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カラン王子とのカミングアウトの後日から、私の死亡フラグは大きく減少した。
それもそうだ。最近の死亡理由ナンバーワンぶっちぎり独占状態だった男が味方に付いたのだ。
死ぬ頻度も大いに減るというもの。
そして、夕暮れ時のわずかな時間を、あの崖の上でカラン王子と会話をするのが、私のひそかな日課となっていた。
「じゃあ、ちょっと出てきます」
「ああ。……ラーレ、気を付けて」
今日も教会を出ようとしたら、イキシアに呼び止められた。
なんだか、あのプラムの殺害未遂(イキシアからしたらカラン王子の仕業なんだけど)から、イキシアの態度が変わった気がする。
前通り……ってほどじゃないけど、それに近い感じだ。
それが嬉しくて、くすぐったくて……まだ、希望があるのでは、と。つい浮かれてしまう。
へらりと緩みそうになる頬を必死に引き締めて、にこりと務めて綺麗に笑う。
気持ち悪いニチャァ笑いなんか浮かべてしまった日には自分から死ぬしかないからね。それは避けねば。
「うん! ありがとう、イキシア。行ってきます!」
「──ああ、行ってらっしゃい」
困ったように笑って、それでもほんの少し面白くなさそうな顔が隠せていないのは、昔と変わらない。
それに笑って、私は夕焼けに染まる教会を後にした。
「ってことがあってね! 聞いてる? カラン王子!」
「聞いてる聞いてる。お前は本当にあの男が好きなんだな」
「……んふふ、うん。好き」
空がオレンジから紫へ変わる頃合い。
冬は、日が暮れるのがびっくりするほど早い。
なんだか冬を迎えるのが久しぶりすぎて、そんな当たり前なことすら忘れていた気がする。
カラン王子の呆れ交じりの軽口に、緩む頬をそのままに惚気れば、王子は呆気にとられるように目を瞬いた。
こういうカラン王子の一面が見れるようになるなんて思っても居なかったなぁ……。
本当に、人生って何が起きるかわからないもんだ。
「……正直、男を見る目がないな」
「おっとそれは聞き捨てならないな?」
イキシアのいいところなら百個以上語れるぞ?? 強いオタクをナメるなよ喧嘩なら買うぞ??
まあ、買うと言ってもこっちの買値で、だが。
リアル王子様の金銭感覚には付いて行けないのよ。
「お前への態度が良いとは言えん」
「……それは、仕方ないよ」
むすっと面白くなさそうな顔をするこの王子さまは、どうやら随分と私のことを気に入ってくれたらしい。
苦笑して、膝を抱えなおす。
はあ、と吐いた息が白い。
そろそろ雪が降るだろう。そうしたら、どこで待ち合わせをしよう。
きれいで繊細なこの人を、寒空のなか一人で待たせることはしたくない。
「イキシアだって、忘れたくて忘れたわけじゃないでしょうし」
「お前の希望的観測だろう」
「そうだけど!」
あそこまで優しくってあんなことまで言われてたら希望的観測くらいしてもよくない!?
この王子さまは本当に現実主義というか、横やり入れるのが好きというか!
もー! なんて怒ってそちらを向けば、ふわりといい香りがした。
カラン王子が、上着を私の肩にかけてくれたようだ。
冬の夕暮れには薄着だった体が、ほんのりと暖かさに包まれる。
「あ……ありが」
「俺なら、忘れない」
告げようとした感謝の言葉は、思いもよらぬ一言にさえぎられた。
「……え?」
「俺なら、何度季節を繰り返しても、お前のことを忘れない」
隣に座っていたその人は、それだけ言い切ると静かに腰を上げる。
ぽかんと間抜け面を晒して見上げる私の顔を見て、彼は……カラン王子は、その橙の瞳に優しさをにじませて、笑う。
「分からないような鈍感娘ではないだろう?」
明日まで、俺の言葉だけ考えていればいい。
そう言って、彼の人は暗い森の中に消えていった。
それを無言で見送るしかできないでいると、彼の置き土産の上着が肩からずり落ちた。
「おっと、落ちますよ~」
後ろの茂みに護衛として隠れていたプラムが、ガサリと音を立てて出てくる。
両手に握っていた木の枝を放り投げて上着をかけ直してくれたプラムに、たまだ頭に葉っぱ乗ってますよ、なんて言える余裕はなくて。
「…………いつ、フラグが立った……?」
カランルートを開拓した記憶はなんだけどな……?
なんて呟きは、プラムの「割と最初からですかね」なんて更なる衝撃発言に霞んで消えた。
※ ※ ※
教会まで送ってくれたプラムは、頼んでもないのにべらべらと喋ってすれましたよ、ええ。
曰く。
カラン王子に友人ができたのが初めてだとか。
一人の人間として接してくれたのが嬉しかったようだとか。
王都ではみな「出来損ない王子」としか見ていないだとか。
知ってるよ、ルートやったから。
なぁんて言えるわけもなく、プラムの思惑もなんとな~く察せる中身アラサーなお姉さんは、ひたすら無言を貫くしかできなかった。
これ、あれでしょ?
『原作』でもプラムやってたもんね。カラン王子を選んでほしいんだよね。お前カラン王子大好きだもんね。
ただ、ひとつだけ気になったから。
もうすぐで教会につくという、いつも送ってくれるプラムと別れるその直前。
思い切って、聞いてみた。
「プラムは、私でいいの?」
だって私は実はイイとこのご令嬢、なんてことも。
特別な力を持ってるわけでも。
カラン王子を助けれる何かがあるわけでもない。
顔面に大きな火傷痕のような痣があるだけが特徴の、貧乏教会の捨てられ子だ。
ぶっちゃけカラン王子の害にしかならん女だけどいいのか?
賢いプラムは、しっかり私の言外の言葉をくみ取ってくれたようだ。
ほんの少しだけ悩む仕草をみせて、そしてへにゃりと笑った。
きっと、最初から答えなんて決まってたんだろう。
年相応の、気の抜けた笑顔だった。
「ええ。俺は、あの人が、幸せでいてくれるのが一番なんで」
そんな顔で、そんなことを言われちゃったら、もう何も言えないじゃんか。
「そっか」とだけ返せば、彼もまた、すっかり日の暮れた夜の闇の中へと消えていった。
自室に戻り、またベッドへとダイブする。
決して上等とは言えない古びたベッドは悲鳴を上げたが、同室のレリアはぐっすり夢の中で起きることはない。
……に、しても。
「モテ期ってやつ……?」
カラン王子のアレは、そういうことよね???
あの人冗談であんなこと言う人でもないし。
最愛は、イキシアだ。今の昔も前世も変わらない。
──けれど。
「……俺なら、忘れない、か……」
その言葉は、あまりにも魅力的すぎた。
ほんの少し、心が動いたのが、自分でもわかるくらいには。
「………………寝よ」
ふるふると頭をふって、思考を飛ばす。
元々夜に考え事はするもんじゃないんだし、今考えて結論はでないだろう。
だったら、しっかり寝て、明日考えるほうがいい。
最近いろんなことがあるせいか、横になるとすぐに眠気はやってくる。
まどろむ視界に映るのは、椅子にかけた彼の上着。
持ち帰った時はひと騒動だったなぁ、なんて数時間前のことを思い出して、くすりと笑みがこぼれた。
明日、返さなきゃ。
そして、まずはお礼を言おう。
その後は、なんて告げようか──……
緩やかな睡魔に、思考が流されていく。
すべてが消える、その直前。
なぜか、鐘の音が聞こえた気がした。
それもそうだ。最近の死亡理由ナンバーワンぶっちぎり独占状態だった男が味方に付いたのだ。
死ぬ頻度も大いに減るというもの。
そして、夕暮れ時のわずかな時間を、あの崖の上でカラン王子と会話をするのが、私のひそかな日課となっていた。
「じゃあ、ちょっと出てきます」
「ああ。……ラーレ、気を付けて」
今日も教会を出ようとしたら、イキシアに呼び止められた。
なんだか、あのプラムの殺害未遂(イキシアからしたらカラン王子の仕業なんだけど)から、イキシアの態度が変わった気がする。
前通り……ってほどじゃないけど、それに近い感じだ。
それが嬉しくて、くすぐったくて……まだ、希望があるのでは、と。つい浮かれてしまう。
へらりと緩みそうになる頬を必死に引き締めて、にこりと務めて綺麗に笑う。
気持ち悪いニチャァ笑いなんか浮かべてしまった日には自分から死ぬしかないからね。それは避けねば。
「うん! ありがとう、イキシア。行ってきます!」
「──ああ、行ってらっしゃい」
困ったように笑って、それでもほんの少し面白くなさそうな顔が隠せていないのは、昔と変わらない。
それに笑って、私は夕焼けに染まる教会を後にした。
「ってことがあってね! 聞いてる? カラン王子!」
「聞いてる聞いてる。お前は本当にあの男が好きなんだな」
「……んふふ、うん。好き」
空がオレンジから紫へ変わる頃合い。
冬は、日が暮れるのがびっくりするほど早い。
なんだか冬を迎えるのが久しぶりすぎて、そんな当たり前なことすら忘れていた気がする。
カラン王子の呆れ交じりの軽口に、緩む頬をそのままに惚気れば、王子は呆気にとられるように目を瞬いた。
こういうカラン王子の一面が見れるようになるなんて思っても居なかったなぁ……。
本当に、人生って何が起きるかわからないもんだ。
「……正直、男を見る目がないな」
「おっとそれは聞き捨てならないな?」
イキシアのいいところなら百個以上語れるぞ?? 強いオタクをナメるなよ喧嘩なら買うぞ??
まあ、買うと言ってもこっちの買値で、だが。
リアル王子様の金銭感覚には付いて行けないのよ。
「お前への態度が良いとは言えん」
「……それは、仕方ないよ」
むすっと面白くなさそうな顔をするこの王子さまは、どうやら随分と私のことを気に入ってくれたらしい。
苦笑して、膝を抱えなおす。
はあ、と吐いた息が白い。
そろそろ雪が降るだろう。そうしたら、どこで待ち合わせをしよう。
きれいで繊細なこの人を、寒空のなか一人で待たせることはしたくない。
「イキシアだって、忘れたくて忘れたわけじゃないでしょうし」
「お前の希望的観測だろう」
「そうだけど!」
あそこまで優しくってあんなことまで言われてたら希望的観測くらいしてもよくない!?
この王子さまは本当に現実主義というか、横やり入れるのが好きというか!
もー! なんて怒ってそちらを向けば、ふわりといい香りがした。
カラン王子が、上着を私の肩にかけてくれたようだ。
冬の夕暮れには薄着だった体が、ほんのりと暖かさに包まれる。
「あ……ありが」
「俺なら、忘れない」
告げようとした感謝の言葉は、思いもよらぬ一言にさえぎられた。
「……え?」
「俺なら、何度季節を繰り返しても、お前のことを忘れない」
隣に座っていたその人は、それだけ言い切ると静かに腰を上げる。
ぽかんと間抜け面を晒して見上げる私の顔を見て、彼は……カラン王子は、その橙の瞳に優しさをにじませて、笑う。
「分からないような鈍感娘ではないだろう?」
明日まで、俺の言葉だけ考えていればいい。
そう言って、彼の人は暗い森の中に消えていった。
それを無言で見送るしかできないでいると、彼の置き土産の上着が肩からずり落ちた。
「おっと、落ちますよ~」
後ろの茂みに護衛として隠れていたプラムが、ガサリと音を立てて出てくる。
両手に握っていた木の枝を放り投げて上着をかけ直してくれたプラムに、たまだ頭に葉っぱ乗ってますよ、なんて言える余裕はなくて。
「…………いつ、フラグが立った……?」
カランルートを開拓した記憶はなんだけどな……?
なんて呟きは、プラムの「割と最初からですかね」なんて更なる衝撃発言に霞んで消えた。
※ ※ ※
教会まで送ってくれたプラムは、頼んでもないのにべらべらと喋ってすれましたよ、ええ。
曰く。
カラン王子に友人ができたのが初めてだとか。
一人の人間として接してくれたのが嬉しかったようだとか。
王都ではみな「出来損ない王子」としか見ていないだとか。
知ってるよ、ルートやったから。
なぁんて言えるわけもなく、プラムの思惑もなんとな~く察せる中身アラサーなお姉さんは、ひたすら無言を貫くしかできなかった。
これ、あれでしょ?
『原作』でもプラムやってたもんね。カラン王子を選んでほしいんだよね。お前カラン王子大好きだもんね。
ただ、ひとつだけ気になったから。
もうすぐで教会につくという、いつも送ってくれるプラムと別れるその直前。
思い切って、聞いてみた。
「プラムは、私でいいの?」
だって私は実はイイとこのご令嬢、なんてことも。
特別な力を持ってるわけでも。
カラン王子を助けれる何かがあるわけでもない。
顔面に大きな火傷痕のような痣があるだけが特徴の、貧乏教会の捨てられ子だ。
ぶっちゃけカラン王子の害にしかならん女だけどいいのか?
賢いプラムは、しっかり私の言外の言葉をくみ取ってくれたようだ。
ほんの少しだけ悩む仕草をみせて、そしてへにゃりと笑った。
きっと、最初から答えなんて決まってたんだろう。
年相応の、気の抜けた笑顔だった。
「ええ。俺は、あの人が、幸せでいてくれるのが一番なんで」
そんな顔で、そんなことを言われちゃったら、もう何も言えないじゃんか。
「そっか」とだけ返せば、彼もまた、すっかり日の暮れた夜の闇の中へと消えていった。
自室に戻り、またベッドへとダイブする。
決して上等とは言えない古びたベッドは悲鳴を上げたが、同室のレリアはぐっすり夢の中で起きることはない。
……に、しても。
「モテ期ってやつ……?」
カラン王子のアレは、そういうことよね???
あの人冗談であんなこと言う人でもないし。
最愛は、イキシアだ。今の昔も前世も変わらない。
──けれど。
「……俺なら、忘れない、か……」
その言葉は、あまりにも魅力的すぎた。
ほんの少し、心が動いたのが、自分でもわかるくらいには。
「………………寝よ」
ふるふると頭をふって、思考を飛ばす。
元々夜に考え事はするもんじゃないんだし、今考えて結論はでないだろう。
だったら、しっかり寝て、明日考えるほうがいい。
最近いろんなことがあるせいか、横になるとすぐに眠気はやってくる。
まどろむ視界に映るのは、椅子にかけた彼の上着。
持ち帰った時はひと騒動だったなぁ、なんて数時間前のことを思い出して、くすりと笑みがこぼれた。
明日、返さなきゃ。
そして、まずはお礼を言おう。
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