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第25話 帰宅と放課後
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初めての授業に新たな友人、とても有意義な時間を過ごせた。
制服から私服へと着替えた後は、食事の時間まで勉強をしようっと。
ウールドールづくりは食後にしようかな。
「本日はいかがでしたか?」
リーレンの問いかけに私は間髪入れず答える。
「とても楽しかったわ。これからの学園生活がとても楽しみね」
「それはよかったです、楽しかったなら何よりですわ」
リーレンの淹れてくれたお茶をもらいつつ、今日の復習をしようと教科書を開く。
(ランディ先生の教え方上手だったなぁ)
落ち着いた声で説明も丁寧でわかりやすかった。
あんな風に誰かに教えられるのってかっこいいわ。明日の授業もワクワクしちゃう、早く学園に行きたいくらい。
「そういえばリーレンは学園に来ないの? ミオさんのように一緒に学園に通うのはどうかしら」
それを言うとリーレンは渋い顔になる。
「んー……そうですねぇ。あたしは別に通わなくてもいいかなぁって思います。ここでの仕事もありますし、お金もかかっちゃいますから」
「学費の事が心配かしら」
「それもありますけれど、皆さんよりも年上ですからね……なのでやめときます。そこまでして行きたいという気持ちもないですから」
本当にそうなのかしら、遠慮しているなどないかしら。
「もしも勉強する気があるならば、お父様にも相談しようと思っていたのだけれど……どうかしら?」
リーレンは恥ずかしそうに首を横に振る。
「実は、一番の理由は勉強が嫌いだからなんです。椅子に座り続けるのが苦手で、授業なんて受けたらきっと倒れちゃいます。あたしはこうして動き続ける方が体に合うんですよね」
「そうなのね」
なら仕方ないわね、椅子に座り続けるのって確かに大変だし。
「あ、そうだ。もし良ければお嬢様に教えてもらえますか? お嬢様からだったら聞きやすいですし」
唐突な話に思わずびくっとしてしまう。
「わ、私でわかる範囲ならいいけれど」
正直私も人に教えられるほどではないから、不安しかないわ。
(でもリーレンが勉強したいというなら、何とか教えてあげたい)
そう意気込んでいると、リーレンが提案したのは意外なものであった。
「実はあたしもお嬢様みたいにウールドールを作ってみたいんです。忙しくない時にで良いのですが、教えてもらえますか? 近くで見たりとか」
「それくらいなら大丈夫よ」
それだったら教えられそう、ホッとしたわ。
(そういえば誰かと一緒に作るのなんて、なかったわね)
作り始めの時にはお母様も一緒に作ってくれていたけれど、ある程度出来るようになってからはずっと一人だったわね。
(一緒に作るなんて、新たな発見がありそうで面白そうだわ)
その夜さっそくリーレンと共にウールドールづくりを行なった。
リーレンの仕事の都合や私も学園があるので毎日一緒に、とはいかないけれどそれでもお互いに進捗を見せながら作るのはいい刺激になったわ。
学園に通うのも、離宮で暮らす事にも段々慣れてきた。
毎日が刺激に満ち溢れていて、新しい生活はとても充実していた。
時折チェリちゃんが私のバッグやポケットに紛れていたり、ディフェクト様とイティルラ様が言い合いになる事はあるものの、平穏な日々が続いている。
その中で今度は放課後の過ごし方についての話になった。
「生徒会、ですか?」
「そうなんだ、エストレア。実はこれから放課後に生徒会活動が始まるんだけれど、とても気が重いよ」
成績優秀者として、ディフェクト様とイティルラ様に生徒会入りの打診が来たらしい。
生徒会では、生徒を代表して困り事や要望を聞いて先生と共に改善を図ったり、生徒たちの自主活動の費用調整や行事についての話などをするそうだ。
「生徒たちの学園生活を支えるなんて、素晴らしい活動ですね。花形だわ」
良い活動だと思うのだけれど、ディフェクト様は肩を落としたままだ。
「それはどうだろうなぁ……花形とは言うものの、やる事は地道な事ばかりだよ。何かあれば話を聞きに行って事実確認や調査を行なったり、先生と生徒の間に入って調整役をしたり、板挟みになる事もあるから面倒な事も多くて……まぁそのあたりは良いとしてさ」
ディフェクト様が私の手を握って項垂れる。
「一番嫌なのはエストレアと一緒に過ごす時間が減ってしまう事なんだ……けれど王族として所属は避けられないし」
上に立つ者の責務、という事だろうか。
入ってすぐにそのようなところから声が掛かるのは凄い事だけれど、私だったら気おくれしてしまってすぐに断ってしまいそうだわ。
「ディフェクト様もイティルラ様も、大変ですよね……」
二人の立場は私が思う以上に色々ありそうだわ。それがどれくらいの重圧なのか、私にはきと考えが付かないほどなんだろうな。
「断る事も出来ますけれど、お兄様もお姉様も務めてきたわけですもの。わたくし達だけ受け入れないわけにはまいりませんわ。それに生徒会に入っておけば、エストレアが学園で快適に過ごす為の制度も通しやすくなりますし、ならず者の排除がしやすいですから利点がないわけではないですのよ。エストレアと離れるのは寂しいですが」
イティルラ様が私の肩にそっともたれかかってくる。
「私の事は大丈夫ですから」
二人とも最近スキンシップが増えていたのはこういう話があったからかしら。
以前よりも距離が近づいている。
「でも離れるのは心配……そうですわ、エストレア。放課後に学園でサークル活動を行いません?」
「サークル活動……ですか?」
「えぇ、ある程度人数が集まれば学園の一室も借りれるそうですの。わたくしとディフェクト、それとレイズとミオが居ればメンバーの人数としては十分だと思いますわ」
「でも、何をすれば……」
「エストレアが良ければですが、学園内でウールドールづくりをしましょう。秋には文化祭もありますし、そこでサークル活動の品物を展示したりも出来ますわよ」
「ウールドールを学園で……」
それはとても魅力的な話だわ。
リーレンにも教えながら作っているし、展示会とか感想も直接聞けるかもしれない。思っていたけれど、誰かと話しながらするのに興味がある。
「他にもしてみたいという仲間もいるかもしれませんし、いかがかしら?」
「ぜひやってみたいです!」
ディフェクト様もイティルラ様も、まるで私事のように嬉しそうだ。
「乗り気になってくれて嬉しいですわ」
「決まりだね。じゃあ僕の方で先生に何が必要か聞いてくるね」
「あらディフェクト。わたくしが提案したのですから、わたくしが聞いてエストレアに伝えますわよ」
イティルラ様に言われて反論するかと思いきや、ディフェクト様は素直に頷いた。
「そうかい? ならそれはイティルラにお任せするよ。僕はエストレアと共にウールドールづくりに必要な物の確認をしておくね。買い出しも一緒に行こうね」
「あら、それは狡いですわよ。わたくしもエストレアと共に話し合いしたいですわ」
「おやいつも君がそう言うからね、たまには僕がこうしても良いだろう? それに先生に話を聞きに行くのも重要な事なんだから、すぐに聞いてきてよ。早くしないとエストレアと離れる時間が増えてしまうからね」
睨みあう二人の間に割って入る。
「喧嘩はしないでください。買い出しなどは皆で一緒に行きましょ、ね?」
二人を何とか宥め、今度一緒に買い物にいく約束をして何とかこの場は収まった。
間に挟まれるのも大変だわ。
制服から私服へと着替えた後は、食事の時間まで勉強をしようっと。
ウールドールづくりは食後にしようかな。
「本日はいかがでしたか?」
リーレンの問いかけに私は間髪入れず答える。
「とても楽しかったわ。これからの学園生活がとても楽しみね」
「それはよかったです、楽しかったなら何よりですわ」
リーレンの淹れてくれたお茶をもらいつつ、今日の復習をしようと教科書を開く。
(ランディ先生の教え方上手だったなぁ)
落ち着いた声で説明も丁寧でわかりやすかった。
あんな風に誰かに教えられるのってかっこいいわ。明日の授業もワクワクしちゃう、早く学園に行きたいくらい。
「そういえばリーレンは学園に来ないの? ミオさんのように一緒に学園に通うのはどうかしら」
それを言うとリーレンは渋い顔になる。
「んー……そうですねぇ。あたしは別に通わなくてもいいかなぁって思います。ここでの仕事もありますし、お金もかかっちゃいますから」
「学費の事が心配かしら」
「それもありますけれど、皆さんよりも年上ですからね……なのでやめときます。そこまでして行きたいという気持ちもないですから」
本当にそうなのかしら、遠慮しているなどないかしら。
「もしも勉強する気があるならば、お父様にも相談しようと思っていたのだけれど……どうかしら?」
リーレンは恥ずかしそうに首を横に振る。
「実は、一番の理由は勉強が嫌いだからなんです。椅子に座り続けるのが苦手で、授業なんて受けたらきっと倒れちゃいます。あたしはこうして動き続ける方が体に合うんですよね」
「そうなのね」
なら仕方ないわね、椅子に座り続けるのって確かに大変だし。
「あ、そうだ。もし良ければお嬢様に教えてもらえますか? お嬢様からだったら聞きやすいですし」
唐突な話に思わずびくっとしてしまう。
「わ、私でわかる範囲ならいいけれど」
正直私も人に教えられるほどではないから、不安しかないわ。
(でもリーレンが勉強したいというなら、何とか教えてあげたい)
そう意気込んでいると、リーレンが提案したのは意外なものであった。
「実はあたしもお嬢様みたいにウールドールを作ってみたいんです。忙しくない時にで良いのですが、教えてもらえますか? 近くで見たりとか」
「それくらいなら大丈夫よ」
それだったら教えられそう、ホッとしたわ。
(そういえば誰かと一緒に作るのなんて、なかったわね)
作り始めの時にはお母様も一緒に作ってくれていたけれど、ある程度出来るようになってからはずっと一人だったわね。
(一緒に作るなんて、新たな発見がありそうで面白そうだわ)
その夜さっそくリーレンと共にウールドールづくりを行なった。
リーレンの仕事の都合や私も学園があるので毎日一緒に、とはいかないけれどそれでもお互いに進捗を見せながら作るのはいい刺激になったわ。
学園に通うのも、離宮で暮らす事にも段々慣れてきた。
毎日が刺激に満ち溢れていて、新しい生活はとても充実していた。
時折チェリちゃんが私のバッグやポケットに紛れていたり、ディフェクト様とイティルラ様が言い合いになる事はあるものの、平穏な日々が続いている。
その中で今度は放課後の過ごし方についての話になった。
「生徒会、ですか?」
「そうなんだ、エストレア。実はこれから放課後に生徒会活動が始まるんだけれど、とても気が重いよ」
成績優秀者として、ディフェクト様とイティルラ様に生徒会入りの打診が来たらしい。
生徒会では、生徒を代表して困り事や要望を聞いて先生と共に改善を図ったり、生徒たちの自主活動の費用調整や行事についての話などをするそうだ。
「生徒たちの学園生活を支えるなんて、素晴らしい活動ですね。花形だわ」
良い活動だと思うのだけれど、ディフェクト様は肩を落としたままだ。
「それはどうだろうなぁ……花形とは言うものの、やる事は地道な事ばかりだよ。何かあれば話を聞きに行って事実確認や調査を行なったり、先生と生徒の間に入って調整役をしたり、板挟みになる事もあるから面倒な事も多くて……まぁそのあたりは良いとしてさ」
ディフェクト様が私の手を握って項垂れる。
「一番嫌なのはエストレアと一緒に過ごす時間が減ってしまう事なんだ……けれど王族として所属は避けられないし」
上に立つ者の責務、という事だろうか。
入ってすぐにそのようなところから声が掛かるのは凄い事だけれど、私だったら気おくれしてしまってすぐに断ってしまいそうだわ。
「ディフェクト様もイティルラ様も、大変ですよね……」
二人の立場は私が思う以上に色々ありそうだわ。それがどれくらいの重圧なのか、私にはきと考えが付かないほどなんだろうな。
「断る事も出来ますけれど、お兄様もお姉様も務めてきたわけですもの。わたくし達だけ受け入れないわけにはまいりませんわ。それに生徒会に入っておけば、エストレアが学園で快適に過ごす為の制度も通しやすくなりますし、ならず者の排除がしやすいですから利点がないわけではないですのよ。エストレアと離れるのは寂しいですが」
イティルラ様が私の肩にそっともたれかかってくる。
「私の事は大丈夫ですから」
二人とも最近スキンシップが増えていたのはこういう話があったからかしら。
以前よりも距離が近づいている。
「でも離れるのは心配……そうですわ、エストレア。放課後に学園でサークル活動を行いません?」
「サークル活動……ですか?」
「えぇ、ある程度人数が集まれば学園の一室も借りれるそうですの。わたくしとディフェクト、それとレイズとミオが居ればメンバーの人数としては十分だと思いますわ」
「でも、何をすれば……」
「エストレアが良ければですが、学園内でウールドールづくりをしましょう。秋には文化祭もありますし、そこでサークル活動の品物を展示したりも出来ますわよ」
「ウールドールを学園で……」
それはとても魅力的な話だわ。
リーレンにも教えながら作っているし、展示会とか感想も直接聞けるかもしれない。思っていたけれど、誰かと話しながらするのに興味がある。
「他にもしてみたいという仲間もいるかもしれませんし、いかがかしら?」
「ぜひやってみたいです!」
ディフェクト様もイティルラ様も、まるで私事のように嬉しそうだ。
「乗り気になってくれて嬉しいですわ」
「決まりだね。じゃあ僕の方で先生に何が必要か聞いてくるね」
「あらディフェクト。わたくしが提案したのですから、わたくしが聞いてエストレアに伝えますわよ」
イティルラ様に言われて反論するかと思いきや、ディフェクト様は素直に頷いた。
「そうかい? ならそれはイティルラにお任せするよ。僕はエストレアと共にウールドールづくりに必要な物の確認をしておくね。買い出しも一緒に行こうね」
「あら、それは狡いですわよ。わたくしもエストレアと共に話し合いしたいですわ」
「おやいつも君がそう言うからね、たまには僕がこうしても良いだろう? それに先生に話を聞きに行くのも重要な事なんだから、すぐに聞いてきてよ。早くしないとエストレアと離れる時間が増えてしまうからね」
睨みあう二人の間に割って入る。
「喧嘩はしないでください。買い出しなどは皆で一緒に行きましょ、ね?」
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