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癒やすとは?
しおりを挟むフレイズ様が来客の対応中、僕に出来ることをやってみたいと目を閉じで夢に見る景色を必死に記憶に刷り込む作業を繰り返し、どれくらい経った頃だろうか?
いつの間にかフレイズ様が部屋に戻っておられた事に気付かなかった
急に抱き締められて、びっくりして目を開けたら、なんだか顔色が悪く…お疲れな?そんな雰囲気のフレイズ様が居て…僕をぎゅうぎゅうと抱き締めて「癒してくれ」って言葉が聞こえてきたんだ
ルドレッド公爵家に来てからこれまでフレイズ様が僕相手に癒してくれなんて言ったことは無い…こんなに疲れた顔も見たこと無い…
そんなに疲れるほど大変な人との面会?会談?だったのだろうか?
詳しくは分からないけど、きっと頑張って対応を終えて戻って来られたのだと感じがした
フレイズ様が僕に癒しを求めてる…たぶん聞き間違いじゃない…
きっと、大事に育ててる家畜だから飼い犬や飼い猫みたいな感じにも思えておられるんだろう
癒されたい、僕に癒してほしい…それを望まれるなら僕は家畜として役目を果たした方がいいよね…?
どんな風に癒そうと少し考え、ぎゅうぎゅうと僕を抱き締め続けるフレイズ様の様子を伺う
考えた結果、僕は人を癒す行為とか知らないしやった事も無いから…とりあえず昔、母様と見たことがある人懐っこい飼い犬の真似をして見ることにした
手始めに抱き締めてくるフレイズ様の腕に更に潜り込むように擦り寄り甘え、自分の温もりもフレイズ様に分け与えるような動きをしてみる
反応を伺うと、少しだけフレイズ様が固まったような気もした…けど、更に強く抱き締めて下さったので方向性的には間違って無いと思う
暫く擦り寄ってから飼い犬がよくする親愛の証?もして更に癒そうと試みた…
「フレイズ様…出来たら顔を寄せて下さい」と抱き締められてて身動きが取れない為、顔を上げ、「フレイズ様…出来たら顔を寄せて下さい」と近づいて貰えるようにお願いする
僕の言葉に反応して下さった疲れた顔のフレイズ様の目を見て感謝の気持ちで微笑み、寄せれた頬にもすりすりと甘えもっと抱き締めて欲しいって感じの雰囲気を出してみる
あと唇を犬っぽくペロペロと舐める事も忘れずに実践してみた
フレイズ様は犬がお好きかどうかわからないけど、僕が知ってる知識的には人を癒すと言えば犬猫が主だし…僕が犬を見た時、擦り寄ったり舐められたりされてた相手はすごく嬉しそうだった記憶がある
僕は人間だから犬みたいに触り心地のいい毛は無いけど、温もりくらいは分けられるからきっと癒しに繋がる筈だ
途中、フレイズ様に求めていたものじゃないって怒られた時の事を考えてない事に気付いてしまったけど、もう遅い…
不快な顔されたり、やめろって言われてから考えよう…そう思い、フレイズ様を見つめると…いつもと少し違う顔をされていた…
なんだろう…?すごく驚いてるような…?何となく嬉しいって感じがする?熱い視線…とでも言うんだろうか?……………見たこともない、よくわからない顔をされている
でも、確実に分かるのは怒っているって感情は感じない事だけ…
「アレン、口を開けろ…」
ペロペロと様子を伺いつつ唇を舐めていたらフレイズ様は急にそんな事を言って、じっとこちらを見てくる
口を開けることが癒しに繋がるのかもしれない?そう思い、頷いてから素直に口を開くとフレイズ様の舌が僕の口の中に入ってきた
熱くてぬるぬるとしたフレイズ様の大きな舌が僕の舌を追いかけるみたいに動いてる…?
少しびっくりしたけど嫌とかそういう気持ちは湧いてこない…でも、こんな経験始めてで…どうしたらいいかわからない
とりあえずフレイズ様は甘える家畜が好きだと分かっている為、自分から舌を伸ばして捕まりにいってみた
舌を伸ばすと直に舌を吸われて絡め取られて…扱かれるみたいな動きに変わる
くちゅくちゅ…って聞いたこともない不思議な音…ゾクゾクする音がフレイズ様と僕の間から響いて…
何となくフレイズ様が嬉しそうな顔をされてる気がするから…されるがまま口を開けっ放しにしてフレイズ様を癒そうと努力した
くちゅ♡くちゅくちゅ…♡ぬりゅ♡
「んっ………っ、んぁっ…っ、んんっ……」
「…………っ、アレン、アレン………っ♡」
あれ…今、口を塞がれてるよね?
これはどうやって息をしたらいいのんだろう…?
なんとなく息苦しいからかな…?なんか変な声?もでる…
でも、名前を呼ばれると嬉しい…舌が触れ合うたびゾワゾワする水音が頭に響く…舌を吸われたり、歯とか上顎とか舐められるとすごく温かい…
それに、ちょっと息苦しいのにフレイズ様の唾液は何故か甘くて…ここに来た時、夢で飲ませて貰った美味しい飲み物みたいな味がするんだ…
お腹まで暖かくしてくれるような美味しい味…舌が動き回ると口の端から唾液が溢れてしまうから勿体なくて…知らずに飲み干してしまう
僕がコクリとフレイズ様の唾液を飲み干すと、それに気付いて下さったのか、フレイズ様がすごく嬉しそうに笑った…
「いい子だ…本当に可愛いな」って口を少しだけ離し、頭を撫でながら教えてくれる
……………っ!!よかった…この癒し方は間違ってないって褒めて下さってるんだ…!
けど、褒められてるのに…口から舌を抜かれて息はできるようになったのが…どこか寂しいのはどうして?
よくわからない気持ちになりつつ、息を整えもっと癒させて欲しいと口を開き舌を伸ばしてみる…するとフレイズ様は優しく笑ってまた舌を僕の口に入れて下さった
さっきよりも激しく僕の舌を甘噛みし吸い上げて、時々甘い唾液を流し込んで下さるのが嬉しい…理由がわからないくらい美味しくて心がぽかぽかする
もっともっとフレイズ様を受け入れたいと思う気持ちは何なんだろう?僕は美味しく育ってるよって伝えたいからなのかな?
色々考える事もあるけど頭が段々と真っ白になってきて…よく覚えていない
たぶん僕は舌を差し出しつつ、甘い唾液を飲み干しながらフレイズ様が満足するまで癒しを与える飼い犬の真似をし続けた…
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