59 / 174
乙女ゲーム編
小さな噂話
しおりを挟む「ごめんな、今日も予定があるんだ…でも、絶対浮気じゃないから!それだけは確かだから!ルディヴィス、大好きだよ愛してる…なぁ、景気づけにキスしていい…?」
「………先に用事あるのに無理には誘わないよ?ぼくの事は気にせず楽しんできて?なんの景気か分かんないけど……ちゅ
はい!キス終わり!いってらっしゃい」
レオンハルト殿下の手を取り、手の甲にキスをして送り出す、「違うそうじゃない!でも可愛いな畜生」とか聞こえたが空耳だ
男に可愛いってなんだよ、おれマイズほど中性的でも無いわ!マイズは可愛いと名乗っても許される、おれはただの貧弱だ
小走りで教室を出ていくレオンハルト殿下を見送る…今日もきっと聖女様とご予定があるのだろう…うん、良いことだ
謎お祝いケーキの日からもう2週間くらいが過ぎた
これまで以上におれたちと遊ぶこともなく、出かけていく姿を思い出す…
レオンハルト殿下達3人は各々聖女様と楽しい交流を続け、きっと心を通わせてるに違いない
やっぱり少し寂しいが、悪役令嬢が悪役してない環境で普通に恋をしてハッピーエンドになってくれたら何も文句は言わない
3人ともおれに対して、大好きだから嫌いにならないでとか、特にレオンハルト殿下は浮気じゃないとか連呼して居るのは何故だろう…婚約者候補であって婚約者じゃないので浮気なんて思わないから安心してほしい
マイズもイグニスも友達であることに変わりはないし、おれは別に聖女と仲良くしてても嫌いになったりしないのに…何を心配してるのか?
よくわからないがキスはギリギリ手まで、これから聖女と甘酸っぱい恋するレオンハルト殿下よ野郎の唇狙ってる場合じゃ無いんだよキミ!という気持ちになる
息子の恋を見守る母の気持ち、そんな気持ちで現在幸せになあれと願っているのだ
もしも3人とも聖女様に告白したらどうなるんだ…?あの乙女ゲームってハーレムルートとか無かったよな?
…………1人の女を好きになる…未来に垣間見える男と女のドロドロした世界をあの3人に味あわせるのはなんか可哀想だ…
「お兄様、そろそろ帰りませんか?何か考え事ですの?」
「ちょっと複雑な乙女心について考えてた」
めちゃめちゃ可愛い笑顔でシャルティが乙女心ってなんですか?と笑ってくれる可愛い…おれの義妹超可愛い
恋なんて社畜だったおれにはわからない、きっとなんとかなるだろうと考えるのを取り敢えず辞めてヘルリとマイケルを呼んで帰宅の為に馬車に乗り込んだ
四人乗りの馬車、最近はヘルリ達も馬じゃなくて馬車に乗ってもらってる、事前に殿下達が乗りたいと言った日は馬で追いかけてくれるが、せっかくなら従者だし一緒に乗ったって問題は無いと思うからだ
ヘルリやマイケル曰く、従者との距離感は家々によって違うとの事、サングイス公爵家はマイケルが仕えてから見るに相当素晴らしく平和で使用人にも従者にも優しい職場なのだと教えてくれてなんだか嬉しかった
おれだって、公爵家嫡男として貴族と使用人の境目はちゃんとしている、その中で提供する職場が居心地良ければすごく誇らしいと思うのだ
何気ない話をしながら公爵家までの道のりをパカパカと馬の蹄の音を聞きながら進む、あと10分程で着くかなと言うときに…マイケルが不思議な話をしてきた
「ルディヴィス様………1年生で時々流れる、噂?知ってますか?実は…王太子殿下の婚約者の性格がキツい恐ろしい女って言われてるんです…
ルディヴィス様、女でも無いし女らしくも無いし?キツい性格という訳でもない…むしろ男
これはもしかしたら怪奇現象かもしれませんよ…?」
「自分も聞いた事がありますね…従者仲間の妹が1年生の子爵令嬢に仕えてるんですけど…
王太子殿下の婚約者は怖い人女性なのか…と隠れて話しているのを1回聞いたと…
しかし、ルディヴィス様は優しい方ですし、女性ですら無いので聞き流して居ましたが…他にもそんな話をしている人がいるのでしょうか?」
マイケルとヘルリが不敬に当たらない、隠れての噂話を教えてくれるが、怪奇現象どころではない…
何故、現状王太子殿下の婚約者候補がおれなのに女性なんて噂が立つんだ?
王家からも婚約者候補として貴族間にはしっかりと何年も前に周知されている…それなのに何故女性?
一瞬、乙女ゲームの悪役令嬢シャルティが思い浮かんだが、直にその考えは消えた
レオンハルト殿下は聖女と仲良しだ…候補がおれであると伝えるにしても男が婚約者候補って噂が立つならわかる…でもそうじゃない
むしろあの3人がおれたちを傷つける事なんてしない…そんな自信がある…
なら、どうして?
悪役令嬢無しでもストーリーがいい方向に進むなら聖女様だって虐められたりする事がない平和な環境で嬉しい筈じゃないのか?
「まるで…過去に流行った恋愛小説の亡霊みたいですわ…もしかしたらその小説を読んだ子が噂話を、してしまったのかしら?
女は愛の為なら狂う生き物だって書かれててとても興味深い話でしたのよ?ふふ…皆さんも読んでみます?恋愛小説」
シャルティの言葉に、おれたち男性陣は何も言えなかった
恋愛小説の話を噂話で聞いた可能性もそうだが、怪しく笑うシャルティがあまりにも息を呑むほど美してくて妖艶で…目を奪われてしまったから…
3,660
あなたにおすすめの小説
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる