8 / 10
第8話 埋まらない亀裂
しおりを挟む
私とディルスは、カミディオン国王がキリトと話すのを確認してから地に降り立つ。さすがにこちらにまで手は回らないようなのだわ。
どんな風に言い逃れをするのかと思って静観したかったのだけれど、やはりそうも行かない。
私達の方に向かってくる令嬢が見えたけれど、それは私が大嫌いな女だ。仕方ないけれど、げんなりしてしまう。
「ディルス様……先程の話は本当なのですか?」
今はキリトの、その前はディルスの婚約者だった女だ。
彼女の顔からは失望の気持ちが見て取れる、けれどそちらは加害者の国だ。そのような表情をされても、私は申し訳ないとは思わない。
寧ろこうなりたくなかったのなら、しっかりと手綱を握っていれば良かったのに。
そういう気持ちと、昔のディルスの婚約者だったという事の嫉妬心が抑えられず、ついもやもやしてしまう。
「残念ながら本当です。あなたを巻き込んでしまいましたが、これも僕とエルマを守る為。許してくれとは言いません」
毅然として言うディルスに対して、メリオラは首を横に振る。
「いいえ、婚姻前にキリト様のこのような本性を知られて良かったです。私ずっと悩んでおりましたの。ディルス様と婚約解消され、離れてしまい、本当にこれで良いのかと」
潤んだ瞳でディルスを見るこの様子が何とも神経を逆なでする。
あなたもディルスを追い出すのに一役買った人ですけど?? 何故あなただけ被害者面するのかしら。
(それに視線は私を見る事なくディルスにしか向いていない。だから尚更腹立つわ)
あたかも居ない様に扱われるのは腹立つわ。
彼女はまだディルスが好きなのだろうか、それとも自分だけでも助かりたいと願っているからの行動なのか。
キリトという泥船と共に一緒に沈めばいいのに。
「ディルス様。私達の婚約は解消されましたけれど、友人としてまた話すことは出来ませんか。このままもう二度とお会いする事も出来なくなりそうで、不安なのです」
庇護欲をそそる様にわざと弱者のように振る舞って、取り入る様に言っているのは見え見えよ、ムカムカ。
そんなメリオラの思惑に様子に気づいているのかいないのか、ディルスが私の腰に手を回してくる。
そんな行動にドキッとしながら、嬉しさがこみ上げた。
(そうね、ディルスはあんな女よりも私をきちんと大切に思ってくれてるものね)
自信を取り戻し、私からも寄り添う。親密な様を見せつけてやるんだから。
メリオラが私を恨みがましそうに睨んできたが、すぐに目を伏せ、表情を隠す。
上手くやらないとあなたの本性も皆の前で暴露してしまうわよ。
あなたを守る様な人はいない。皆キリトの事でかかりきりなんだもの。
「メリオラ嬢……いや、リッテル侯爵令嬢。僕達の関係はもう他人同様に遠いものだ。僕から話すことは何もない、あなたはあなたの責務を果たしてくれ。キリトとね」
突き放すように言うディルスの顔は笑顔であった。
その表情は心からすっきりとしたものだ。
あぁ、ディルスはこの女もきちんと恨んでいる。
そんなディルスの人間らしい負の感情が愛おしい。こうして中身が見えないと時々心配だもの。
共感も出来ない程の遠くに行ってしまいそうで。
「そんな私は何もしていないのに……」
自身の行く末を案じ、メリオラは泣き始めた。
そんな弱くて王太子妃になるつもりだったの? あぁ違ったわね、キリトが言っていたもの。
「何もしていないのと、何も知らないは違うのよ。あなたはキリトが私に無理に迫るのを知っていて止めなかったでしょ? この茶番はあなたが止めなかったから起きたのもある。ねぇ側室候補さん?」
キリトは言っていた。私が正妃になれば、メリオラを側室にすると。それはメリオラも承知の上だと。
「そんな話は知りません。私はキリト様の正式な婚約者で王太子妃教育も受けてました、側室なんてなるわけがありません」
「そうですか。では改めてリッテル侯爵令嬢。教えてください。あなたは本当に何も知らなかったのでしょうか。あなたは僕よりもキリトが良いと話し、僕と結婚するのは嫌だと拒んだ。それも一つの原因となり、僕はレグリスに行く事になった。この話は本当ですかね? お聞かせください」
決して大きな声ではないのだが、近くにいた者にはばっちりと聞こえる声量だ。周囲にざわめきが生まれる。
「そんな根も葉もない虚言はおやめ下さい、ディルス様」
「失礼、キリトがリッテル侯爵令嬢も同意の上だと話をしていましたから。他の皆も知ってるものかと思ってこの場で話をさせてもらいました」
悪びれもせずにディルスがそういうと、周囲からは困惑の、声が上がる。
それはそうだ。
カミディオン国民には、私の我儘のせいでディルスがレグリスに婿入りしたという話がされているもの。
それがまさかカミディオンが進んでディルスを差し出したとは、夢にも思っていないはず。
ひそひそと聞こえる言葉にメリオラは顔を赤くしている。
「僕を捨てたあなたが側室候補なんて言われるとは。まぁ、キリトを選んだリッテル侯爵令嬢の責任として受け入れてください。婚約者が義姉に想いを寄せるなんて、あり得ませんが、元々兄の婚約者すらも盗るような男。予兆はあったでしょう」
「もうやめて下さい!」
赤から青に顔色を変えたメリオラは、まるで知らない人でも見るかのような目でディルスを見つめていた。
「何故このような酷い事を言うのですか?! わざわざそんな言い方をするなんて、意地悪です、見損ないました!」
このような煽るような話し方を元婚約者にぶつけるなんて、余程の鬱憤だったのか。
「それは仕方ないです、報復の為にわざと言っているのですから。どうです? 王太子妃教育が一気に無駄になるような感覚は。まぁ僕もあなたに裏切られて王太子教育も無駄になったのでおあいこですけれど。それでも愛する人に会えた事だけは幸運ですが」
愛おし気に、といった様子で私の髪にキスを落としてくれる。
そんな愛情溢れる行動に私も冷静さを取り戻せたわ。
一呼吸置いた後、メリオラもようやっと表情を取り繕う。
「そのような虚言ばかりを口にして、ディルス様はレグリスにて余程辛い目に合い、そして洗脳されてしまったのですね。お可哀想に。エルマ王女、優しく穏やかであったディルス様に何を吹き込んだのですか? 彼がここまで壊れるなんて」
全てを私のせいにし、悪女としようとしているのね。こうも他責思考とは、キリトとメリオラは似た者同士だわ。間違いない。
「本当にそんな事を思っている? あなた方が三年前に蒔いた種が、キリト様のせいで芽吹いただけよ。恨むなら三年前のあなた方の決断を恨みなさい」
「私とキリト様はディルス様がこの国を去ってから力を合わせてきました。より良い国を作ろう、ディルス様に心配をかけないよう強い国にしようと努力を続け、周辺国の方からも認められるまでになりました。なので、そのような嘘でカミディオンの評判を下げようとするのはおやめ下さい。この侮辱を雪ぐために然るべき償いを要求しますからね」
まだ婚約者の身分と言えど、王太子妃教育を受けているメリオラの発言は軽視できるものではない。
ましてやこのような人の目のあるところの話だ。しっかりと潰して置かないと。
「償い、ですか。それは僕がしてもらいたいものです。目の前で実の弟に妻を口説かれるとは思いませんでしたよ。しかも王妃として受け入れると言われるなんて、リッテル侯爵令嬢も可哀想だとは思うのですが」
「そのような嘘はお止めくださいと何度も申してるではないですか」
「嘘ではないからこうして苦言を呈しに来たのです。証拠も先程聞いたでしょう。リッテル侯爵令嬢も受け入れたと聞いたから、共犯なのでしょう?」
「そんな話は知りません」
「では何故こんな契約書がなされたのでしょうか」
ディルスが見せたのは極秘の契約書だ。
いつの間にそんなものを?
「内容は仮にエルマがカミディオンに嫁いで来る事になったら、というものですね。長年王太子妃教育を受けてきたあなたに対しての慰労金や、側室という地位を与えて安寧に暮らせる事の保証が書かれている。僕とエルマは離婚もしてないのに随分と早い算段だよね」
メリオラの顔色は最早白に近い。
「エルマ様を手に入れたいと思うものは多いけれど、キリトがまさか本気とは思わなかったよ。あいつは僕から地位とこの国と婚約者を奪ったのに、妻まで奪おうというのだね」
優しい口調で語りかけるディルスだが、その目は笑っていない。
どんな風に言い逃れをするのかと思って静観したかったのだけれど、やはりそうも行かない。
私達の方に向かってくる令嬢が見えたけれど、それは私が大嫌いな女だ。仕方ないけれど、げんなりしてしまう。
「ディルス様……先程の話は本当なのですか?」
今はキリトの、その前はディルスの婚約者だった女だ。
彼女の顔からは失望の気持ちが見て取れる、けれどそちらは加害者の国だ。そのような表情をされても、私は申し訳ないとは思わない。
寧ろこうなりたくなかったのなら、しっかりと手綱を握っていれば良かったのに。
そういう気持ちと、昔のディルスの婚約者だったという事の嫉妬心が抑えられず、ついもやもやしてしまう。
「残念ながら本当です。あなたを巻き込んでしまいましたが、これも僕とエルマを守る為。許してくれとは言いません」
毅然として言うディルスに対して、メリオラは首を横に振る。
「いいえ、婚姻前にキリト様のこのような本性を知られて良かったです。私ずっと悩んでおりましたの。ディルス様と婚約解消され、離れてしまい、本当にこれで良いのかと」
潤んだ瞳でディルスを見るこの様子が何とも神経を逆なでする。
あなたもディルスを追い出すのに一役買った人ですけど?? 何故あなただけ被害者面するのかしら。
(それに視線は私を見る事なくディルスにしか向いていない。だから尚更腹立つわ)
あたかも居ない様に扱われるのは腹立つわ。
彼女はまだディルスが好きなのだろうか、それとも自分だけでも助かりたいと願っているからの行動なのか。
キリトという泥船と共に一緒に沈めばいいのに。
「ディルス様。私達の婚約は解消されましたけれど、友人としてまた話すことは出来ませんか。このままもう二度とお会いする事も出来なくなりそうで、不安なのです」
庇護欲をそそる様にわざと弱者のように振る舞って、取り入る様に言っているのは見え見えよ、ムカムカ。
そんなメリオラの思惑に様子に気づいているのかいないのか、ディルスが私の腰に手を回してくる。
そんな行動にドキッとしながら、嬉しさがこみ上げた。
(そうね、ディルスはあんな女よりも私をきちんと大切に思ってくれてるものね)
自信を取り戻し、私からも寄り添う。親密な様を見せつけてやるんだから。
メリオラが私を恨みがましそうに睨んできたが、すぐに目を伏せ、表情を隠す。
上手くやらないとあなたの本性も皆の前で暴露してしまうわよ。
あなたを守る様な人はいない。皆キリトの事でかかりきりなんだもの。
「メリオラ嬢……いや、リッテル侯爵令嬢。僕達の関係はもう他人同様に遠いものだ。僕から話すことは何もない、あなたはあなたの責務を果たしてくれ。キリトとね」
突き放すように言うディルスの顔は笑顔であった。
その表情は心からすっきりとしたものだ。
あぁ、ディルスはこの女もきちんと恨んでいる。
そんなディルスの人間らしい負の感情が愛おしい。こうして中身が見えないと時々心配だもの。
共感も出来ない程の遠くに行ってしまいそうで。
「そんな私は何もしていないのに……」
自身の行く末を案じ、メリオラは泣き始めた。
そんな弱くて王太子妃になるつもりだったの? あぁ違ったわね、キリトが言っていたもの。
「何もしていないのと、何も知らないは違うのよ。あなたはキリトが私に無理に迫るのを知っていて止めなかったでしょ? この茶番はあなたが止めなかったから起きたのもある。ねぇ側室候補さん?」
キリトは言っていた。私が正妃になれば、メリオラを側室にすると。それはメリオラも承知の上だと。
「そんな話は知りません。私はキリト様の正式な婚約者で王太子妃教育も受けてました、側室なんてなるわけがありません」
「そうですか。では改めてリッテル侯爵令嬢。教えてください。あなたは本当に何も知らなかったのでしょうか。あなたは僕よりもキリトが良いと話し、僕と結婚するのは嫌だと拒んだ。それも一つの原因となり、僕はレグリスに行く事になった。この話は本当ですかね? お聞かせください」
決して大きな声ではないのだが、近くにいた者にはばっちりと聞こえる声量だ。周囲にざわめきが生まれる。
「そんな根も葉もない虚言はおやめ下さい、ディルス様」
「失礼、キリトがリッテル侯爵令嬢も同意の上だと話をしていましたから。他の皆も知ってるものかと思ってこの場で話をさせてもらいました」
悪びれもせずにディルスがそういうと、周囲からは困惑の、声が上がる。
それはそうだ。
カミディオン国民には、私の我儘のせいでディルスがレグリスに婿入りしたという話がされているもの。
それがまさかカミディオンが進んでディルスを差し出したとは、夢にも思っていないはず。
ひそひそと聞こえる言葉にメリオラは顔を赤くしている。
「僕を捨てたあなたが側室候補なんて言われるとは。まぁ、キリトを選んだリッテル侯爵令嬢の責任として受け入れてください。婚約者が義姉に想いを寄せるなんて、あり得ませんが、元々兄の婚約者すらも盗るような男。予兆はあったでしょう」
「もうやめて下さい!」
赤から青に顔色を変えたメリオラは、まるで知らない人でも見るかのような目でディルスを見つめていた。
「何故このような酷い事を言うのですか?! わざわざそんな言い方をするなんて、意地悪です、見損ないました!」
このような煽るような話し方を元婚約者にぶつけるなんて、余程の鬱憤だったのか。
「それは仕方ないです、報復の為にわざと言っているのですから。どうです? 王太子妃教育が一気に無駄になるような感覚は。まぁ僕もあなたに裏切られて王太子教育も無駄になったのでおあいこですけれど。それでも愛する人に会えた事だけは幸運ですが」
愛おし気に、といった様子で私の髪にキスを落としてくれる。
そんな愛情溢れる行動に私も冷静さを取り戻せたわ。
一呼吸置いた後、メリオラもようやっと表情を取り繕う。
「そのような虚言ばかりを口にして、ディルス様はレグリスにて余程辛い目に合い、そして洗脳されてしまったのですね。お可哀想に。エルマ王女、優しく穏やかであったディルス様に何を吹き込んだのですか? 彼がここまで壊れるなんて」
全てを私のせいにし、悪女としようとしているのね。こうも他責思考とは、キリトとメリオラは似た者同士だわ。間違いない。
「本当にそんな事を思っている? あなた方が三年前に蒔いた種が、キリト様のせいで芽吹いただけよ。恨むなら三年前のあなた方の決断を恨みなさい」
「私とキリト様はディルス様がこの国を去ってから力を合わせてきました。より良い国を作ろう、ディルス様に心配をかけないよう強い国にしようと努力を続け、周辺国の方からも認められるまでになりました。なので、そのような嘘でカミディオンの評判を下げようとするのはおやめ下さい。この侮辱を雪ぐために然るべき償いを要求しますからね」
まだ婚約者の身分と言えど、王太子妃教育を受けているメリオラの発言は軽視できるものではない。
ましてやこのような人の目のあるところの話だ。しっかりと潰して置かないと。
「償い、ですか。それは僕がしてもらいたいものです。目の前で実の弟に妻を口説かれるとは思いませんでしたよ。しかも王妃として受け入れると言われるなんて、リッテル侯爵令嬢も可哀想だとは思うのですが」
「そのような嘘はお止めくださいと何度も申してるではないですか」
「嘘ではないからこうして苦言を呈しに来たのです。証拠も先程聞いたでしょう。リッテル侯爵令嬢も受け入れたと聞いたから、共犯なのでしょう?」
「そんな話は知りません」
「では何故こんな契約書がなされたのでしょうか」
ディルスが見せたのは極秘の契約書だ。
いつの間にそんなものを?
「内容は仮にエルマがカミディオンに嫁いで来る事になったら、というものですね。長年王太子妃教育を受けてきたあなたに対しての慰労金や、側室という地位を与えて安寧に暮らせる事の保証が書かれている。僕とエルマは離婚もしてないのに随分と早い算段だよね」
メリオラの顔色は最早白に近い。
「エルマ様を手に入れたいと思うものは多いけれど、キリトがまさか本気とは思わなかったよ。あいつは僕から地位とこの国と婚約者を奪ったのに、妻まで奪おうというのだね」
優しい口調で語りかけるディルスだが、その目は笑っていない。
12
あなたにおすすめの小説
離婚を望む悪女は、冷酷夫の執愛から逃げられない
柴田はつみ
恋愛
目が覚めた瞬間、そこは自分が読み終えたばかりの恋愛小説の世界だった——しかも転生したのは、後に夫カルロスに殺される悪女・アイリス。
バッドエンドを避けるため、アイリスは結婚早々に離婚を申し出る。だが、冷たく突き放すカルロスの真意は読めず、街では彼と寄り添う美貌の令嬢カミラの姿が頻繁に目撃され、噂は瞬く間に広まる。
カミラは男心を弄ぶ意地悪な女。わざと二人の関係を深い仲であるかのように吹聴し、アイリスの心をかき乱す。
そんな中、幼馴染クリスが現れ、アイリスを庇い続ける。だがその優しさは、カルロスの嫉妬と誤解を一層深めていき……。
愛しているのに素直になれない夫と、彼を信じられない妻。三角関係が燃え上がる中、アイリスは自分の運命を書き換えるため、最後の選択を迫られる。
待ち伏せされた悪役令嬢、幼馴染み騎士団長と初恋をやり直す。
待鳥園子
恋愛
悪役令嬢クラウディア・エズモンドとして転生し、前世の記憶が婚約破棄の夜会数日前に戻った。
もう婚約破棄されることは避けられない。覚悟を決めて夜会が開催される大広間に向かう途中、騎士団長であるオルランド・フィンリーに呼び止められ……。
冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
【完結】鈍感令嬢は立派なお婿さまを見つけたい
楠結衣
恋愛
「エリーゼ嬢、婚約はなかったことにして欲しい」
こう告げられたのは、真実の愛を謳歌する小説のような学園の卒業パーティーでも舞踏会でもなんでもなく、学園から帰る馬車の中だったーー。
由緒あるヒビスクス伯爵家の一人娘であるエリーゼは、婚約者候補の方とお付き合いをしてもいつも断られてしまう。傷心のエリーゼが学園に到着すると幼馴染の公爵令息エドモンド様にからかわれてしまう。
そんなエリーゼがある日、運命の二人の糸を結び、真実の愛で結ばれた恋人同士でいくと幸せになれると噂のランターンフェスタで出会ったのは……。
◇イラストは一本梅のの様に描いていただきました
◇タイトルの※は、作中に挿絵イラストがあります
新しいもの好きな私と伝統が大事な彼のすれ違いと歩み寄り
桧山 紗綺
恋愛
私は新しいものが好き。
商店に並ぶ見たことのないデザインのアクセサリー、季節のフルーツを使った新作のケーキ、職人が生み出す新しい模様のレースなど。
どれも見ているとワクワクして、こんな素敵なものがあるのと他の人に教えたくて仕方ない。
でも婚約者は私が次々に新しい物を身に着けているのが好きではないみたい。
浪費ではないのだけれど、難しい。
けれどある日のお茶会をきっかけにお互い歩み寄ってみると一緒に過ごすのは意外と楽しくて……。
◆家風の違う婚約者とのすれ違いと歩み寄りの話です。
わだかまりはわりとすぐ解けて婚約者同士でイチャイチャしてます。
15話+番外編1話。
完結しました!
お付き合いくださった皆様ありがとうございました。
公爵令嬢は嫁き遅れていらっしゃる
夏菜しの
恋愛
十七歳の時、生涯初めての恋をした。
燃え上がるような想いに胸を焦がされ、彼だけを見つめて、彼だけを追った。
しかし意中の相手は、別の女を選びわたしに振り向く事は無かった。
あれから六回目の夜会シーズンが始まろうとしている。
気になる男性も居ないまま、気づけば、崖っぷち。
コンコン。
今日もお父様がお見合い写真を手にやってくる。
さてと、どうしようかしら?
※姉妹作品の『攻略対象ですがルートに入ってきませんでした』の別の話になります。
婚約破棄された夜、最強魔導師に「番」だと告げられました
有賀冬馬
恋愛
学院の祝宴で告げられた、無慈悲な婚約破棄。
魔力が弱い私には、価値がないという現実。
泣きながら逃げた先で、私は古代の遺跡に迷い込む。
そこで目覚めた彼は、私を見て言った。
「やっと見つけた。私の番よ」
彼の前でだけ、私の魔力は輝く。
奪われた尊厳、歪められた運命。
すべてを取り戻した先にあるのは……
冷徹婚約者に追放された令嬢、異国の辺境で最強公爵に見初められ、今さら「帰ってきて」と泣かれてももう遅い
nacat
恋愛
婚約者である王太子に濡れ衣を着せられ、断罪の末に国外追放された伯爵令嬢レティシア。
絶望の果てにたどり着いた辺境の国で、孤高と噂の公爵に助けられる。
彼は彼女に穏やかに微笑み、たった一言「ここにいなさい」と囁いた。
やがてレティシアは、その地で新しい居場所と愛を見つける。
だが、彼女を見捨てた王太子が、後悔と未練を胸に彼女を追って現れて――。
「どうか許してくれ、レティシア……!」
もう遅い。彼女は優しく強くなって、誰より愛される人生を歩き始めていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる