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久奉ニ十一年 三月十日
熊様に賜った屋敷が完成する。
庭が広く、薬草の栽培ができる上に裏手から斎翠山に入ることができる。
気をつけていれば数種類の薬草には事欠かないだろう。
橡緒城よりは離れてしまったが、熊様に服従の意がある斎藤殿が治める土地であることもありがたい。
久奉ニ十一年 四月八日
三元先生の居場所を探り当て、再び同行させていただく。
あの方はとても行動的なので、一度別れると再会するまでにとても時間がかかる。
ともあれ、最近なにかと物騒なこのご時世。
危険なことに巻き込まれていなくて安心した。
久奉ニ十一年 五月十三日
至国より南東の効国にて姜草の栽培が盛んと聞いて足を向ける。
久奉ニ十一年 五月十五日
効国は銀山の採掘にも力を入れているようで、試しに寄ってみた山は川の水が濁っていた。
あまり長居はしたくない。
久奉ニ十一年 五月十九日
姜草の栽培地を見せてもらう。
まだ試行錯誤の域らしいが、育成が安定するようになれば市場にも出回りやすくなるとのこと。
栽培地の管理者から気になる話を聞く。
『力』なるものを注ぎながら栽培を行うと、通常よりも変化した薬効を持つ姜草ができあがるという。
その『力』は不可視だが人によって様々で、薬効を強める者もいれば弱める者もおり、全く別の効果を持たせる者もいるらしい。
現在は効国領主の竜野家からの命により、栽培に適した人材を選別しているそうだ。
久奉ニ十一年 六月二十三日
三元先生のご実家で義姉が急病とのこと。
急遽里帰りをお決めになった先生と別れる。
久奉ニ十一年 七月一日
屋敷に戻り、薬草の栽培とこれまで得た知識の編纂作業に集中することとする。
静かに作業をしていると、よりいっそう考えに没頭できる。
すなわち、私はなにをなすべきか。
私は熊様の家来だ。
熊様は、至国の民の平和を求めている。
ならば私は今までに培った知識を使い、民の健康に平和をもたらそう。
お側に控えられずとも、それがきっと熊様のお役に立つと信じる。
久奉ニ十一年 八月十一日
啓導院ではできなかった、薬用酒を作ってみようと思い立ったはいいが、自分が酒に弱いことは完全に計算外だった。
複数ある方法を試そうと様々な器に注ぎ込んだ、その酒気だけで記憶を失くすほど酔うとは思わなかった。
熊様とお会いする幻覚まで見た気がする。
頭が痛い。
※
熊様に賜った屋敷が完成する。
庭が広く、薬草の栽培ができる上に裏手から斎翠山に入ることができる。
気をつけていれば数種類の薬草には事欠かないだろう。
橡緒城よりは離れてしまったが、熊様に服従の意がある斎藤殿が治める土地であることもありがたい。
久奉ニ十一年 四月八日
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あの方はとても行動的なので、一度別れると再会するまでにとても時間がかかる。
ともあれ、最近なにかと物騒なこのご時世。
危険なことに巻き込まれていなくて安心した。
久奉ニ十一年 五月十三日
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あまり長居はしたくない。
久奉ニ十一年 五月十九日
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栽培地の管理者から気になる話を聞く。
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その『力』は不可視だが人によって様々で、薬効を強める者もいれば弱める者もおり、全く別の効果を持たせる者もいるらしい。
現在は効国領主の竜野家からの命により、栽培に適した人材を選別しているそうだ。
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お側に控えられずとも、それがきっと熊様のお役に立つと信じる。
久奉ニ十一年 八月十一日
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複数ある方法を試そうと様々な器に注ぎ込んだ、その酒気だけで記憶を失くすほど酔うとは思わなかった。
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頭が痛い。
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