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第3話 特訓中
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数日の間、浅層に潜って実践を重ねた。
街に戻ってからもエルに槍の使い方の指導や、魔物の倒し方を教え、生き延びる可能性を高めていく。
「本当なら前衛が後衛を守るものだが、俺たちは二人しかいない。自衛のためにもう少し強くなってから深層へ向かおう。遠回りに思えるだろうが、準備をしっかりしないと生存率が下がるからな」
「はい」
エルは真剣な表情で訓練を受けてくれる。
文句も言わないし教え甲斐もある、本当に良いやつだ。
「僕が弱いためにすぐに深層に向かえずにすみません」
ふとエルが謝った。
「そんな事はない。エルはとても努力家だ、もうすぐいけるようになるさ」
魔石の情報を聞きつけてダンジョンに入る冒険者は増えている。
誰も見たこともない希少な宝は狙われやすく、我こそはと名乗り出るものが多い。
しかしあそこは近年攻略者がいない難しいダンジョンだ。
きちんとした準備と戦力がないと生きて帰るのは困難である。
「それに深層に行くだけが目的ではない。魔石を取って生きて帰ってくるまでが目標なんだ。俺一人では深層にはいけないし、お互い助け合って頑張ろう」
「はい」
エルは再度槍を握りなおした。
エルが頑張っている間、アーノルドはエルに教えてもらった防御壁と回復魔法の練習をする。
ギルドの治癒師に習った回復魔法よりも丁寧でわかりやすく、エルは褒めるのもうまい。
俄然やる気も出てきてアーノルドも少しは上達してきていた。
何より共に頑張れる仲間がいるというのは励みになる。
改めて頑張ろう、と二人は努力を重ねていった。
エルが戦いに慣れてくるとサクサクと進めるようになった。
「腕が上がったな」
槍の扱いも上手くなり、ゴブリンなども倒せるようになる。
教会育ちのエルにとって生物を殺めることは抵抗があるんじゃないかと思っていたが、意外にも抵抗はないようだった。
「あなたに捨てられたら、僕にはもう行き場がありません。泣き言なんて言っていられませんから」
エルの体はだいぶ引き締まってきている。
アーノルドの教えを守り、宿に戻っても頑張って鍛えているそうだ。
「この分なら早い段階で深層に潜れそうだな」
「本当ですか? お待たせしていて申し訳無いですから、早く行きたいです」
戦闘の経験が少ないエルの為に浅い層での戦闘を繰り返していたが、今や中層まで難なく進めるようになっている。
「待たせられてなんてないさ。エルはとても素直で腕前もいい。頼りにしているよ」
「ありがとうございます。もっと役に立てるように頑張りますから」
アーノルドの励ましに、エルは俄然やる気になった。
エルは感謝していた。
アーノルドは急かすこともなく、罵ることもしない。
そして初心者丸出しのエルが他の冒険者から笑われたりすると、本気になって庇い怒ってくれる。
冒険どころか日常の生活も初心者のエルは、簡単な買い物も出来ず度々人を驚かすような常識のなさを披露した。
それでもアーノルドだけは笑わず説明してくれ、何度も根気よく向き合ってくれた。
エルはそれが嬉しかった。
アーノルドとしてはある程度エルがそういう事に不慣れだと予想していたから、怒ることも呆れることもなかった。
知らないことは仕方ない。
そしてエルはそれを認め頑張っているのだから、怒るなんて気持ちは起きなかった。
(事情はわからんが、良いところのお坊ちゃんなんだろうな……)
教会育ちで庶民の生活も知らず、高度な回復魔法を使え、魔力も多い。
そして言葉遣いも所作も一般人とは質が違う。
どこかの貴族令息が何らかの理由で教会に入れられ、治癒師の勉強をさせられたのか。
だとしたら世間知らずも納得のいくものだ。
教会をクビになったなどと言っていたが、本当なのだろうか。
街に戻ってからもエルに槍の使い方の指導や、魔物の倒し方を教え、生き延びる可能性を高めていく。
「本当なら前衛が後衛を守るものだが、俺たちは二人しかいない。自衛のためにもう少し強くなってから深層へ向かおう。遠回りに思えるだろうが、準備をしっかりしないと生存率が下がるからな」
「はい」
エルは真剣な表情で訓練を受けてくれる。
文句も言わないし教え甲斐もある、本当に良いやつだ。
「僕が弱いためにすぐに深層に向かえずにすみません」
ふとエルが謝った。
「そんな事はない。エルはとても努力家だ、もうすぐいけるようになるさ」
魔石の情報を聞きつけてダンジョンに入る冒険者は増えている。
誰も見たこともない希少な宝は狙われやすく、我こそはと名乗り出るものが多い。
しかしあそこは近年攻略者がいない難しいダンジョンだ。
きちんとした準備と戦力がないと生きて帰るのは困難である。
「それに深層に行くだけが目的ではない。魔石を取って生きて帰ってくるまでが目標なんだ。俺一人では深層にはいけないし、お互い助け合って頑張ろう」
「はい」
エルは再度槍を握りなおした。
エルが頑張っている間、アーノルドはエルに教えてもらった防御壁と回復魔法の練習をする。
ギルドの治癒師に習った回復魔法よりも丁寧でわかりやすく、エルは褒めるのもうまい。
俄然やる気も出てきてアーノルドも少しは上達してきていた。
何より共に頑張れる仲間がいるというのは励みになる。
改めて頑張ろう、と二人は努力を重ねていった。
エルが戦いに慣れてくるとサクサクと進めるようになった。
「腕が上がったな」
槍の扱いも上手くなり、ゴブリンなども倒せるようになる。
教会育ちのエルにとって生物を殺めることは抵抗があるんじゃないかと思っていたが、意外にも抵抗はないようだった。
「あなたに捨てられたら、僕にはもう行き場がありません。泣き言なんて言っていられませんから」
エルの体はだいぶ引き締まってきている。
アーノルドの教えを守り、宿に戻っても頑張って鍛えているそうだ。
「この分なら早い段階で深層に潜れそうだな」
「本当ですか? お待たせしていて申し訳無いですから、早く行きたいです」
戦闘の経験が少ないエルの為に浅い層での戦闘を繰り返していたが、今や中層まで難なく進めるようになっている。
「待たせられてなんてないさ。エルはとても素直で腕前もいい。頼りにしているよ」
「ありがとうございます。もっと役に立てるように頑張りますから」
アーノルドの励ましに、エルは俄然やる気になった。
エルは感謝していた。
アーノルドは急かすこともなく、罵ることもしない。
そして初心者丸出しのエルが他の冒険者から笑われたりすると、本気になって庇い怒ってくれる。
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それでもアーノルドだけは笑わず説明してくれ、何度も根気よく向き合ってくれた。
エルはそれが嬉しかった。
アーノルドとしてはある程度エルがそういう事に不慣れだと予想していたから、怒ることも呆れることもなかった。
知らないことは仕方ない。
そしてエルはそれを認め頑張っているのだから、怒るなんて気持ちは起きなかった。
(事情はわからんが、良いところのお坊ちゃんなんだろうな……)
教会育ちで庶民の生活も知らず、高度な回復魔法を使え、魔力も多い。
そして言葉遣いも所作も一般人とは質が違う。
どこかの貴族令息が何らかの理由で教会に入れられ、治癒師の勉強をさせられたのか。
だとしたら世間知らずも納得のいくものだ。
教会をクビになったなどと言っていたが、本当なのだろうか。
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