないが、後々考えると国である地位につくのも問題あると思う、ついてもせめて1代限りで適当なところで死体用意してさよならしなければならない
あと、その他諸々でめんどくさいのだ
だから世界の問題は勇者システムという神様影響以外、積極的に手を出さないようにしたいのだ
「そのうちな」
見てないから平気だが見て気にしたら我慢はせずに神様にアポ取り速GOだ!
『ガチャ』
「ユウト、アーノロウティ今日はここらへんで野宿にしようと思うが…」
「ん、そうか」
言われて太陽の位置を見ると高い位置をとっくに過ぎていてそろそろ沈む位置にある
「ラドンちゃん野宿の準備をするぞ」
「キューン」
道からそれるラドンちゃん、やっぱり言葉が通じるっていいな♪
ラドンちゃんから降りて、それぞれ準備をする
ナーナンさんはクルファを連れて薪拾いと狩りへ、ルナさんとミルファは竈を作っている
「どうして魔法を使わないんだ?」
「主様もし魔法を使っては駄目な時とかの為の練習よ」
「魔法を使ってはだめなとき?」
「ええ、討伐対象が魔力に敏感な場合は魔法を使わずに野営をしないと逃げられてしまうのよ」
なるほど、そんなパターンもあるのか
「なるほど参考になる」
ルナさんにお礼を言って立ち去る
キョロキョロとシスティを探し見つけると絵を描いているのでそっとしておこう
さて俺とアーノは何をしよっか?
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