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四章「メルスケルク」
鮮血の大号令
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※今回は何とも御都合主義な展開となっております。
「‥‥‥‥」
‥‥ざわめく乗客達。‥‥迫り来る軍勢。
‥‥全て、全て目障りだわ。
[「ジャンヌ逃げろ‥‥!お父さんとお母さんはの事はいいから‥‥とにかく逃げるんだ‥‥!!」]
[「駄目よジャンヌ! こっちに来たら貴女も狼の餌に‥‥! 逃げなさい、逃げなさいジャンヌ‥‥!!」]
‥‥鮮明に蘇るあの日の記憶。
[「お父さん‥‥お母さん‥‥嫌‥‥いやあああああああああああ!!!」]
頬に散布する鮮血の香り‥‥
「フフッ」
「き、君!な、何をするんだ!やめろ!!離せっ!! グワァ!!!」
辺りに飛び散る臓物と、飛び交う断末魔‥‥。
素晴らしい‥‥素晴らしいわ!
そうよ‥‥邪魔なものは全部‥‥消しちゃえばいいんだ。
…………………………………………………………………………
「ハァハァ……お嬢ちゃん、駄目だ。汽車の速力を上げるにも石炭が足りないだと‥‥。 ‥‥お嬢ちゃん? !!」
ミントンの目に映りこんだそれは‥‥数多もの乗客の死体‥‥臓物‥‥無数に広がる血溜まりであった。
「ひ、ヒィ‥‥!!」
その怪奇的元い猟奇的な光景に思わずミントンはその場で尻餅をついた。
「い、一体何があったんだ!? そ、そうだ。お、お嬢ちゃんは何処へ?!」
ミントンが周りを見渡す限り、そこに赤ずきんの姿は無かった。
ギイィィィィィィィィィィィィィィィイ!!!
すると突然、前方から汽車のブレーキの掛かる摩擦音が聞こえてきた。
「!? こ、今度は何だ!?」
そのブレーキ音と共に全ての客車が振り子の様に断続的に揺れ始め、次第に右斜め下の方向に傾き始めた。
「!! 横転する!!」
ミントンは一人客車の手摺りに必死にしがみつく形となり、そのまま客車と汽車本体は勢い良く無数の火花を散らしながら横転した。
客車の車窓が地面と接するごとにガラスが砕け散り、そこから次々と乗客の死体が投げ出されていく。
「‥‥‥ッ!!!」
ミントンはその車窓に吸い込まれていく死体に流されそうになったが、何とか耐え忍んだ。
「ハァハァ‥‥一体‥‥何が起きてると言うんだ‥‥」
車両が横転してから数分後、何やら外から騒がしい声が聞こえてきた。
ミントンは恐る恐る死体を退け、全身血塗れになりながら光が垣間見える車窓の隙間から外を覗き込むと‥‥
「!! あれは‥‥お、お嬢ちゃん!?」
それは正しく赤ずきんの姿であった。
何とラシュール帝国軍の騎兵隊相手に一人で立ち向かってるではないか。
…………………………………………………………………………
素晴らしい‥‥素晴らしいわ!!
こんな感情を抱いたのは初めて。
邪魔なうすのろ共は消え、今私は戦場に立っている‥‥!!
クロスボウが何よ。そんなもの、私のナイフ術にはかないっこないわ。
どんなに重厚な鎧に身を包んでいても、目と首元ががら空きよ。
「貴方、隙が甘いわね。‥‥丁度良いわ。私が貴方を殺してあげる‥‥!!」
「や、やめろ! 死にたくない!死にたくない!! うわああああああああ!!!」
グサッ
【続く】
「‥‥‥‥」
‥‥ざわめく乗客達。‥‥迫り来る軍勢。
‥‥全て、全て目障りだわ。
[「ジャンヌ逃げろ‥‥!お父さんとお母さんはの事はいいから‥‥とにかく逃げるんだ‥‥!!」]
[「駄目よジャンヌ! こっちに来たら貴女も狼の餌に‥‥! 逃げなさい、逃げなさいジャンヌ‥‥!!」]
‥‥鮮明に蘇るあの日の記憶。
[「お父さん‥‥お母さん‥‥嫌‥‥いやあああああああああああ!!!」]
頬に散布する鮮血の香り‥‥
「フフッ」
「き、君!な、何をするんだ!やめろ!!離せっ!! グワァ!!!」
辺りに飛び散る臓物と、飛び交う断末魔‥‥。
素晴らしい‥‥素晴らしいわ!
そうよ‥‥邪魔なものは全部‥‥消しちゃえばいいんだ。
…………………………………………………………………………
「ハァハァ……お嬢ちゃん、駄目だ。汽車の速力を上げるにも石炭が足りないだと‥‥。 ‥‥お嬢ちゃん? !!」
ミントンの目に映りこんだそれは‥‥数多もの乗客の死体‥‥臓物‥‥無数に広がる血溜まりであった。
「ひ、ヒィ‥‥!!」
その怪奇的元い猟奇的な光景に思わずミントンはその場で尻餅をついた。
「い、一体何があったんだ!? そ、そうだ。お、お嬢ちゃんは何処へ?!」
ミントンが周りを見渡す限り、そこに赤ずきんの姿は無かった。
ギイィィィィィィィィィィィィィィィイ!!!
すると突然、前方から汽車のブレーキの掛かる摩擦音が聞こえてきた。
「!? こ、今度は何だ!?」
そのブレーキ音と共に全ての客車が振り子の様に断続的に揺れ始め、次第に右斜め下の方向に傾き始めた。
「!! 横転する!!」
ミントンは一人客車の手摺りに必死にしがみつく形となり、そのまま客車と汽車本体は勢い良く無数の火花を散らしながら横転した。
客車の車窓が地面と接するごとにガラスが砕け散り、そこから次々と乗客の死体が投げ出されていく。
「‥‥‥ッ!!!」
ミントンはその車窓に吸い込まれていく死体に流されそうになったが、何とか耐え忍んだ。
「ハァハァ‥‥一体‥‥何が起きてると言うんだ‥‥」
車両が横転してから数分後、何やら外から騒がしい声が聞こえてきた。
ミントンは恐る恐る死体を退け、全身血塗れになりながら光が垣間見える車窓の隙間から外を覗き込むと‥‥
「!! あれは‥‥お、お嬢ちゃん!?」
それは正しく赤ずきんの姿であった。
何とラシュール帝国軍の騎兵隊相手に一人で立ち向かってるではないか。
…………………………………………………………………………
素晴らしい‥‥素晴らしいわ!!
こんな感情を抱いたのは初めて。
邪魔なうすのろ共は消え、今私は戦場に立っている‥‥!!
クロスボウが何よ。そんなもの、私のナイフ術にはかないっこないわ。
どんなに重厚な鎧に身を包んでいても、目と首元ががら空きよ。
「貴方、隙が甘いわね。‥‥丁度良いわ。私が貴方を殺してあげる‥‥!!」
「や、やめろ! 死にたくない!死にたくない!! うわああああああああ!!!」
グサッ
【続く】
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