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第二幕
37 パターンズ/オーヴァーズ.1◇
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「いいかいマナ!今日の合言葉は、強火で一気に炒める!復唱しな!」
ベストラさんは東国(彼女の故郷らしい)の調理服に着替えて髪を纏め、厨房にいた料理人らしき達を追い払ってそんなことを言った。
私も同じ服を着せてもらっている。
「強火…一気…に…炒める!」
「声が小さい!強火で一気に炒める!」
「強火…で…一気に…炒める!」
「よぉし!その為に大事なのは火の扱い!火の通し方だよ!三分做七分火功!」
「さんふぇ…?ちー…ふぇんほ…ごん?」
「声が小さい!三分做七分火功!」
「三分…做!七分…火功!」
「よろしい!作り方が三割、後の七割は火の通し方って意味さ!」
「それ…ベストラ…さん…国…言葉?」
「え、違うけど」
違うんだ……
「さて、これがその為の道具に鍋よ!」
火を吹き、燃え盛る石の窯……コンロに、大きな鉄の鍋。
近くにいると凄く暑い、私はちょっと立ってるのがやっとなくらい。
「さて、今日は炒飯だ!」
「炒飯?」
「必要なのは、ネギ、卵、米!味は塩胡椒で十分、出汁が有れば尚良し!入れるなら卵と一緒に!後は油!」
ベストラさんは細い野菜をさっと刻み、卵に塩胡椒を混ぜて溶き、米?(白い粒の集まり?)を釜からお碗によそう。
「え…その…」
何もかもが一瞬だった。
「いいね!分量は適量!」
「適量……?」
全部匙加減なんだ……
「まあ、一人分ならネギ三分の1、卵一個、米はお椀一杯、量を増やすなら、その分倍にすれば良い、油は1.5倍くらいかね」
適量ってけっこう細かいんだ……?
「さて!先ずは鍋をかんかんに……少し煙が出るくらいに熱する……いやもう、十分だね。じゃあ、先ずは油を投入!」
ジュウ、と音が鳴り、煙が上がる。
「んで、油がいい感じになったら、卵を投入!泡立ってきたら白飯、ネギを入れる!」
あっという間に卵が焼け、米とネギが炒められていく。
「は、はやい」
「材料は一つずつ入れる!そして強火で一気に炒める!」
ベストラさんが鍋を振るい、具材が宙を舞う。
「そして均等に炒めて、ネギの香りが立ってきたら鍋から下ろす!炒めすぎると香りがどっかいっちまうからねぇ!」
そして皿に盛られた炒飯。
香ばしい湯気が上る。
「わ……」
「味見してみるかい?」
「う、うん」
差し出されたスプーンで掬い、まだ熱いそれを口にする。
「……美味しい」
「くく、どんなもんだ、本業の人間にゃ及ばねぇが悪かねぇだろう?」
「これ……私……作れる?」
「……あー、すっかり忘れてた。コンロが無いと火力は難しいかねぇ……」
「……また…来る…から」
「そうだね、そん時は幾らでも練習させてやるから──」
その時だった。いや、また時が来た。
「──マナ様!」
オードが真剣な顔で駆けつけた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「お、オード?どうしたの?」
「……出発だ」
「追手……?」
「分からない、だが……もうここに留まる事はできない」
「もういくのかい?」
「いや、あんたも逃げろ!……"天井"が破壊された!」
「……上の連中か?」
「だったらまだ良かった。……正直、どう説明したらいいのかも分からないんだ、今、ヴェリルが街の連中と食い止めている……!」
「分かった、ヴェリルはどこに?」
「どこに行くつもりだ?」
「決まってんだろ、私も戦うんだよ」
「おい、逃げろって言ってるんだぞ!」
「冗談じゃない、私が家族を置いて一人で逃げる?そんなの私じゃないね」
「くっ……!分からず屋が!」
「今度は孫の顔でも見せてくれるといいね」
「出来ない約束はしたくない」
「いいや、出来るさ。約束も守って、街も守る。それが私だ。私達はいつだってここで待ってる。さぁ、さっさと行きな馬鹿息子よ」
「馬鹿はどっちだ……」
「オード…行こう…?追手…なんでしょ?」
私がオードの手を引く。
「すまない……行こう」
それにしても、何がそんなに問題なんだろう?
いや、ただの追手ならオードもここまで警戒することもない……天井って上の浮島の事?それを壊す……何が起きてるの……?
◇◇◇◇◇◇◇◇
外には、重い音が響いていた。
暗かった天井から光が差していて。
そして。
そこから人のようなモノが次々に落下していた。
「何……あれ……」
「降りてきたアレが、街の人々を襲っている……それだけじゃない、アレに襲われた奴も……いや、ともかく急ぐぞ!」
私を抱えてオルキヌスに乗り、走らせるオード。
差し込んでいる光を背に、仄暗い街を駆け抜ける。
道を行く人々は、皆武器を手に私達と反対方向へ走っていく。
「オード、あれって…」
この間見た、物乞いの人達や倒れていた子供達がちゃんとした服を着て武装していた。
……ベストラさんの言ってた事は本当らしい。
「この街の人間は、皆同じだ。ここが家なんだ。逃げるなんて奴らに出来ない……良くも悪くもな」
……良くも悪くも。出たくても、ここ以外で生きることができない……ってことなんだろう。
「そう…なんだ」
この街には風が吹いていない。
私にとっての庭園が、オードにとってのこの街だったのかも知れない。
ここはオードの帰る場所だけど……
あの庭園は……私の帰る場所なのかな?
ここと違って、待つ人なんていないのに。
「ねぇ…オード…いつか…戻る?」
「ああ……!だから、今は──っ!」
「うっ!」
オルキヌスが何かに弾き飛ばされて、私たちの視界は転がる。
「マナ様!大丈夫か!」
「……う、うん」
「良かった……一体何が……?」
私達の前に立っていたのは。
『◾︎◾︎◾︎──』
唸る獣、それは蒼銀の毛並みを持つ巨大な狼だった。
『……るるはりる』
『マ、マナ!アレは危険よ!すぐに……!』
『マナ様、我々が時間を稼ぐ!』
鼓笛隊が外に飛び出してそう言う。
『みんな?どうしたの?』
『我々はマナ様を守るモノ、反対の存在もいると言うことです!それが、そこにいる者!』
笛や太鼓を取り出す彼ら。
『スカール!そいつは誰かが使った魔術じゃないのか?』
『問答する時間はありません!早く逃げて下さい!』
「くっ……!」
「オード…!私…呼ぶ…スカール達…戻る!」
『そうです!我々はマナ様が呼ぶ限り、また姿を現すことができましょう!』
「っ……!任せたぞ!」
オルキヌスの体勢を立て直し、再び走り始める。
ベストラさんは東国(彼女の故郷らしい)の調理服に着替えて髪を纏め、厨房にいた料理人らしき達を追い払ってそんなことを言った。
私も同じ服を着せてもらっている。
「強火…一気…に…炒める!」
「声が小さい!強火で一気に炒める!」
「強火…で…一気に…炒める!」
「よぉし!その為に大事なのは火の扱い!火の通し方だよ!三分做七分火功!」
「さんふぇ…?ちー…ふぇんほ…ごん?」
「声が小さい!三分做七分火功!」
「三分…做!七分…火功!」
「よろしい!作り方が三割、後の七割は火の通し方って意味さ!」
「それ…ベストラ…さん…国…言葉?」
「え、違うけど」
違うんだ……
「さて、これがその為の道具に鍋よ!」
火を吹き、燃え盛る石の窯……コンロに、大きな鉄の鍋。
近くにいると凄く暑い、私はちょっと立ってるのがやっとなくらい。
「さて、今日は炒飯だ!」
「炒飯?」
「必要なのは、ネギ、卵、米!味は塩胡椒で十分、出汁が有れば尚良し!入れるなら卵と一緒に!後は油!」
ベストラさんは細い野菜をさっと刻み、卵に塩胡椒を混ぜて溶き、米?(白い粒の集まり?)を釜からお碗によそう。
「え…その…」
何もかもが一瞬だった。
「いいね!分量は適量!」
「適量……?」
全部匙加減なんだ……
「まあ、一人分ならネギ三分の1、卵一個、米はお椀一杯、量を増やすなら、その分倍にすれば良い、油は1.5倍くらいかね」
適量ってけっこう細かいんだ……?
「さて!先ずは鍋をかんかんに……少し煙が出るくらいに熱する……いやもう、十分だね。じゃあ、先ずは油を投入!」
ジュウ、と音が鳴り、煙が上がる。
「んで、油がいい感じになったら、卵を投入!泡立ってきたら白飯、ネギを入れる!」
あっという間に卵が焼け、米とネギが炒められていく。
「は、はやい」
「材料は一つずつ入れる!そして強火で一気に炒める!」
ベストラさんが鍋を振るい、具材が宙を舞う。
「そして均等に炒めて、ネギの香りが立ってきたら鍋から下ろす!炒めすぎると香りがどっかいっちまうからねぇ!」
そして皿に盛られた炒飯。
香ばしい湯気が上る。
「わ……」
「味見してみるかい?」
「う、うん」
差し出されたスプーンで掬い、まだ熱いそれを口にする。
「……美味しい」
「くく、どんなもんだ、本業の人間にゃ及ばねぇが悪かねぇだろう?」
「これ……私……作れる?」
「……あー、すっかり忘れてた。コンロが無いと火力は難しいかねぇ……」
「……また…来る…から」
「そうだね、そん時は幾らでも練習させてやるから──」
その時だった。いや、また時が来た。
「──マナ様!」
オードが真剣な顔で駆けつけた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「お、オード?どうしたの?」
「……出発だ」
「追手……?」
「分からない、だが……もうここに留まる事はできない」
「もういくのかい?」
「いや、あんたも逃げろ!……"天井"が破壊された!」
「……上の連中か?」
「だったらまだ良かった。……正直、どう説明したらいいのかも分からないんだ、今、ヴェリルが街の連中と食い止めている……!」
「分かった、ヴェリルはどこに?」
「どこに行くつもりだ?」
「決まってんだろ、私も戦うんだよ」
「おい、逃げろって言ってるんだぞ!」
「冗談じゃない、私が家族を置いて一人で逃げる?そんなの私じゃないね」
「くっ……!分からず屋が!」
「今度は孫の顔でも見せてくれるといいね」
「出来ない約束はしたくない」
「いいや、出来るさ。約束も守って、街も守る。それが私だ。私達はいつだってここで待ってる。さぁ、さっさと行きな馬鹿息子よ」
「馬鹿はどっちだ……」
「オード…行こう…?追手…なんでしょ?」
私がオードの手を引く。
「すまない……行こう」
それにしても、何がそんなに問題なんだろう?
いや、ただの追手ならオードもここまで警戒することもない……天井って上の浮島の事?それを壊す……何が起きてるの……?
◇◇◇◇◇◇◇◇
外には、重い音が響いていた。
暗かった天井から光が差していて。
そして。
そこから人のようなモノが次々に落下していた。
「何……あれ……」
「降りてきたアレが、街の人々を襲っている……それだけじゃない、アレに襲われた奴も……いや、ともかく急ぐぞ!」
私を抱えてオルキヌスに乗り、走らせるオード。
差し込んでいる光を背に、仄暗い街を駆け抜ける。
道を行く人々は、皆武器を手に私達と反対方向へ走っていく。
「オード、あれって…」
この間見た、物乞いの人達や倒れていた子供達がちゃんとした服を着て武装していた。
……ベストラさんの言ってた事は本当らしい。
「この街の人間は、皆同じだ。ここが家なんだ。逃げるなんて奴らに出来ない……良くも悪くもな」
……良くも悪くも。出たくても、ここ以外で生きることができない……ってことなんだろう。
「そう…なんだ」
この街には風が吹いていない。
私にとっての庭園が、オードにとってのこの街だったのかも知れない。
ここはオードの帰る場所だけど……
あの庭園は……私の帰る場所なのかな?
ここと違って、待つ人なんていないのに。
「ねぇ…オード…いつか…戻る?」
「ああ……!だから、今は──っ!」
「うっ!」
オルキヌスが何かに弾き飛ばされて、私たちの視界は転がる。
「マナ様!大丈夫か!」
「……う、うん」
「良かった……一体何が……?」
私達の前に立っていたのは。
『◾︎◾︎◾︎──』
唸る獣、それは蒼銀の毛並みを持つ巨大な狼だった。
『……るるはりる』
『マ、マナ!アレは危険よ!すぐに……!』
『マナ様、我々が時間を稼ぐ!』
鼓笛隊が外に飛び出してそう言う。
『みんな?どうしたの?』
『我々はマナ様を守るモノ、反対の存在もいると言うことです!それが、そこにいる者!』
笛や太鼓を取り出す彼ら。
『スカール!そいつは誰かが使った魔術じゃないのか?』
『問答する時間はありません!早く逃げて下さい!』
「くっ……!」
「オード…!私…呼ぶ…スカール達…戻る!」
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