【書籍化進行中】悪役令嬢の兄です、ヒロインはそちらです!こっちに来ないで下さい

たなぱ

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後日編

エピローグ 優しい未来

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数年後

乙女ゲームの舞台と別れを告げた卒業式の後、色々あったけど成人を迎えたと同時におれはレオと結婚し王太子妃として王宮で暮らしている


この国で2人目となる男の次期王妃、同性婚が当たり前な隣国と違い、中々周囲は受け入れがたい物かと思ったけどそうでもなく…有能なレオンハルト殿下と公爵子息であり聖者でもあるおれの婚姻は多くの人から祝福を受けて、かなり盛大に結婚式が執り行われた
嬉しくもあるけど、今思い出しても恥ずかしい…パレードでレオにお姫様抱っこされそのまま運ばれるって体験をしてしまったし…詳しく語りたくない程その後も恥ずかしい体験を色々したっけ…


国王陛下とリジャール王妃の結婚式もすごく盛大だったらしいけど、前回と違う点は側妃が居ないって部分がある
リジャール王妃の時は初の男の王妃でなかなか周囲の高位貴族から認めてもらえず、子を残せなかったらどうするんだと国の重鎮が自分の娘を無理やり嫁がせた歴史とかがあったから…実は結婚式も連日側妃分もやったらしいとか色々あったみたいで…

もしかしたら今回も…とか思ってたけど、今回はレオが父上は詰めが甘い!!と宣言し、何が何でもおれ以外を妃として受け入れるつもりは毛頭ない、ルディにしか勃たないとかとんでもない事を頭の硬い重鎮達に言い続け、世継ぎについてもルディと毎晩頑張るから全く問題ない!と言い切って…初夜から…うん、記憶が飛ぶくらい激しく愛された

結果、互いの魔力を混ぜ合わせて子を孕む隣国方式で懐妊を見事初夜で果たし、長男のルオンを無事出産、今も1人お腹に新しい命が宿っている
今では立派な母だ


現国王陛下と王妃様がまだ若い事もあり、新婚を楽しみたいって希望を叶えてもらってるから、レオが即位するのはまだ先だ…でも王太子と王太子妃として即位するまでにある程度出来ることをしようって未来を見据え、おれの前世の記憶を生かし歴史を大きく動かさない程度の改革に尽力している最中
新種の魔物憑きと通常の魔物憑きに対する対策として教会と連携し色々忙しく活動している


ここ数年で変わったことはかなり多い
元々公爵家の嫡男で跡取りとして育てられたおれが何故レオと結婚できたか、それはレオが昔から言っていた女性が当主となる事も可能となる新しい仕組みを作ったから…
昨年、この国で始めての女性の公爵としてシャルティが父様の後を継いだ…イグニスを婿養子に迎えるっていう特大ニュースと共に
隣国や他国、国内からも釣書が多く届き引く手数多だったシャルティはイグニスを迷わず選んだのだ


理由を聞いたら
「お義兄様を殿下に取られて悲しい私の話をイグニスが親身になって聞いてくれましたの…それに、商会の会長をできる才とこれから国を発展させてくって気持ちが私と似てて…新商品開発するイグニスの横顔って凄くかっこいいんですのよ!」
って凄く可愛い顔で教えてくれた
イグニスはイグニスで恐れ多いけどシャルティと一緒に凄す時間が楽しいと、婚約者となってた期間から新商品として開発した物をプレゼントにして凄く楽しそうに過ごしてたっけ?

父様と母様はシャルティに家督を譲って年の離れた双子の妹をゆっくり子育てしたいらしい
シャルティに負けず劣らず物凄く可愛いおれたちの双子の妹には既に多くの釣書が届いているとかなんとか…
けど、父様と母様は前公爵、前公爵夫人として同じ屋敷に住んでるし元々イグニスも家族みたいな感じだったからパっと見た感じ雰囲気は変わってないのがすごい


後、驚いた事と言えば、ヘルリがおれに一生仕えたいと従者として王宮勤めになるだけじゃなく、まさかの乳母になりたいってマイケルと結婚して現在、本当に乳母になってくれてる事だろう

卒業した後、暫くして…「良いことを思いつきました、自分がルディヴィス様の子の乳母になります」と、物凄くかっこいい顔でおれとレオに言った日のこと一生忘れる事は出来ないと思う…
サングイス公爵家にも恩を返したい、でもおれに仕えたいって考えた時、一緒に訓練とかしてたマイケルに相談していたらしい
その時、マイケルから「ルディヴィス様の一番身近を狙うなら側近と…後は乳母じゃないか?」って言われて悟ったとかなんとか…
おれたちが結婚する前に見事ゴールインし、ヘルリが妊娠、長男を出産…乳母としてのスキルを磨き上げたんだから本当に凄い

長年同じ職場にいたマイケルとヘルリがどんなふうに交際していたかは恥ずかしいって教えてくれなかったけど、二人ともすごく幸せそうな感じで過ごしてる
ヘルリは乳母としても優秀で…なんだろう人狼化魔法の影響なのか?母犬の様な安心感が物凄い
まさか男同士で授乳の仕方をレクチャーされるなんて思わなかったぜ

将来は自分達を継いで側近になれたら良いと報告してくれたヘルリとマイケルはとても幸せそうだった
もちろんおれ達も嬉しすぎて、昔みたいにみんなではしゃいでしまったのもいい思い出だ



そう言えば、おめでたい事にマイズとルイ王子も近々婚姻する
魔力の質で相手を好きになるのかって研究するのに凄い距離感で触れ合ってたのを見てると、あれ!?まだ結婚してなかったんだっけ!?ってみんな同じ反応をするくらい二人の距離感は近かった
研究の結果として魔力の相性が良いと感じる幸福感、免疫力アップとか色々いい効果があると論文とかも書いてるみたいで本当に凄い

この国で最も美しい夫夫になるってシャルティが婚姻の衣装を受注されて張り切っていたっけ…?
おれ達もお祝いに何を贈ろうか考えている最中だ

もちろんジェイス第二王子と聖女ルチアも幸せに暮らしている、女神様の声も徐々に聞こえるようになってきているらしい…



他にも色々ここ数年で変わった事、起こった事は多くあるけど、そのどれもが明るい未来へ繋がる吉報ばかりだなと改めて実感する
乙女ゲームの世界とは違う未来をみんな精一杯前に向かって生きてる…その姿を見るのが何より幸せだと思う

『光の聖女に愛を灯す』あのゲームで描かれた未来をの姿よりも何倍もみんな輝いて見えるんだ
聖女ルチアがちゃんと女神様と会話が出来るように戻ればこの世界の秘密についても教えてくれるんだろうか?
たぶん、本当にこの世界はシャルティを救う為の世界だっておれは考えているけど…そう確信できるくらいこの世界は素敵だと思う





何度でも思う事
前世の記憶が戻ってから悲しい未来を変えたいって夢が叶って良かった…一人じゃ絶対に成し得なかった奇跡だから…今という現実と時間が本当に愛おしい


前世でおれが欲しても決して手に入れられなかった優しさと幸せが満ち溢れたこの世界をこれからも守って行きたい…ううん、みんなで守っていくんだ












他人を思いやる心を忘れない優しい世界がどうか永遠に続きますように…















End








とりあえずここで一旦完結です!
長い間お付き合い頂きありがとうございました!
文力が足りず、上手く表現できなかった謎が謎のままな部分とかも後日談や番外編で載せていく予定ではあります!

番外編で見てみたいって話などあればコメント頂けると気になってる人が居るなら載せるー!と書きやすいのでお気軽にどうぞ!









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