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本編

12話

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賢者の後ろについて街をまっすぐ歩いていくと、大きな門が見えてきた。

「あそこを越えると森になってて、モンスター湧きまくるから気をつけろよ。」
「はーい。」

なんかすごい口の悪いお母さんみたい。

「勇者様、ここからが旅の本番です。皆で魔王を討ち取り世界を平和にいたしましょう。」


選択肢

うん、みんなで頑張って魔王を倒そう。◁

うん、でもあまり無理はしないでいこう。

騎士ちゃんの言ってることは当たり前のことなんだけど、抜き身の剣を持ちっぱなしだからなんか平和にしよう(物理で)って感じちゃう。
歯向かうものは全員切れば問題ないみたいな。
すごい戦闘狂っぽい。

「"うん、でもあんまり無理はしないで気をつけながら行こうね"」

選択肢と全然違うこと言っちゃった。
大丈夫かな?

「はい!」

あ、マーク立ったし大丈夫そう。
でも、これ普通にバグがなかったらどっちかが正しい選択肢でもう一つは正しくないんでしょ?
普通にどっちがあってるかなんてわかんないわ。

門のすぐ近くに来て分かったけど、街の周りにはガラスみたいな透明な壁みたいなのがあるみたい。
すごい薄いけど。

「アホ面晒してるけどどうした?」
「私のことをナチュラルに罵倒するのやめてよ。」

そんな、アホみたいな顔はしてなかったもん、多分。

「いや、なんか透明なガラスが街の周りを囲ってるみたいだから何だろうなーって思って。」
「透明なガラス?あぁ、多分それ結界だ。勇者で魔法が発動してるのを見えるやつはなかなかいないんだがな。」
「へー!」

なんかちょっと嬉しい!!
でもまぁ、見えるだけとか意味ないけど。

そうこうしてるうちに門をくぐって街を出た。
少し前を見るともう森が広がってる。
本格的に闘わなきゃいけないんだな。

「街に近いからまだ魔物は出て来ないが油断するなよ。」
「了解。」

一応歩道は整備されてるけど、あくまで砂利を平らにした程度だから歩きにくいとは言えない。
獣道じゃないだけマシではあるけど、現代っ子には辛い。
アイスを買いに行くための片道で疲れきるのに体力持つかな。

「ん?あれなんだろ。」

道の真ん中に青く透き通った物体が…。

「あいつが魔物だ。スライムってやつだな。めちゃくちゃ弱いから初めてにはもってこいだ。1発剣で殴ってみろ。」

剣って切るものじゃないのかな?
倒せるならなんでもいいけど。

「とりゃぁ。」

私が剣を振りかぶったその時、スライムが大きく飛び跳ねて私の顔にへばりついた。

「えっ?うわっ…。ちょっ!!」

ぷにゅぷにゅしてるから顔から引きはがせない!!
どうすれば!?

「おー、大丈夫かー??」

むりむりむりむり!!!!

「あっ!!!」
「あ、コケた。」

ちょっと助けてくれてもいいじゃん。
なんて思っていたら頭に強い衝撃を感じてすべての感覚が遠ざかっていった。
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