【完結】恋愛強制執行!?―俺様ホストの甘い罠―

砂原紗藍

文字の大きさ
5 / 31
甘い罠の始まり

4.甘い誘惑

しおりを挟む
「……なんか眠くなってきた……」

グラス片手に、陸がぽつりと呟く。
沢山飲んでたから酒が回り始めたかな。

陸の頬がうっすらと赤くなってきてる。俺はその頬に軽く手を当てた。

「熱いじゃん……今度は俺が冷やしてやるよ」
「ん……」

酒でふわふわしてるのか、陸の表情が緩んでいる。
俺の他にも、こんな顔見せたりしたのかな。
それを思うと、俺の胸の奥がざわっと熱くなる。

「……なあ、陸」

名前を呼ぶと、彼は少し驚いた顔で俺を見返した。

「なに……?」
「せっかく仲良くなったのに、このまま別れちゃうのってもったいなくない?」

少しだけ距離を詰める。彼の表情がよく見えるくらいの距離だ。陸の目が一瞬、戸惑いで揺れた。

「え、何だよそれ……」

困惑してるけど、嫌がってるわけじゃない。
俺はにやにやしながら、陸の反応を観察する。視線が泳いでいるのが面白い。

「陸、結構酔ってるだろ? 俺んち、ここからすぐ近くだから休んでいけよ」

陸はぼんやりした目で俺を見上げる。

「……いいのか……?」
「もちろん。でも、ひとつ条件があって――」
「条件……?」

耳元に顔を近づけて、ちょっと悪戯っぽく囁く。

「面白い契約があるんだけど、してみない?」
「……契約って、どんな?」
「恋人契約」

陸はぱちりと目を見開く。酔いが少し醒めたみたいだ。

「……は? 恋人契約ってなんだよ」
「さっきも言ったけど、お互い忙しいし、面倒な誘いも多いじゃん? だから形だけでも恋人がいることにしちゃえば楽」

陸は考え込むような顔をする。意外と真面目に検討してる。

「契約内容は簡単。お互いが必要な時に恋人のフリをする。面倒な誘いは断れるし、一人の時も寂しくない。悪くない取引だろ?」

陸は顔を赤くしながら、じっと俺を見つめる。

「まあ……たしかに。でも、なんで俺なんだよ」

小さな声で呟く陸。でももう完全に拒絶モードじゃない。

「だって、お前みたいな奴初めて会った。話してても面白いし、仲良くやれそうだからさ」
「よく分かんねぇけど、それなら……まあ、いっか」

その一言で、俺の心臓が大きく跳ねた。

やった。でも同時に、なんだか緊張もしてきた。陸と過ごす時間が楽しみで仕方ない。

「でも……俺、こういうの慣れてねぇからな」

不安そうな顔をする陸。その表情がまた可愛くて、守ってあげたくなる。

「大丈夫だって。俺が全部リードするから、陸は流れに任せてればいい」
「俺の方が年上だし。そういう問題じゃねぇんだけど……」

困った顔をする陸に、思わず笑ってしまう。

「年齢は関係ないだろ。心配しすぎ。楽しくやろうよ」

俺がそう言うと、陸も少し表情を和らげた。

「変な奴」
「お互い様な」

そんな風に言い合いながら、俺たちは自然と笑顔になっていた。

「よし、今夜から俺たちは契約恋人だな」
「契約恋人……か」

陸がその言葉を確認するように呟く。
俺はスマホを確認して、テーブルに置いた。

「じゃあ、陸は俺と付き合うってことでいいよな?」
「……ああ、いいよ」
「俺の恋人だからな?」
「……うん、わかった。恋人な」

俺はそんな陸を見つめながら、この“恋人ごっこ”がいつの間にか本物になればいいのに、と思った。











しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

元アイドルは現役アイドルに愛される

BL
人気アイドルグループのエースだった奏多は事故により脚を怪我し、グループを脱退する。エースの抜けたグループの人気はみるみる下落し、そのまま解散。そのことに責任と罪悪感を感じた奏多は芸能界の表舞台から引退し、正体不明の作曲家Kとして裏で支えることに。 罪悪感からご飯を食べなくなった奏多の肌は痩せこけ、青白くかつての輝きはなくなっていた。 ある日の打ち合わせでかつてのグループメンバーである颯真と再会する。 メガネとマスクをしているがかつてのメンバーのことは騙せない。 『奏多、会いたかった』 『僕、奏多さんのパフォーマンスを見て、人生変わったんです!』 やけに自分に懐いているワンコ系の後輩リオと、かつてのグループのメンバー颯真に受け止めきれない愛を向けられる話。

【完結】社畜の俺が一途な犬系イケメン大学生に告白された話

日向汐
BL
「好きです」 「…手離せよ」 「いやだ、」 じっと見つめてくる眼力に気圧される。 ただでさえ16時間勤務の後なんだ。勘弁してくれ──。 ・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・: 純真天然イケメン大学生(21)× 気怠げ社畜お兄さん(26) 閉店間際のスーパーでの出会いから始まる、 一途でほんわか甘いラブストーリー🥐☕️💕 ・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・: 短期でサクッと読める完結作です♡ ぜひぜひ ゆるりとお楽しみください☻* ・───────────・ 🧸Twitterもぜひ遊びに来てください🫧 ❥❥❥ https://x.com/ushio_hinata_2?s=21 ・───────────・ 応援していただけると励みになります💪( ¨̮ 💪) なにとぞ、よしなに♡ ・───────────・

入社1ヶ月のワンコ系男子が、知らずのうちに射止めたのはイケメン社長!?

monteri
BL
CM制作会社の新入社員、藤白純太は入社1ヶ月で教育係の先輩が過労で倒れたため、特別なクライアントの担当を引き継ぐことになる。 そのクライアントは、女子禁制ミーハー厳禁の芸能事務所だった。 主人公の無知で純なところに、翻弄されたり、骨抜きにされるイケメン社長と、何も知らない純太がドキドキするお話です。 ※今回の表紙はAI生成です ※小説家になろうにも公開してます

地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛

中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。 誰の心にも触れたくない。 無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。 その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。 明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、 偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。 無機質な顔の奥に隠れていたのは、 誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。 気づいてしまったから、もう目を逸らせない。 知りたくなったから、もう引き返せない。 すれ違いと無関心、 優しさと孤独、 微かな笑顔と、隠された心。 これは、 触れれば壊れそうな彼に、 それでも手を伸ばしてしまった、 不器用な男たちの恋のはなし。

追放されたおまけの聖女♂は冷徹王太子の腕の中から離してもらえない〜今さら戻れと言われても、もうこの人の魔力しか受け付けません!〜

たら昆布
BL
聖女のおまけで召喚されたと思われて追放された不憫受けが拾われて愛される話

路地裏の王子様と秘密のカフェ ―10年ぶりに再会した親友はトップアイドルでした―

たら昆布
BL
大学生の千秋がバイト帰りの路地裏で助けたのは、今をときめくアイドル『GALAXY』のセンター、レオだった。 以来、レオは変装して千秋の働くカフェへ毎日通い詰めるようになる。 ​「千秋に会うと疲れなんて全部消えちゃうんだ」 トップアイドルとは思えないほど素直に懐いてくるレオに、千秋は戸惑いながらも多忙な彼を支えたいと願うようになる。 ​しかし、千秋はまだ知らない。 レオが10年前に「また絶対会おう」と約束して別れた泣き虫な親友の玲央本人だということに。

一軍男子と兄弟になりました

しょうがやき
BL
親の再婚で一軍男子と兄弟になった、平凡男子の話。

異世界オークションで売られた俺、落札したのは昔助けた狼でした

うんとこどっこいしょ
BL
異世界の闇オークションで商品として目覚めた青年・アキラ。 獣人族たちに値踏みされ、競りにかけられる恐怖の中、彼を千枚の金貨で落札したのは、銀灰色の髪を持つ狼の獣人・ロウだった。 怯えるアキラに、ロウは思いがけない言葉を告げる。 「やっと会えた。お前は俺の命の恩人だ」 戸惑うアキラの脳裏に蘇るのは、かつて雨の日に助けた一匹の子狼との記憶。 獣人世界を舞台に、命の恩人であるアキラと、一途に想い続けた狼獣人が紡ぐ、執着と溺愛の異世界BLロマンス。 第一章 完結 第二章 完結

処理中です...