赤色の伝説

DREAM MAKER

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外伝~蛍火~

5。

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次の日の、もう昼を過ぎていたが。
傷は治癒魔法によって大方完治させたが、闇属性の攻撃を受け、体力的にかなり消耗していたラクナスはウェルザのベッドを借りてしばらく安静にしていた。
そんなラクナスの側で、ウェルザが前髪を数束残し、あとは長い髪を白いリボンで一つにまとめた姿で先日切られたボタンを繕いながら状況を確認しあっていた。
「そうですか。闇の者もいたんですね。しかしシスティス殿だとは気が付きませんでした」
「僕もただ勘で動いただけだけどさ、最初見た時になんかキナ臭いなって思ったから。でも予感が的中してしまった。ああもう、結構な目にあった」
そう言うとラクナスは大仰にため息をついた。
ラクナスはもう既に上半身は起こせる。ただ全身のけだるさが抜けないだけだ。
それは時間と共に体力、魔力が回復すれば抜けていくものだ。
「で、召喚をしたんですか?」
「ああ。黒魔法が全く聞かなかったからね」
「・・・・ラクナス。一つ聞きますが、魔法陣の解除はしたんですか?」
一度描いた魔法陣は解除しない限り、言葉一つで何度でも召喚獣を呼び出せてしまう。
ただし、その魔法陣上のみだが。
「・・・・・・・・・・あっ!!」
ラクナスが思い出したように叫んだのと同時に5、6人の神官が“ウェルザ様!”と各々叫びながら部屋になだれ込んできた。
「どうしました?」
ウェルザが慌てて振り向けば、リボン姿のウェルザにやられた神官達が皆鼻を押さえ、身悶えてしまい、何も話せなくなった。
そこへ。
「ウェルザ様、大変です!!」
昨夜の事など何も覚えていないかのようにいつものはっきりとした、元気な声でヴァリオンが入ってきた。
「うっ!」
急にヴァリオンがよろめく。
「どうしました!?ヴァリオン!」
慌ててウェルザが訪ねれば。
「・・・似合いますね、そのリボン」
「そんな事はどうでもいいんです!!」
呆れと怒りを滲ませた声でヴァリオンを叱咤すれば、ヴァリオンは慌てて我に返った。
「あ、ああそうでした!なんか大神官様たちが、二階のとある一角で何かを話したりしていると急に眩しい光が床から発せられる、と言って驚いてしまって、なんか大変な騒ぎになってますけど」
あ、まずい。

震えるウェルザの肩を見ながらラクナスはそう確信した。

「・・・・・ラクナスーーー!!!」
ラクナスの方を振り向くとウェルザは恨みがましそうに叫んだ。
「あ、ああごめん!すぐ・・・すぐいく!!」
そう言うとラクナスは部屋を飛び出していった。


今日も天気の良い一日だった。



<完>
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