リドル・クリーチャー

巫衣弥七

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第1問

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 「普段どんな、活動をしているんですか?」
 「ーー部員の1人が、問題を1つ作ってきて、それを他の部員が解いて遊んでいるよ」

 新入生にサークル活動の説明をしていく。

 「そういえば、甲斐さん1人なんですか?」

 迷がキョロキョロ部屋を見回して質問する。

 「ん? そうだよ」
 「他の方は?」
 「1人はクイズ研との兼任で、もう1人は入院中なんだ」
 「えっ? それって、サークルとしていいんですか?」
 「よくないよ。ーーだから、まだ正式なサークルじゃないんだ。君たちが今年来てくれたから、ようやく発足できるんだ」

 ほっ、と安堵の息を吐く。

 「では、この部室はどうしたんです?」
 「実は、この部屋、クイズ研と共同なんだ。
 クイズ研は、文化系のサークルの中でも、人数が多くて、隣の視聴覚室を割り当てられているんだけど、去年俺らが人数を集められなくて、困っていたら、クイズ研の部長が、部屋を別けてくれたんだ」

 俺は、去年の苦労を新入生に説明する。

 「今年も、正式なサークルじゃないから、冊子に載せられないところを、大学側を説得して、冊子に工夫させてもらったんだ」

 ガサゴソと棚からサークル申請の紙を出す。

 「これに名前と学部を書いてーーハンコは持ってる?」

 ガチャ

 急に視聴覚室と繋がる扉が開かれた。

 「……あれ? 新入生?」

 ノックもなしに、いきなり入ってきた男は、新入生の姿を見て俺に尋ねる。

 「そうなんですよ。これで、ようやく始動できます。……まぁ、今までは、今までで楽しかったですけど」
 「そっか。よかったな。お互い今年は、豊作だな」
 「そうですね。リアル脱出ゲームさまさまですよ」

 そうなのである。このサークル、大学側が説得に応じた理由でもあるのだが、今世間で、リアル脱出ゲームが大ブームなのだ。

 「資料は机の上に置いときました」
 「ーーおっ、サンキュー。それと、これ今日の問題な」

 クイズ研の手伝いで用意した資料を確認して、
 男は、問題が書かれた紙とマジックを渡してくる。

 「ありがとうございます。これが、正式な活動1問目になりますね」

 俺は、コピー機の前に行き、受け取った紙をコピーする。

 「これで全員なんで、晴さんも自己紹介して下さい。流石にもう、新入生も来ないでしょ」
 「……そうだね。僕は、クイズ研究部副部長、霧谷 晴(きりたに はれ)。3科生。このサークルとは兼任だから、たまにしか参加しないけど、よろしくね」

 晴さんが爽やかな笑顔で握手を求める。

 「宮本 迷です。よろしくおねがいします!」
 「か、貝木戸 圭太です。よ、よろしくおねがいします」
 「自己紹介も済んだ所で、晴さんも名前お願いします」
 「オーケー」

 サラサラっと紙に名前を書き、胸ポケットからハンコを出して押す晴さん。相変わらず、準備のいい人だ。

 「ありがとうございます。じゃあ、この問題は、新入生に解いてもらおうかな。俺は、この申請書を出してきます」

 コピーした紙をファイルした俺は、新入生の前に紙とマジックを置く。

 「えっ?」

 ゴニョゴニョ

 驚く晴さんに答えを耳打ちする。

 「……結構、自信あったんだけどなぁ」
 「いやいや、中々面白い問題でしたよ。申請出してきます。直ぐ戻って来ますんで、その間お願いします」

 晴さんに頭を下げて部屋を出る創。
 迷と圭太の前には問題が残された。

 「ははっ。じゃあ、君たちも、僕の作った問題、挑戦して感想くれるかい?」
 「「ハイッ!」」

 迷と圭太は問題に目を通す。


 問題1

  X:刺突、太れ、ニガリ、レンガ父祖

  Y:斬、打、痩せる、塩、石垣、祖母

 では、村は?
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