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3.海辺の王国ヴェルドニア

2.釣るぜ、超釣るぜー!

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と言う訳で海水浴から磯釣りに変更です。あっちゃんと服は着ましたよ

砂浜からかなり移動して磯がありましたのでそこで釣り始めることに

「道具はあるのか?」

ナーナンさんに聞く

「ああ、このポーチに入ってる」

言うやいなやスルスルと釣り竿を出す。糸と針が付いていない延べ竿か

「それとこれ」

おっ釣り針と糸か……なんの材質かな?

「それは何で出来ているんだ?」

「針はドラグの爪から作り出されている」

ドラグ…ラドンちゃん系の地竜の素材かー大きさ的にも野生でないものからも取れる段階で加工賃…技術代ぐらいしか、かかってないのかな?

「糸は?」

「グランドスパイダーの釣り糸だ」

グランドスパイダー?
名前からして大きな蜘蛛な気が…

『マイマスター、グランドスパイダーは体車サイズですよ』

え、車サイズかよ会いたくないなー見た瞬間悲鳴を上げそうだ……それはともかく釣り糸?

「釣り糸とは?」

「そのままだ、グランドスパイダーは釣りをする、陸でも海でも川でも…な」

それにかかる獲物が大小様々でたくさんいるからその糸はかなり頑丈だということか

「うーん」

「どうした?」

「いや、俺の持つ糸がもつかどうかなっと思って」

「見せてみろ」

ナーナンさんに糸を渡すと引っ張る

『プツン』

かっ…簡単に切れやがった

「う……うーん、5mクラスまで持つかな?」

この世界ではそれぐらいまでなのかな?
アーノの世界の釣り糸なんだけどゲーム世界では糸の選択なんて無かったけど結構大きな魚とか釣り上げたことがあるんだけどなー

「糸は結構な長さがある、使うか?」

「ああ、貰う」

グダグダしながら釣り糸をなんとかつけて次は糸と針を………どうつけるんだ?

糸と針なんて結んだことないんですけど

「アーノ」

「はいはい」

「糸と針を付けてくれないか?」

「ほーい」

ほほぅ……全くわからん!

「アハハハ、いくつか作ってアイテムボックスに入れとくね~」

「お世話になります」

「いえいえ~♪」

さて、じゃあ俺は釣り場所を決めるか
ナーナンさんとルナさんは、クルミルシスに釣りを教えて…いやシスティも釣りを教える側だな

大丈夫そうだな、さて最適な場所は何処かなー


トテトテトテトテ………………………………おっ、ここ良さそうだな

餌は流石に一緒でも大丈夫だろうえーと最初は団子で行こう

「ヌチャット針につけて針が隠れるように」

最初だし食い付くかどうかだからこんなものか

「食いついてくれよー」

「プレイヤーさん、スキル使う?」

「それは……効果あるのか?」

「あるよ、ゲームで釣りしていたでしょ?」

「そうだが…えっ、それじゃなにか3回ピクピクしたら引けばいいのか?」

「うん、それで確実に釣れるよ」

「それはゲームならともかく実際には……ずるいんじゃないかな?」

「そっ…………かぁ」

うん、食糧難ならともかく釣りを楽しみたいんだ魚との駆け引きを楽しみたい

「すまんな」

「いやいや、気にしなくていーよー」

でわ早速『ポチャン』

…………………………………………
……………………
…………

「よっ」

………餌がない、餌をつけて再び

…………………
…………
……

「よ」

餌がない、餌をつけて再び

…………それを続けること数時間………………

日もくれてきた

「プ、プレイヤーさん」

「………」

「諦めよ、もう帰ろうよ……」

「………もはやヤケということだ」

「どうしても釣りたいなら…」

「それは邪道だ!」

「はぅ……」

アーノ提案はダメだそれは蛇の道である爆弾漁方と何ら変わらない

「いや、諦めろ」

「ナッナーナンさん、どうしてだ」

「いや流石に夜になる」

「夜……そうか夜なら釣れる!」

「いや駄目だ、夜釣りは危険だ海陸共に魔獣が活性化するぞ?」

「そこはアーノガード!」

「うーい、守るよー!」

「………まあ、いいけどな」

ナーナンさんたちはラドンちゃんのところへ戻った


「プレイヤーさん」

「うん、実力で一匹は釣るぞ!」

「……うん、ミマモッテルネ」

………おう、ミマモッテテクレ

真っ暗になりアーノに頼んで明かりを出し糸を垂らすこの世界でも集魚灯の役割は存在すればいいけど

………………グスン

「釣っつれねーーーーー」

「無反応?」

「いや、餌を変え場所を変えてんだ俺が悪い」

事実、餌は食われているゴカイだったか?その餌に変えてみたりそのへんの貝やカニもいたから試した。しかし、全部餌だけ食われて逃げられている、なぜだ!

「………最後の一回にしておくか」

やけになってまるまる1日無駄にするところだ、クラーケンの方に行かず最初っからこっちに来ていたら間違いなく1日無駄にしていたことだろう

『ポチャン』

ウキもあるし普通に分かるものだがな、なんで釣れないんだ?

『グイッ!』

「おおっ!」

ようやく、ようやく来たか!

「グオオオオオ、アーノヘルプ!」

「ホイホイ」

やべえ、すごい引だーーーーーー♪
テンション上がってくる!

『ザッパアアアアアア!』

「やった、やったよアーノ大っきいお魚だ!」

これはなんの魚かな?

「おおー、やったねプレイヤーさん!大っきいお魚……………っと思うじゃん?」








「………………………………チガウノ?」









「………残念ながらね~お魚では無いんですね~…いや、一様魚類だけど…そのねー」




「残念ながら……」



「プレイヤーさんしっかりして!」



な、ん………だ、ろ、う………せ、か……い、が


「プレイヤーさん!」

アーノに肩を掴まれガクガクと揺らされる

「はっ!?」

「だっだだだ大丈夫っ!?」

「おっおう、なんとか…やっべー、ショックのあまり意識が飛びかけていたわー」

「いやいやいや、意識どころか魂の昇天だと思うよ!!!」

「そっそうか……で、アーノこれは何だ?」

「フェイクフィッシュ、人面魚で魔物に一様はいる」

「フェイク……フィッシュ?」

これのどこが?
見た目普通の魚だし人面魚と言われる要素はどこにも無い、だがフェイクと名がついているならばどこかにその要素が…と思っていると

その魚を見ると頭部に該当するエラまでの部分の顔がパカッと縦に割れて、人間の顔が出てきた!?

「よう」

………声がかわいいだと!?

「!?」

「キモイ」

俺は驚き、アーノは顔を歪め嫌そーな表情だ

「なんだよ、文句あんのか」

「プレイヤーさん、それ食える?」

「いや、無理だ」

人の顔、人面というだけならばなんとかイケるが…喋るとかコミュニケーションが取れるとか無理だわー

「おい、俺を海に返せ」

「あっああ、海に返すよ」

「待て、お前タダで海に返すと言うのか!?」

「!?」

何だこの魚、魚の癖に何かを要求する気か図々しい!

「え~、何を要求するきなのさ!」

アーノがブーブー俺の横で睨む

「飯をよこせ」

飯?ああ、餌のことか…凄んでいるこの人面魚声が可愛から凄みがないな

「ホレ」

練りエサを出す

「……フム、あ~ん……モグモグ」

人面魚は咀嚼し目を瞑るとしばらく噛み締めて味を堪能すると飲み込みじっとする

……なんでだろう、評価を受ける人の気持ちになるのは

『カッ』
「不味い!」

ひどい、魚はきっと喜んでついばんでいたぞ…きっと

「ならなんで飲み込んだ!」

「食べ物を粗末にする訳にはいかないだろう!」

「そりゃそうだが…」

正論で返された。もうムカついてきたので

「そおおおおおい!」

『ブンッ!』

投げる、海に返してやろう

「うわあああああぁぁぁぁ………『バシャン』」

「…………」

「…………」

「帰るか」

「うん」

はぁ~……釣果ゼロ……か

「ボウズって言うんだっけ?」

「確かな……くそぅ」

悔しいな明日にはリベンジだ!
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