3 / 41
本編
3話
しおりを挟むあれからまた頑張った。どうにかできないか私なりにめっちゃ探した。
でも、やっぱりどうにもならない。
「s」
「よく来たな、勇者よ!!ぜひとも魔王を倒してくれ」
もう私に何も言わせてくれないんだよ。
このやり取りする意味ある??
てか、もう飽きた!!
同じ言葉しか帰ってこないし。
なにも面白くないよ!
もういい、女は度胸だ。
「"はい"!!もうわかった!魔王倒すのやるよ!!」
こんなのヤケだよ、ヤケ!!
あ、また頭の上に[➚♡]のアイコンが出た。
でもさっきと違ってそこまで顔は赤くなってない。
「おぉ、勇者よ!良くぞ言ってくれた!!して、勇者よ。お主の名は??」
姓 ◁
名
「よくぞ言ってくれた」ってあんたが言わせたんでしょ…。もうしんどい……。
というか名前って普通に言えばいいのかな??
文字を打つキーボードみたいなものもないし。
目の前のこれにどうやって打つんだろう?
姓 鈴木
名 紗菜◁
…なんか自動で名前が表示されたんだけど。
だいぶこの世界怖い。個人情報ダダ漏れじゃん。
名前はちゃんと書かれたけど変な人の動きがまた止まってる。
これはちゃんと声に出すべきなやつかな。
「私は鈴木 紗奈です。」
やっぱり私が答えると頭の上に[➚♡]のアイコンが出る。
今回は変な人がなんか激しく身悶えてる。だいぶ気持ち悪い。
ウネウネすんなや!!
「紗菜か…。」
甘い感じでポツリとつぶやかれた私の名前。
ここまでなんだか嫌な感じがするのは初めてだよ。
切実に逃げたい。
「そういえば自己紹介がまだであったな。我はこのドライグン王国の王であるドライグン13世である。」
国の名前が王様の名前ってだいぶ安直。覚えやすくていいんだけど。
「お主には聖女や騎士とともに魔王を倒す旅に出てほしいのだ。」
そう言って色々王様が話し始めたけどこういうのって普通王様が説明しない気がする。暇なのかな?
王様が言っためっちゃ長い話をまとめると
・めっちゃ強い魔王が復活した
・魔王は人を襲う魔物を増やすからやばい
・この大陸に散らばる3つの珠を集めて魔王城の結界を破り魔王を倒せ
テンプレだよこれ…。
というかもはやなんかありきたりすぎてつまらない。これ絶対売れないやつだよ!
「というわけで勇者紗菜よ。この国をいや、世界を守ってくれ。」
選択肢
はい◁
いいえ
そして私は他人からの頼られる感覚に嬉しくなって、
「いいえ」
…だって、そんな世界を守ってとか言われても!?
ただの高校生には荷が重すぎる!
私の返答に王様の頭の上に[➚♡]が…以下略。
「……………」
ん?んん?
王様黙っちゃったんだけど…。
すごい嫌な予感がする。
「あの王さ…」
「よく来た、勇者よ!!ぜひとも魔王を倒してくれ」
いやぁぁぁぁぁぁぁ。
また始めからだぁぁぁぁ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる