白い世界と絵の具の魔法

ポテ山ポテト

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ルーフス

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「うにゃぁー?!?!!」

情けない悲鳴が教室中に響き渡る。

「カルロお前w叫び方w w w」

「そりゃアンドレイが魔法で急に驚かしてくるからだろ!!」

さっきから笑い死にそうなほど笑う高身長の青年アンドレイと、ウサギの耳を驚いたせいかぼわぼわと膨らませている小さくて可愛い見た目のカルロの言い合いがいつも通り始まっていた。

「お前面白くてさwわりぃわりぃ」

「ぜんっぜん反省してねぇのみえみえだぞおまぇぇ!!」

「ッッんのッ!うるさいって何度言えば分かるのかしらぁ?!はい!リーダー命令!!即刻黙れ!!」

啖呵を切って怒鳴ったのはこのクラスのリーダーのバベット。自信家であり、努力家である。…口がたまに(結構な頻度で)悪くなる。

「いいかしら?私達は!大会で!どうやったら勝つかという話し合いを!してましたの!はぁ…もうなんかどうでもよくなってきたわ」

くらっと力なく椅子に座るバベット

「「大丈夫か?」」

「あんた達のせいなんですけど?!」

キッと2人を睨むがお互いをお互いが悪いと言い合い、自分には非がないと言い張る様子に思わずため息が出る。

「お前らまた飽きずに漫才か?」

声がする方を見るとルーフスのクラス担任であるカーリタース先生がいた。気の強い先生ではあるが、生徒思いだと慕われている。

各クラスにそれぞれ担任の先生がつき、生徒をみている。教科ごとや施設別でも必ず1人の先生が付いている。

「…これのどこが漫才に見えますの?」

バベットは呆れて先生を見た。

「ほれ、バベット。大会に出たことある奴だけだけれど。資料集めてきたぞ。あとでアイス奢れよ?」

分厚い資料をほれほれとバベットに渡した。

「あら、ありがとうございます。アイスなんて約束してません。」

「?資料なんて集めてどうするんだよ」

カルロは不思議そうにバベットを見た。

「いい?絵の具の魔法は色によって相性があるの。原色に近いほど相性的には強い。まぁ、量さえあれば逆転はできるわね。」

「…入学時にパレッドが配られただろ?そのパレッドに入る色は自分を表すと言われたがよくわかんねぇ。とにかくもらったパレッドの中の色の種類、量を使って大会で勝負するんだよ。…そういやぁお前大会に出たことなかったか。」

アンドレイはつまらないという態度を見せながらも説明する。変に世話焼きよね。

「まぁな。今回が僕のデビュー戦だな!」

「デビュー戦なら有利よ。こっちの手札(色の種類)はわからないもの。特に星の少ない一般生徒は個人戦しかないから体力的にも持つでしょ。」

「こっちの手札に関しちゃあ、大会の様子はどこの教室にいたって見れるように中継されるし、資料として後々残されるしな。」

そう言いながらアンドレイは教室に備えられたモニターに一度目線を向け、また戻した。

「なるほどな!じゃあ一回は勝てそうだな!!」

「初回でリーダーに当たったらドンマイって笑ってやるよ」

「?!そんなのあるのかよ?!」

「ええ、あたりまえよ。リーダーも個人戦には普通にランダムで出るし、何せ私が前回それでしたから。」

アンドレイを軽く睨む。彼はヤベッと短く一言いって目を逸らす。前回の事を私の前で持ち出すとはいい根性してるわ。

「クラス対抗戦じゃなくて個人戦で当たるとか恐怖しかねぇ…てかバベットもリーダーじゃねぇか!個人戦でリーダー対決とか盛り上がったろうな。」

「ええ、盛り上がりましたとも。」

バベットの黒い笑みにアンドレイは背筋を震え上がらせる。

ワイワイと騒ぐ3人を見ながら、カーリタース先生はボソッと

「今回はもっと一筋縄じゃいかなさそうだな。」

とある生徒の名簿を見ながらひとり呟いた。

生徒名…
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