169 / 174
番外編
結婚式での珍事
しおりを挟むこれはレオと結婚した頃起きた事件というか…出来事だ
次代の国王と王妃となる者たちを祝うべく、おれとレオの結婚式には国内外から貴族、市民問わず大勢の参列者が訪れ、この国ではまだ珍しい同性同士の婚姻にも関わらず盛大に祝福された
おれとレオの着る結婚式の衣装はもちろん、シャルティとイグニスが経営する商会の品で前世の知識をからアイデアを得た歴史を変えない程度の最先端な物だったりするから色々な面で注目度は高かっただろう…
更にはリジャール王妃のご実家やベラニード王室からも個人的に祝の品が届くなどなんか…うん、凄かった
おれもレオも成人を迎えての婚姻、もしかしたらこのタイミングで王位継承を行うかもしれない…そんな噂もあったのか参列者の中には祝うというより偵察する…って雰囲気の人も少なからず紛れ込んで居たのも事実だと思う
だが、大半は純粋に祝ってくれる者たちばかりなのだから本当に嬉しい
国を挙げての結婚式…贈られる祝福の言葉におれは嬉しさと緊張で胸がいっぱいだったのを覚えている…生前の社畜だった頃の記憶とはまた違ったベクトルの緊張を感じていたんだ
リジャール王妃直伝王家
しかし、今思うと、その時既にレオはどこか意地悪そうに微笑んでいた気がする…
式の終盤、城のテラスに王家の者たちが並び、おれとレオが挨拶後、初夜に向かう予定だったのだか…
そこで国王陛下が重大な発表があると言おうとしたのをレオが止めたのだ
「父上、今はまだその時ではありません…ちょっと口を噤んで母上とキスでもしていて下さい」
そんな事を言っていたような気がするし、それに対して国王陛下が「うちの子なんか策士な気配を感じる!」ってリジャール王妃にコソコソ伝えていた気もする…
何となく感じるただならぬ気配に普通に挨拶して初夜って流れじゃないの?と、確認を取りたくなった所でレオがとんでもない事を言い出した
「王太子として、参列者へ告ぐ!!この度俺は幼い頃から愛して止まない唯一無二の存在を王太子妃として迎え入れた!既に知っていると思うが彼はあの新種の魔物事件を解決に導いた聖者でもある!
ルディヴィスは王家に相応しく素晴らしい人物である事に間違いはない!!
だが、正直に言おう!あまりにも優秀過ぎて困っているのだ!俺と過ごす時間が失われるほど忙しいなんて悲しすぎる!
だからこそ、ここで宣言しよう!俺は愛する妻、ルディヴィス不足により当分の間、父上より王位は譲り受けないと!!
恐らく父上の中では今日、俺を国王にとか考えていたに違いないが、それはまだ早い!早すぎる!
見て欲しい、この肉体を!父上も母上もまだまだ若い!どう見ても現役だ!
国を治められる人物がしっかりといるのなら、俺は俺とルディにしか出来ない事をしたい!一つの視点では気付けないことを発見し解決したいのだ!
次期国王と妃としてこの国をより良くする為に現国王陛下達と意見を交わせる立場でありたい!!
よって、俺はまだ国王にならず王太子のままで居ることを理解して欲しい!
あと、十何年後しの恋が実ったんだ!少しくらい新婚生活を楽しませてくれ!!!なぁ!ルディヴィス!」
「……え?レオ?なにっ………んんっーーー!!!」
高らかに参列してくれた国民へ思いを伝えると、レオは国民が見守る中おれにキスをしてきた
いやいやいや待て待て何いってんの!?台詞もだけど公衆の面前で何してんの!?
次期国王がヤバイ奴って思われたらどうすんの!?
ウオォォォォォォォオオォオオ!!!!!
急な事に同様し、舌まで入れてくんな人前で!って反論したくても出来ない状況にちょっと絶望してたら…レオの言葉に、参列者全員が賛同しているのでは無いかと思う程大きな歓声が上がった
うそ、歓声上がっちゃうの??いいの?こんな演説してて…
最後、どう考えても本音がダダ漏れになってるのにいいのか?皆、おれとレオの事…理解し祝ってくれるのか?
最近、結婚式の準備もだけど本当に忙しくてレオと触れ合う時間が僅かだったのは事実だ…だからレオが新婚生活楽しみたい、おれと一緒にゆっくりしたいって言ってくれたのは正直嬉しい…
暫くキスされて、息が上がった頃
レオが物凄く格好いい顔で「絶対幸せにするからな」とか言ってくるから…感動?で、ちょっと泣いてしまった
周囲を見回すと参列者は国民、貴族含めて祝いの歓声を上げ続けてくれている、リジャール王妃もジェイス第二王子も微笑んでくれてて…国王陛下は啞然とした顔をした直後、笑ってた
国王陛下は本当にレオに国を任せ、退位する気持ちがあったのみたいで…してやられたって顔をして参列者へもう暫く国王しますと宣言してたりと、歴史的にも類を見ない不思議な結婚式で幕を閉じたんだ
その後、無事に結婚式を終えて…全身を磨かれ男が着るの!?って夜着を着させられてから迎えた初夜で…おれ不足と公衆の面前で言ったレオの本気を知ることになる…
まぁ、恥ずかしいからまた別の話だけど…レオの体力が人外過ぎて何度も気絶するくらい愛されたのはいい思い出?だ…ちょっと気持ち良すぎてトラウマでもあるけど…
悪役令嬢の兄ってモブキャラが本気で攻略対象と結ばれる未来がくるなんて…人生何があるか分からないって抱き潰されて気絶したおれは思っていた気がする
初夜も含めて幸せな結婚式だったのは間違いない…しかし、その後…今回の結婚式の形式が人気になって嫁のここが好き!と語るようになるとか…レオの演説が嫁との新婚生活保護法っていう意味のわからない法案を生み出す事になる謎の展開に繋がるんだからやっぱり事件?だと思う
1,811
あなたにおすすめの小説
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる