【完結】隣の“ひゅーが” 。―ベランダとH系配信の隙間で恋してる―推しが“隣に”住んでました。

砂原紗藍

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2.リョウの“ちょっとだけ大胆配信” ※

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ベッドに腰を下ろす。
カメラはぼかしを入れたまま、口元から下だけが映る位置にセット。

よし、H配信、始めますか。

「……じゃあ脱ぐよ……?」

小さく息を漏らす。手のひらが少し汗ばんでいるのがわかる。

シャツのジップをゆっくり下ろす。
肩や胸が少しずつ見えて、体の奥がゾクゾクと熱くなる。

「やばいな……ちょっと楽しいかも……」

画面越しのコメントが飛ぶ。

『リョウ、声が甘い』『リョウくん、かわいい!』 

次にズボンから足をゆっくり抜くと、肌が解放される感覚に、恥ずかしい気持ちと甘い緊張感が入り混じる。

下着が床に落ちる感触に心臓がドキドキ跳ねて、呼吸が自然に荒くなる。

「見ててね、するよ?」

左手で自分のモノを握る。
ぬるりとした感触に思わず息が漏れる。

「あっ……」

くちゅ、と粘液が湿った音を立てながら手の動きを再開する俺。

「っ……あ……やば……気持ちいい……」

コメント欄が一気に盛り上がる。

『声がエロい!』
『リョウちゃん、照れてる?』

「照れて……ない……よ、あ……」

必死に否定するけど、指は止まらない。
ぬめりが体に伝わる音が、マイク越しに響く。

そのとき、ひとつのコメントが目に入る。

『ひゅーが:リョウ、かわいい声聞かせて』

“ひゅーが”。
いつも大量の投げ銭をくれる常連で、優しくて、時々大胆なコメントもする。

「かわいい声って……俺、27だからね?」

耳まで赤くなりそうで、思わず小さく笑ってしまう。
画面の向こうに誰がいるかは全然わからないのに、なんだかドキドキする。

でも、観てくれてるのは――俺=リョウに興味を持ってくれている人たち。
面白半分で見てる人もいるだろうけど、投げ銭までしてくれるのは、やっぱりちゃんと応援してくれてる証拠だ。

苦笑しながらも、指は止まらない。
体がじんわり熱くなって、思わず奥がうずく。

「あー……ん、だめ、やばい」

また“ひゅーが”からの大量の投げ銭。

「……ん、あ……声、聞かれてると……恥ずかしいね……」

気づけば声は甘く掠れていた。
チャット欄が一気に沸く。

『エロい! 最高』『もっと!』『リョウちゃんかわいすぎ!』

照れながらも、ちょっとだけ嬉しい。
こうして画面越しに誰かとつながっている時間は、俺の小さな秘密の楽しみだ。

そして極めつけ――“ひゅーが”の一文。

『その声、俺だけに聞かせてほしい』

……そんなの、ドキッとするに決まってる。

「な、何言ってんだよ……っ」

思わず胸が高鳴って、顔まで赤くなる。
羞恥とちょっとした快感が入り混じって、体が勝手に反応していく。

「……っ、ん、あ……はぁ……っ……」

声はどうしようもなく甘く漏れてしまう。
画面の向こうの誰かに煽られながら、俺はひとり、秘密の夜を過ごしていた。

……まさか、自分がこんな配信者になるなんて思ってなかった。

でも、こうして少し大胆な自分をさらけ出せる瞬間があるから、配信ってやめられないんだよな。

パソコンの画面を閉じると、ふっと肩の力が抜ける。
配信中のテンションと熱気はそのままに、達成感とちょっとした疲労感が同時にやってくる。
でも、不思議と心は軽いんだ。

だって、俺の声を「かわいい」って言ってくれる人がいるから。
そして――“俺だけに聞かせてほしい”なんて、まるで恋人みたいな言葉までかけてくれる。

画面越しに褒められること。
ちょっと大胆な自分を見せられること。

この時間は、俺だけの自由で、ちょっぴり刺激的で、秘密の甘い時間――。





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