用務員の日誌帳

けんけん

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1章 4.脅迫

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午後の授業が始まり教室の椅子に座る亜紀。昼休みの出来事を思い出しては、顔を曇らせる。
(万引きの動画が親や先生に知られたら...もしかしてネットにでも流されたら...どうしよう、どうしたら...)
そんな思いに不安を募らせれば授業の内容など全く頭に入る訳もなく、午後からの記憶さえ曖昧になっていた。
気づけばホームルームも終わり時間は16時前、言われた約束の時間まではまだまだある。頭で色々考えるも纏まる事もないまま椅子に座って居ると

「どうしたの亜紀?珍しいね、まだ帰らないの?」

「うん。ちょっと...」

「そっか、じゃあまた来週ね。」

「うん。また。」

友達と挨拶すると目の前の机に手を置きその上に顔を埋める。
(ホントにどうしたら...こんな事、誰にも相談出来ない、友達にもましてや先生や親にも)

「あら、佐藤さん?まだ残ってるの?早く帰りなさい。」

顔を埋めていれば、話しかけられた声に顔を上げるとそこには沢木の姿が

「すみません、もう帰ります。」

慌てるように返事をすると机の横の鞄を持ち立ち上がる。

「気をつけて帰るのよ。」

「ありがとうございます。先生さようなら...」

教師に声を掛けられた事で、万引きの事を言われるのでは?と想像しては、駆け足で教室を飛び出す。校舎を出て時間を見ればまだ17時、普段より時間の流れが遅く感じる。今からどうなるのか、どうしたら、そればかりが頭の中で繰り返されては、万引きをした店の前のベンチに腰掛けた。
(あの時断っていれば...みんなと帰っていなければ...)
後悔しては店の中を覗き溜息をつく。そんな風に考えていれば、約束の時間が迫っていた。

午後からも残りの仕事をこなす田中。仕事終わりのイベントの事を考えれば頬も緩む。何時もよりも仕事の時間が短く感じながら週末最後の見回りと戸締まりをしていると廊下で沢木とすれ違う。

「お疲れ様です。沢木先生。やっと明日はお休みですね。」

普段なら挨拶だけで済ませる所だが、気分が良いからか一言付け加えていた。

「お疲れ様です。田中さん。ええ、そうですね。では...」

田中とは話すことなど無いと言う感じで挨拶と受け流すように答えるとその場を通り過ぎて行った。
(週末最後に嫌な顔を見たわ。早く帰って晩酌でもして忘れるのが1番)
通り過ぎる沢木を見ては時間を気にしながら最終確認を終わらせ職員室に顔を出し、数名の教師に挨拶すれば、18時を少し回った頃に部屋へと向かうと、ドアの前に亜紀の姿が確認出来た。
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