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本編
2話
しおりを挟むむぅん?なんかもふもふしてるものが頬に当たってる。いや、むしろもふもふの上に寝そべってる??
家の玄関にこんなもふもふしているものをひいてたっけ。
不思議に思って目を開けて体を起こすと赤い絨毯が私の下、というか大きな広間のような部屋全体に敷かれていた。
そして目の前の階段の上には変な洋服を着た人がいる。
童話に出てくる王様がかぶるような王冠を頭に乗せていて赤いマントをはおっている。
ここまではまだいいけど、白を基本にしたスーツみたいな服にしゃちほこと鶴を足して2で割ったような動物が金の糸で大量に刺繍されてる。
それに主張の激しい肩パッドの存在感がやばい。
尖ってる。めっちゃ肩尖ってる。
端的に言ってめっちゃダサい。この服を作った人のデザインセンスはどこか壊れてると思う。
私でさえもう少しマシな服を作れるよ。
そんな変な人がふんぞり返りながら、
「よく来たな、勇者よ!!ぜひとも魔王を倒してくれ」
と無駄に綺麗な声を響かせて言った。
なんというかこの人頭大丈夫かな?
選択肢
はい◁
いいえ
急に目の前に文字が浮かび上がった。
選択肢…?なんだ??
でもここはとりあえず、
「『いいえ』で!!」
絶対ここで"はい"って言っちゃだめだって私の第六感が言ってる。
魔王って何さ、魔王って。
というか、いまどき中二病の子でも魔王とか言わないよ。
あれ?変な人の頭の上に[➚♡]って出た。
そして変な人の顔が赤くなってる…。
いやいや、40代ぐらいのおじさんの赤面姿なんて誰に需要があるの??しかも中年太りしてるからね!!
なんだかアホみたいで逆に冷静になったよ。
あ、周りにも人がいる。
この広い部屋の左右には奇抜な髪色をしてる銀色に光る甲冑を着てる人たちが壁際に何十人と並んで立ってる。
あれ、みんな腰に剣みたいなものを提げてる?
え、本物??やばくない??
ここまで来ると流石に私も思うよ。
これってあれだよね。異世界転移ってやつじゃないの?
さっきへんな穴に落ちたし。
アレのせいでこんなとこ来ちゃったんじゃないのかな。
明らかにみんなの服とか髪とかが日本人の色とかけ離れすぎてておかしいもん。
それに絨毯の感触とか感じるから夢なわけないし。
あれ、そういえばさっき買ったアイスがないけどどうなったんだろう。
玄関に置いてきた??
帰り方もわからないしあのままだったら時間が過ぎてあのアイスドロドロに溶けてるっていうか、へたしたら賞味期限切れで食べれない!!
しばらくアイスの心配してたけどいつまで経っても誰も何も言わないし動かない。
ていうかよく見るとみんな息をするときに肩が上がってない。めっちゃ怖い!!
なんかみんなすごく緻密に作られた蝋人形みたい。
いや、もうとりあえず変な人に声をかけてみよう。
このままだとずっとこの状態から動けなさそう。
「あのすみません。これって今どういう状況ですか?私、どうしたらいいですか??」
「よく来たな、勇者よ!!ぜひとも魔王を倒してくれ」
選択肢
はい◁
いいえ
「あの!!」
「よく来たな、勇者よ!!ぜひとも魔王を倒してくれ」
選択肢
はい◁
いいえ
「あ」
「よく来たな、勇者よ!!ぜひとも魔王を倒してくれ」
ぶ ち ぎ れ た い
これ分かった。絶対ゲームの世界に来たパターンだ。
弟のほうがこういうの好きだし得意なんだけどなぁ。
てか、目の前の文字がうざい!!!
見えてるから!見えてるからね!!
あぁ、もう!!これ"はい"以外の選択肢ある??
さっきから"いいえ"で何も進まないし。
でも、"はい"っていうの嫌だな。
どーしよう。
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