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反撃編
判定結果
しおりを挟む聖女ルチアへの魔力判定の儀が行われた
暫し、耳を塞ぎたくなるような悲鳴が響く中、黙々と儀式が進む
最後の方はあまりの不快感に猫被りすら忘れたのか、大司教様に対して「触らないでよおっさん!ぶさけんなー!!やめてよーー!変態!触んな!馬鹿!馬鹿ぁ!!」など聖女の口から暴言が飛び出すなんてこともあった
そんな聖女ルチアに対して大司教様は「もう少しの辛抱ですよ」って優しく話しかけながら儀式を行ってくれている異様な状況が続き…最終的に聖女が気絶し、儀式は無事に終了した
儀式の終了直後、大司教様は難しい顔をして聖女の頭を撫でる様子が見られ、結果を話す前に気絶した聖女ルチアの監視や拘束はそのままに、せめてベッドへ寝かせやって欲しいと希望された…
殺人未遂という罪を犯して拘束されている者に慈悲を与えるのか?と、レオが少し噛みつきそうになったが、理由がある、今は納得してほしいと大司教様は仰り、それにヘルリが素早く対応した
ベッドに寝かされる聖女ルチアを確認した後、大司教様は深くため息を付き
「…………ありがとうございます…このまま聖女ルチアには少し眠っていて貰いましょう
さて、…魔力判定の結果、かなり異様な事実が分かりました…結果はリジャール王妃殿下にも聞いて頂きたい、学園長室でお話します」
と、難しい顔のまま話され、リジャール王妃が居るという学園長室に皆で向う様に指示された
大人しく学園長の後に続いて学園長室向かい、入室すると、中には王妃様と側妃様がおられた
本日講演予定だった側妃様だ眠っている?ようで…リジャール王妃の肩に頭を預けている…?
それを支えつつ、優雅に紅茶を飲むリジャール王妃が居るのが見えた
大司教と学園長に先導され、おれたちが部屋の中を進むとリジャール王妃は優しく微笑みながら迎え入れてくれる
「待っていましたよ、皆さん
ああ、ルディヴィス!無事でしたか!よかった…身体に痛みなどは残っていませんね?気分が悪い等あったら遠慮はいりません、レオンハルトを柱代わりにして支えて貰いなさい」
「王妃様、ご無沙汰しております…この度はご心配を…体調は大丈夫です…今もずっとレオが支えてくれてますし…はい…大丈夫です」
「そう、ならよかった…
そしてロドイ大司教、お忙しい所来ていただきありがとうございます…さっそくですが、その難しい顔は聖女ルチアから私の考え通りの結果が出た…と言うことでしょうか?」
リジャール王妃は大司教様と目を合わせ、結果を求める
王妃様が考えた通りの結果…それは聖女がもしかしたら魔物憑きかもしれないって話についてだろう…魔物憑きってどういうものか分からないけど、言葉通りなら悪魔憑きみたいなニュアンスのものなのかもしれない?
………でも、聖女の中にいるのは確実に桃香だ…魔物じゃない…桃香が魔物?って事事態がもしかしたらあるんだろうか…?
わけがわからなくなってしまい、隣に座るレオに魔物憑きって何?って聞いてみる…しかし、馴染みが無い言葉なのか、知らないって返ってきて二人で首を傾げる
そんなやり取りに気付いたのか、大司教様方は結果を話す前に魔物憑きについても教えてくれた
「聖女ルチアを調べた結果をお話する前に、魔物憑きについて軽く触れて起きましょう
簡単に言いますと、魔物憑きとはリジャール王妃殿下の故郷、隣国で魔物討伐を行う者が罹りやすいという魔力汚染の事を表します
魔物の魂が乗り移ったように意味の分からない言葉を言ったり行動を起こしてしまう…そういう状況を魔物憑きと言うのですよ」
「ええ、この国ではあまり馴染みのない言葉ですが…大司教様の言う通り、魔物憑きは魔獣の魔力に当てられて魔力が淀む病のような物です
この国には聖女が誕生する為、女神様への祈りという浄化の力で魔獣自体が少なく魔物憑きという症状が出る前にほとんど解決してしまいますが、隣国には聖女がいない為、一定の割合で起こりやすい病でもあるのです」
隣国には聖女がいない
その言葉に、今まで普通に聖女の存在する世界だと思っていたが、そうだ…聖女がいるのはこの乙女ゲームの舞台に近いこの国だけ…この国以外に聖女はいないって事実を思い出した
隣国よりも頻度は少ないといえ、この国だって魔獣は出現するし時々騎士団が討伐していると学んだ事がある
それに…ゲームのシナリオを思い出すと聖女の祈りが魔物憑きっぽい症状から人々を救う描写もあったような気がする…けど、それはこの国だけの話…他の国には聖女なんて者は存在しない
桃香が魔物だとしたらどこで感染?したんだ…聖女がおかしくなる前に会っていたと言う話はないのに…
「魔物憑きの症状…それが、どこか聖女ルチアに見られている症状と似ているとリジャール王妃は気付かれた…その為、魔力を調べる為に私が呼ばれたのです
例え聖女様だったとしても、確実に魔物憑きにならない…なんてことはありえませんからね
リジャール王妃殿下、皆さん、それを踏まえて結果をお伝えしましょう
………………結論から言いますと聖女ルチアは魔物憑きではありませんでした…しかし奇妙な魔力が聖女ルチアの体内に満ちているとも言える不可解な状態を確認出来たのです
……………これを見てください、これが現在の聖女ルチアの魔力です」
そう言って大司教様は懐から見たことのある水晶を取り出し全員が見えるよう、中央の机に置いた
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