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第19話 ティアシーアとミカエル
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「姉上、機嫌が良さそうですね」
レナードとのデート以来、エレオノーラはとても機嫌が良かった。
レナードに後ろから抱きしめられ耳元で囁かれたことを思いだせば、自然と笑みになる。
ちなみに男達は、レナードが令嬢たちにワインを掛けるきっかけを作った、令息達の雇ったものだ。
ニコルの尋問によりあっさりと雇い主を告げるとは、令息達も見る目がない。
「えぇとても。ティアシーアももうすぐミカエル様とデートでしょ? ゆっくりとしてくるといいわ」
ティアシーアはドキリとする。
リオーネが組んだデートの日程までもうすぐなのだ。
こちらも観劇を見に行く予定である。
刺激が強いとリオーネに伝えたら、
「ちょうどいいのでは? ティアシーア姉様は奥手過ぎますもの。そういうのを見ればきっと意識してくれますわ」
と笑っていた。
ティアシーアはそんな事は知らない。
「デートのドレスは決まった?」
「オズの見立てで決めてもらいました」
オズはエレオノーラの専属騎士である。
お洒落が大好きで常に流行の先端を追うような女性だ。
「それはそれは。当日が楽しみね」
「……姉上。率直に聞きますが、私とミカエル様は本当に釣り合うとお思いでしょうか?」
ティアシーアの問いに、エレオノーラは真面目な顔をする。
「もちろんです、あなたはこんなに綺麗で可愛い。ミカエル様もとても優しい方ですし、何といってもレナードの弟。絶対にあなたを裏切るようなことはありませんから、自信を持って」
エレオノーラは力説し。ティアシーアを見る。
とても自信なさそうな顔は憂いに満ちていた。
「このように大女で、王女なのに剣を振るう私はおかしくないのでしょうか? ミカエル様の隣にいてもいいのでしょうか?」
エレオノーラの顔から表情が消える。
「あなたにそんなことをいう者はわたくしが消します。だからあなたは自分の気持ちに素直になっていいのですよ」
「ですが、不安なのです。ミカエル様が私のせいで悪く言われたり、もしかしたら嫌われてしまうかもしれない」
そうなっては耐えられない。
「それならいっそ身を引いた方がいいのかと……」
「ミカエル様があなたを嫌いなどと言いましたか?」
ティアシーアは口を噤む。
「そうでなければそのように言ってはいけないわ。ミカエル様も傷ついてしまうもの」
自分よりも体格のいい妹を抱きしめる。
「それに気づいているかしら。ミカエル様はずっとあなたの事しか見ていないわ」
「そうなのですか?」
思いもがけない言葉に、押さえようと思っても嬉しくなってしまう。
「あなたも恥ずかしがるだけでなく、ミカエル様をしっかりと見てみなさい。彼の行動、彼の言葉はティアにしか向いていないわ。よく思い返してみるといいわよ」
エレオノーラの言葉にティアシーアは考え込む。
彼が自分を向いていた。
姉の婚約についての話し合いでも、ミカエルは自分と話したいと言ってくれ、パーティでは自分を探して歩き回っていた。
そして今度のデート。
今更ながらそういうことなのかと思った。
「ただ姻戚関係になるからの優しさではなかったのですか?」
「そのようなだけであなたにあのような話をするわけがないでしょ。プレゼントも贈られてきたわよね?」
ティアシーアは顔を赤くし、コクコクと頷く。
「どうしましょう、私ミカエル様に何も返せてない……」
「気づけたのならいいことではないの、今から色々返せばいいのよ」
「はい!」
さっそく立ち上がり、ティアシーアは準備に走る。
「姉上、失礼いたします! さっそくフゥに相談し、ミカエル様に似合うものを探しに行きますわ」
勢いよく部屋を出るティアシーアに嬉しくなる。
朗報を聞くのは早そうだ。
「こちらを私に?」
当然ミカエルはティアシーアからのプレゼントに喜んだ。
「よく身につけていらっしゃるので、スカーフとさせて頂きました。いかがでしょうか?」
「凄く嬉しい。大事にします、本当にありがとうございます」
照れくさそうに、でも嬉しそうな笑顔にティアシーアも嬉しくなった。
「私も嬉しいです、ミカエル様に喜んでいただけて」
ティアシーアも笑った。
「あなたは本当に太陽のように素敵だ……」
ティアシーアの笑顔に眩しそうに眼を細める。
「ティアシーア姉様、お二人でゆっくりと馬車に乗ってください。私は今日はフゥとこちらの馬車に乗りますので」
言うが早いかリオーネはさっさとフゥの手を引いて、違う馬車に乗ってしまった。
突然の二人きりに困惑してしまう。
「さぁ、私達も乗りましょう」
ミカエルが手を差し出してくれた。
「ありがとうございます」
その温もりにティアシーアの心もポカポカになった。
レナードとのデート以来、エレオノーラはとても機嫌が良かった。
レナードに後ろから抱きしめられ耳元で囁かれたことを思いだせば、自然と笑みになる。
ちなみに男達は、レナードが令嬢たちにワインを掛けるきっかけを作った、令息達の雇ったものだ。
ニコルの尋問によりあっさりと雇い主を告げるとは、令息達も見る目がない。
「えぇとても。ティアシーアももうすぐミカエル様とデートでしょ? ゆっくりとしてくるといいわ」
ティアシーアはドキリとする。
リオーネが組んだデートの日程までもうすぐなのだ。
こちらも観劇を見に行く予定である。
刺激が強いとリオーネに伝えたら、
「ちょうどいいのでは? ティアシーア姉様は奥手過ぎますもの。そういうのを見ればきっと意識してくれますわ」
と笑っていた。
ティアシーアはそんな事は知らない。
「デートのドレスは決まった?」
「オズの見立てで決めてもらいました」
オズはエレオノーラの専属騎士である。
お洒落が大好きで常に流行の先端を追うような女性だ。
「それはそれは。当日が楽しみね」
「……姉上。率直に聞きますが、私とミカエル様は本当に釣り合うとお思いでしょうか?」
ティアシーアの問いに、エレオノーラは真面目な顔をする。
「もちろんです、あなたはこんなに綺麗で可愛い。ミカエル様もとても優しい方ですし、何といってもレナードの弟。絶対にあなたを裏切るようなことはありませんから、自信を持って」
エレオノーラは力説し。ティアシーアを見る。
とても自信なさそうな顔は憂いに満ちていた。
「このように大女で、王女なのに剣を振るう私はおかしくないのでしょうか? ミカエル様の隣にいてもいいのでしょうか?」
エレオノーラの顔から表情が消える。
「あなたにそんなことをいう者はわたくしが消します。だからあなたは自分の気持ちに素直になっていいのですよ」
「ですが、不安なのです。ミカエル様が私のせいで悪く言われたり、もしかしたら嫌われてしまうかもしれない」
そうなっては耐えられない。
「それならいっそ身を引いた方がいいのかと……」
「ミカエル様があなたを嫌いなどと言いましたか?」
ティアシーアは口を噤む。
「そうでなければそのように言ってはいけないわ。ミカエル様も傷ついてしまうもの」
自分よりも体格のいい妹を抱きしめる。
「それに気づいているかしら。ミカエル様はずっとあなたの事しか見ていないわ」
「そうなのですか?」
思いもがけない言葉に、押さえようと思っても嬉しくなってしまう。
「あなたも恥ずかしがるだけでなく、ミカエル様をしっかりと見てみなさい。彼の行動、彼の言葉はティアにしか向いていないわ。よく思い返してみるといいわよ」
エレオノーラの言葉にティアシーアは考え込む。
彼が自分を向いていた。
姉の婚約についての話し合いでも、ミカエルは自分と話したいと言ってくれ、パーティでは自分を探して歩き回っていた。
そして今度のデート。
今更ながらそういうことなのかと思った。
「ただ姻戚関係になるからの優しさではなかったのですか?」
「そのようなだけであなたにあのような話をするわけがないでしょ。プレゼントも贈られてきたわよね?」
ティアシーアは顔を赤くし、コクコクと頷く。
「どうしましょう、私ミカエル様に何も返せてない……」
「気づけたのならいいことではないの、今から色々返せばいいのよ」
「はい!」
さっそく立ち上がり、ティアシーアは準備に走る。
「姉上、失礼いたします! さっそくフゥに相談し、ミカエル様に似合うものを探しに行きますわ」
勢いよく部屋を出るティアシーアに嬉しくなる。
朗報を聞くのは早そうだ。
「こちらを私に?」
当然ミカエルはティアシーアからのプレゼントに喜んだ。
「よく身につけていらっしゃるので、スカーフとさせて頂きました。いかがでしょうか?」
「凄く嬉しい。大事にします、本当にありがとうございます」
照れくさそうに、でも嬉しそうな笑顔にティアシーアも嬉しくなった。
「私も嬉しいです、ミカエル様に喜んでいただけて」
ティアシーアも笑った。
「あなたは本当に太陽のように素敵だ……」
ティアシーアの笑顔に眩しそうに眼を細める。
「ティアシーア姉様、お二人でゆっくりと馬車に乗ってください。私は今日はフゥとこちらの馬車に乗りますので」
言うが早いかリオーネはさっさとフゥの手を引いて、違う馬車に乗ってしまった。
突然の二人きりに困惑してしまう。
「さぁ、私達も乗りましょう」
ミカエルが手を差し出してくれた。
「ありがとうございます」
その温もりにティアシーアの心もポカポカになった。
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