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幼少期編
断髪作戦
しおりを挟む誕生会中、一世一代の告白を行ったが…
おれの気持ちを、男であると真実をちゃんと伝えた結果…最後まで乙女ゲームの強制力と思われる謎の力によって妨害?され、男であると最後まで伝わる事は無かった
その後、家族全員におやすみってキスとハグをされ、普通にメイドさんのご協力の元、股間の男児である証明を晒しつつ入浴介助してるのに「お嬢様は可愛いですね」って褒められ…
ふかふかのベットに寝かしつけられるまで、何度も更におれ、男ですよアピールしてみたけど…全て惨敗に終わったのだ
「……………え、なにこれ………怖っ
どうすんの!?どうしたらいいの?
そこまでして男なのに女として扱い続けなきゃ行けない乙女ゲームな縛りがあるっていうのか…!?!」
誰も居なくなった自室で天井に向かって先程起こった出来事を振り返りつつ、声に出してみるが何も状況は変わらない
大変可愛い女の子らしいファンシーな室内に、可愛い女児の寝間着を着用して、おれは寝かしつけられているのだから…
予想はしていたが、異世界物の話あるあるゲームの強制力…それがこの世界ではとんでも無く強いんじゃないかと、ヒロインから逃げたいおれは非常に強く感じている
おっさんになろうが野郎のままだろうが、ヒロインはあなたです!!!と、断言されているような…そんな恐怖にを感じる…
普通に今見てきた正気に見えて正気じゃない対応を取ってくる家族とか、内容次第ではかなりホラーじゃない?!
この感じで行けば確実におれはヒロインとして魔法学園に放り込まれるだろう…男なのに、女装されられた上で……………
しかし、まだ諦めるのはまだ早い…まだまだやれる事はある…!きっとある!まだ5歳だし!魔法学園の入学は15歳からだし!!
おれはヒロインから逃げるんだ…何が何でもこの幸せな家族と暮らし続けてやる…!!!
そんな気持ちで眠りに落ちた
……………………
………………
…………
ふわふわとした気持ちの中で…愛里の声が、思い出が見えた気がした……………
可愛い可愛い笑顔でおれに話しかけてくる愛里の記憶
そうだ、あれは…確か愛里と前はにてないけど後ろ姿双子だねを、始める直前…愛里がバッサリと髪を切った時の記憶…………だ
リビングで寛いでたおれの前に…おれと同じパーカーを着て出てきた時の…
『…………ちゃん、お兄ちゃん!見てみて!髪の毛切ったの
どう?似合うかな?えへへ…お兄ちゃんとお揃いにしてみたんだよ?』
『……………愛里!?なんで…ええ!?そんなにバッサリ切ってよかったのか!?おれとお揃いって…そう言われると嬉しいけど…似合うし可愛いけど…それにしたって切りすぎじゃないか?!』
『んー?全然切りすぎじゃないよ?
髪の毛長すぎても邪魔だし!何よりお兄ちゃんとお揃いって響きが素敵で…髪型っていいよね!イメージも変えられるし、新しい自分になれる気がするし!ねぇ!写真撮ろう?一緒に………………』
腰まであった髪の毛をおれと同じ肩より短いくらいまで切って…楽しそうに笑ってた愛里との思い出…
…………なんで、今、こんな夢をみるんだ…?
もしかして、もしかしたら…何か助言してくれようとしているのか…?
おれに何か言いたいことが………あるのか……………?
「おはようございます!アイリス様、今日もいい天気ですよ!
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「…………おはよう…マリン…ありがとう…」
カーテンを開ける様な音が響き、明るくなる部屋でメイドのマリンの声が聞こえ、目を覚ますといつの間にか朝になっていた
知ってるけど新鮮に感じる天井、ファンシーで可愛い壁紙…そしてアイリスであるおれは、朝になってもそのまま健在している
先程まで愛里と会話としていたような…懐かしい夢を見ていたような不思議な気持ちのまま、メイドのマリンに促され姿見の前にある椅子へ座ると、朝の準備…毎日されていた記憶のあるスキンケア?や髪を整えたりしてもらうようだった
そう言えばここは魔法がある世界が舞台の乙女ゲームだったなと、再確認出来る光景が広がる
メイドのマリンが何かを唱えると、ふわふわと何もない場所から水の玉が出たり…半自動洗顔を体験したり…植物?が生えてきてオイルみたいなのをその場で絞ったり…ドライヤーも無いのに何処からか風が吹いてきてブローみたいな事が出来たり…
魔法ってすげぇ…と、毎日見てされてきた光景ではある筈なのに、前世の記憶を取り戻したおれにとっては新鮮な光景に見えてしまった
「アイリス様は本当に素敵な髪質をされていますね…滑らかで魔力もたっぷりと含んでいて…本当に素敵です」
「…………?ありがとう」
魔力って髪の毛にも宿るのか…?
そんな事を思いつつ、長い長い腰までの髪をとかされながら、ふと…夢の中でみた愛里の事を思い出す
髪の毛をバッサリと切った日の夢を………
………………あれ?
もしかして………?
おれもバッサリ髪の毛切ったら…限界までバッサリいったら…物理的に女の子に見えなくなるんじゃね?
まてまて…
可愛い女の子の命は髪の毛とかそんな事を聞いたこともあるような?!女の命を捨てようぜお兄ちゃんって、愛里はその事をおれに伝えたくて夢の中に出てきたとか…!?!
もし、そうなら…!!
「…………ねぇ…マリン、お願いがあるんだけど…ハサミって持ってる?あったら貸してほしいんだけど…」
「ハサミですか?ありますけど…えっと、お待ち下さいね………………はい、どうぞアイリス様」
「ありがとう」
「何にお使いになるんてすか…………って!?アイリス様!?!な、何をしてるんですか!?!?!アイリス様!??!」
マリンから受け取ったハサミをしっかりと握り、腰まである髪を纏めて握り、愛里が教えてくれた方法を試す事にする
可愛い可愛い愛里がわざわざ夢に出てきてくれたのだから、きっとこれが乙女ゲームから逃げる正解の道なんだろう
たかが断髪で未来が変わるなら…!おれが男として生きる事が叶うのなら!髪の毛なんて短くていい!!女の命髪とかおれには不要!この際バリカンで狩りたい!!!けど、今は無いからハサミで切る!
腰まであったらシャンプーも乾かすのも大変だし!
女の子として見られてしまう原因はこのヒロイン仕様の髪の毛だという愛里の推理、絶対間違ってない
マリンが何か言ってる気がしたけど、おれは気にせずハサミに力を込め、みんなから美しいと言われてる蜂蜜色の髪を肩下から切断した
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