1 / 7
プロローグ
しおりを挟む
――― いつも見る夢の中、少女は少女ではない存在であった。そしてもう一人の誰かと一緒にいるらしかった。毎回、同じ場面、同じ台詞が繰り返される。
「いいか? これから話す事はお前達にとって大切な事だから、よく聞けよ」
「この世界に存在する物質には全て≪KAKERA≫が宿っている。例えば鉛筆一本。元は木と黒鉛に粘土を混ぜた物で出来ているが、木は種子の頃から≪KAKERA≫を宿して生まれ出てくる。その芯は黒鉛に粘土を混ぜて出来ているが、土の中に粒子の形で存在する時からやはり≪KAKERA≫を宿している。そうして塗料やら何やら含めて鉛筆一本出来上がった時には、それぞれに宿していた≪KAKERA≫も融合して一つの物となるわけだ。自然物質というものは全て存在した時からこの≪KAKERA≫を宿しているんだ。人工的に造り出したとしても元は自然の中にあった物から出来ているだろ? 人間でも動物でもどんな物でも≪KAKERA≫を宿して存在しているってことだ」
「ところでこの≪KAKERA≫、普通の人間の眼にはちっとも映る事が無い。故にさわる事も出来無い。だが、時々それが見れる・さわれる奴らがいる。見れる分にはキラキラして綺麗だとか、どす黒くてもやっとしてこんなもん持っている奴は一体どんな何をこれからやらかすんだ? とかそんな事を考えていりゃあ良いだけだ。だがな、さわれるっていうのはやっかいだったんだ。それを取り出しちまえるからだ。取り出しちまうとどうなるか……時々分からなくってやっちまう奴がいる。それは悲惨な状態さ、人間だったらまだ心臓は動いているのに身体は爛れる様にドロドロ、まるでゾンビのようになっちまう。物であれば歪んで、使えるのかこれ? 状態だ。だから決してそれには触れてはいけないんだ。だから見える奴らはきちんと訓練する。何かに触れても≪KAKERA≫には触れないように……。おい、話聞いているか? おい……」
それは、とても大切な事のようでそうでも無いような目が覚めてしまえば忘れるくらい曖昧な、そんな夢であった ―――
「いいか? これから話す事はお前達にとって大切な事だから、よく聞けよ」
「この世界に存在する物質には全て≪KAKERA≫が宿っている。例えば鉛筆一本。元は木と黒鉛に粘土を混ぜた物で出来ているが、木は種子の頃から≪KAKERA≫を宿して生まれ出てくる。その芯は黒鉛に粘土を混ぜて出来ているが、土の中に粒子の形で存在する時からやはり≪KAKERA≫を宿している。そうして塗料やら何やら含めて鉛筆一本出来上がった時には、それぞれに宿していた≪KAKERA≫も融合して一つの物となるわけだ。自然物質というものは全て存在した時からこの≪KAKERA≫を宿しているんだ。人工的に造り出したとしても元は自然の中にあった物から出来ているだろ? 人間でも動物でもどんな物でも≪KAKERA≫を宿して存在しているってことだ」
「ところでこの≪KAKERA≫、普通の人間の眼にはちっとも映る事が無い。故にさわる事も出来無い。だが、時々それが見れる・さわれる奴らがいる。見れる分にはキラキラして綺麗だとか、どす黒くてもやっとしてこんなもん持っている奴は一体どんな何をこれからやらかすんだ? とかそんな事を考えていりゃあ良いだけだ。だがな、さわれるっていうのはやっかいだったんだ。それを取り出しちまえるからだ。取り出しちまうとどうなるか……時々分からなくってやっちまう奴がいる。それは悲惨な状態さ、人間だったらまだ心臓は動いているのに身体は爛れる様にドロドロ、まるでゾンビのようになっちまう。物であれば歪んで、使えるのかこれ? 状態だ。だから決してそれには触れてはいけないんだ。だから見える奴らはきちんと訓練する。何かに触れても≪KAKERA≫には触れないように……。おい、話聞いているか? おい……」
それは、とても大切な事のようでそうでも無いような目が覚めてしまえば忘れるくらい曖昧な、そんな夢であった ―――
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる