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第24話 学園内
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「それでは皆さん、これから三年間共に過ごすわけですが、同じ学校の仲間として、そして国の為に頑張る同志として、仲良くとまでは行かなくても自分とそして民に恥じない生き方を心がけてください」
クラス全員の自己紹介が終わり、ランディ先生が静かに話し始める。
(民に恥じない、か)
何ともスケールの大きな話に、気が引き締まる。
私が何か失態をしてしまったら、お父様やお母様などシルバーニュ領の人達、そして私を認めてくれたディフェクト様とイティルラ様にご迷惑が掛かってしまう。
そうならないように気を付けないといけないわ。
「それでは今度は学園内を案内しましょう。皆さん資料を見たと思いますので、場所の確認くらいですが」
ランディ先生の後に続いて皆で教室を出る。
「上階には上級生がいますが、普通の生活をしている分には特に行かないとは思いますので、紹介は省かせてもらいますね。なのでまずは訓練所から行こうと思います」
一度外に出て、別な棟へと向かう。まずは訓練所へと着いた。
「ここでは主に魔法の練習をします。ここの壁は特殊で魔法によるダメージを防ぐ仕掛けを施しておりますので、外ではけして使わないように」
確かになんだか壁に模様みたいなのが書いてあるわね。
(外で、なんて使用するつもりはないけれど)
そもそも魔法……苦手なのよね。
「不安な時はわたくしが教えて差し上げますから」
私のため息に気付いてか、イティルラ様が寄り添ってくれる。
「ありがとうございます、でも大丈夫です。そんなに使う事もないでしょうし」
学園で学ぶ魔法は主に魔獣や魔物と対抗するものだけれど、最低限のレベルを学べばよかったはず。
騎士や魔術師などを目指すならば別だけれど、そういう人向けの専門の学科は二年生になる時に選べるらしい。
一年生の時は基礎と適性を見るそうだ。
その後は実験室や運動場、訓練所などを見て回ってから元の棟に向かう。
一階にある食堂や職員室などの必要な設備の確認をして教室へと戻った。
「皆さん。卒業したら一人前の貴族としてこの国で活躍されると思います。ここではそのためのお手伝いをしますが、この学園での生活はその為の疑似的な社会だと考えてください。ここでの人間関係や実績、生活態度などこれからの人生に関わっていきます。気を引き締めてよい学園生活を送ってください」
その様な事を言われると気が引き締まるわね。
ここに通う事になった時点で既に社会人の様なものだ。もう子どもではないと言いたいのだろう。
「とはいえ集団生活内では予想外の事も起こりやすいもの、わからない事も多々出てくるかと思います。その場合はわからないままにせずに、いつでも聞きに来てください。優秀な皆さまであればそのままにしておくことが、いかに思わしくない事かわかりますよね。恥ずかしがらずどんどんと来てください」
先生の言葉に頷いてしまう。
(わからない事私もいっぱいあるし、自信もないから、なるべく聞きに行かせてもらおう)
とりあえず慣れる事が大事ね。三年もあるのだから、ぜひ有意義に過ごさなくては。
そうして先生の話を聞いている内に、お昼を告げるチャイムが鳴った。
「もうお昼なのね」
自己紹介や学校案内の後、少しだけ授業を行なったのだけど、あっという間に授業が終わってしまったわ。
この国の歴史から始まり、最近あったニュースや他国との情勢などの話であったが、初めて聞く話が多く、楽しくて熱中し過ぎてしまってすっかり気づかなかった。
「それではこれで授業を終わります。また午後の授業で会いましょう」
先生が教室を出て行ったあと、イティルラ様が私のところへと来てくれる。
「終わりましたね、授業はいかがでした?」
「楽しかったです、聞いたことのない事も多くて、興味深かったです」
そう言うとイティルラ様は苦笑される。
「エストレアにはこういう授業が合うようね。わたくしはちょっと、肩が凝ってしまったわ」
肩を擦りながら、イティルラ様は疲れた表情をされる。
「そうなのですね。私はまだ少し覚えきれていないので、帰ってからもう一度教科書を読もうと思います」
「ふふ、無理しないでね」
微笑むイティルラ様に不思議に思う。
「イティルラ様、なんだか楽しそうですね」
「ごめんなさい、エストレアが嬉しそうにしているからつられてつい、ね」
そんなに楽しそうにしていたかしら。
「さ、食事を食べに行きましょうか。その前に、エストレアに紹介したい人がいるの」
イティルラ様が手招きをすると二人の令嬢が側に来てくれる。
「フェリーサとミストラルよ、二人共エストレアをよろしくね」
「エストレアです、よろしくお願いします」
二人はにこにこと笑顔だ。
「フェリーサです、よろしくお願いします。イティルラ様に聞いていた通り、可愛らしい方ですね」
「ミストラルです。本当可愛いわね。これからよろしくね」
二人共気さくに挨拶をしてくれる。
「二人とは家の都合で知り合ったの。これから仲良くしてもらえたら嬉しいですわ」
とても素敵そうな二人だわ。それにイティルラ様と親しいなら、きっといいひとよね。
「よければこれから一緒にお食事はいかがかしら」
「は、はい」
ディフェクト様はどうするのかと思いきや、ディフェクト様はディフェクト様で男性の方と話をしている。
「夕食は一緒ですから、大丈夫よ。ディフェクトも将来シルバーニュ領に力を貸してくれそうな人脈を確保するなどあるから気にしないで」
「そうなのですね」
もうそう言うのが始まっているのか。
それならば寂しいとは言っていられないのかも。
ちらりと目が合うと、ディフェクト様は私に向かって微笑んでくれる。
「エストレア、また放課後ね」
私の為にそう言ってくれるのはありがたい。
「はい、また後でお待ちしてますね」
私とイティルラ様とご友人二人、そしてミオさんもついてくる。
「ミオは護衛も兼ねて側にいるつもりだけど……巻き込んでいいかしら」
「えぇもちろん、多い方が楽しいものね」
きゃいきゃいと皆で騒ぎながら、食堂へと向かう。
「クラスや学年で大体使う所は決まっているけれど、わたくし達には個室があるから」
王族専用の部屋があるらしい。
昔は他の皆と一緒に食堂を使っていたらしいけれど、むやみに近づこうとするものや、薬を盛られそうになったりとか、色々あったから個室を作ったそうだ。
「信用できる者しか入れられないようにしてもらっているわ」
食事も特別に作ってもらえるそう、凄い。
「お邪魔します……」
そうして部屋に入るとディフェクト様達もいたわ。
「あれ、どうしてここに?」
「うっかりしてたけれど、実はね……」
今までは入学しても王族は一人であったから余分な部屋はないそうだ。
双子だからとテーブルは増えたけれど、部屋は別々にならなかったらしい。
「ふふ、結局一緒ですね」
「そうだね」
ディフェクト様とお互いに顔を見合わせて笑ってしまった。
思いがけない事であるけれど、こうして一緒なのは嬉しいな。
クラス全員の自己紹介が終わり、ランディ先生が静かに話し始める。
(民に恥じない、か)
何ともスケールの大きな話に、気が引き締まる。
私が何か失態をしてしまったら、お父様やお母様などシルバーニュ領の人達、そして私を認めてくれたディフェクト様とイティルラ様にご迷惑が掛かってしまう。
そうならないように気を付けないといけないわ。
「それでは今度は学園内を案内しましょう。皆さん資料を見たと思いますので、場所の確認くらいですが」
ランディ先生の後に続いて皆で教室を出る。
「上階には上級生がいますが、普通の生活をしている分には特に行かないとは思いますので、紹介は省かせてもらいますね。なのでまずは訓練所から行こうと思います」
一度外に出て、別な棟へと向かう。まずは訓練所へと着いた。
「ここでは主に魔法の練習をします。ここの壁は特殊で魔法によるダメージを防ぐ仕掛けを施しておりますので、外ではけして使わないように」
確かになんだか壁に模様みたいなのが書いてあるわね。
(外で、なんて使用するつもりはないけれど)
そもそも魔法……苦手なのよね。
「不安な時はわたくしが教えて差し上げますから」
私のため息に気付いてか、イティルラ様が寄り添ってくれる。
「ありがとうございます、でも大丈夫です。そんなに使う事もないでしょうし」
学園で学ぶ魔法は主に魔獣や魔物と対抗するものだけれど、最低限のレベルを学べばよかったはず。
騎士や魔術師などを目指すならば別だけれど、そういう人向けの専門の学科は二年生になる時に選べるらしい。
一年生の時は基礎と適性を見るそうだ。
その後は実験室や運動場、訓練所などを見て回ってから元の棟に向かう。
一階にある食堂や職員室などの必要な設備の確認をして教室へと戻った。
「皆さん。卒業したら一人前の貴族としてこの国で活躍されると思います。ここではそのためのお手伝いをしますが、この学園での生活はその為の疑似的な社会だと考えてください。ここでの人間関係や実績、生活態度などこれからの人生に関わっていきます。気を引き締めてよい学園生活を送ってください」
その様な事を言われると気が引き締まるわね。
ここに通う事になった時点で既に社会人の様なものだ。もう子どもではないと言いたいのだろう。
「とはいえ集団生活内では予想外の事も起こりやすいもの、わからない事も多々出てくるかと思います。その場合はわからないままにせずに、いつでも聞きに来てください。優秀な皆さまであればそのままにしておくことが、いかに思わしくない事かわかりますよね。恥ずかしがらずどんどんと来てください」
先生の言葉に頷いてしまう。
(わからない事私もいっぱいあるし、自信もないから、なるべく聞きに行かせてもらおう)
とりあえず慣れる事が大事ね。三年もあるのだから、ぜひ有意義に過ごさなくては。
そうして先生の話を聞いている内に、お昼を告げるチャイムが鳴った。
「もうお昼なのね」
自己紹介や学校案内の後、少しだけ授業を行なったのだけど、あっという間に授業が終わってしまったわ。
この国の歴史から始まり、最近あったニュースや他国との情勢などの話であったが、初めて聞く話が多く、楽しくて熱中し過ぎてしまってすっかり気づかなかった。
「それではこれで授業を終わります。また午後の授業で会いましょう」
先生が教室を出て行ったあと、イティルラ様が私のところへと来てくれる。
「終わりましたね、授業はいかがでした?」
「楽しかったです、聞いたことのない事も多くて、興味深かったです」
そう言うとイティルラ様は苦笑される。
「エストレアにはこういう授業が合うようね。わたくしはちょっと、肩が凝ってしまったわ」
肩を擦りながら、イティルラ様は疲れた表情をされる。
「そうなのですね。私はまだ少し覚えきれていないので、帰ってからもう一度教科書を読もうと思います」
「ふふ、無理しないでね」
微笑むイティルラ様に不思議に思う。
「イティルラ様、なんだか楽しそうですね」
「ごめんなさい、エストレアが嬉しそうにしているからつられてつい、ね」
そんなに楽しそうにしていたかしら。
「さ、食事を食べに行きましょうか。その前に、エストレアに紹介したい人がいるの」
イティルラ様が手招きをすると二人の令嬢が側に来てくれる。
「フェリーサとミストラルよ、二人共エストレアをよろしくね」
「エストレアです、よろしくお願いします」
二人はにこにこと笑顔だ。
「フェリーサです、よろしくお願いします。イティルラ様に聞いていた通り、可愛らしい方ですね」
「ミストラルです。本当可愛いわね。これからよろしくね」
二人共気さくに挨拶をしてくれる。
「二人とは家の都合で知り合ったの。これから仲良くしてもらえたら嬉しいですわ」
とても素敵そうな二人だわ。それにイティルラ様と親しいなら、きっといいひとよね。
「よければこれから一緒にお食事はいかがかしら」
「は、はい」
ディフェクト様はどうするのかと思いきや、ディフェクト様はディフェクト様で男性の方と話をしている。
「夕食は一緒ですから、大丈夫よ。ディフェクトも将来シルバーニュ領に力を貸してくれそうな人脈を確保するなどあるから気にしないで」
「そうなのですね」
もうそう言うのが始まっているのか。
それならば寂しいとは言っていられないのかも。
ちらりと目が合うと、ディフェクト様は私に向かって微笑んでくれる。
「エストレア、また放課後ね」
私の為にそう言ってくれるのはありがたい。
「はい、また後でお待ちしてますね」
私とイティルラ様とご友人二人、そしてミオさんもついてくる。
「ミオは護衛も兼ねて側にいるつもりだけど……巻き込んでいいかしら」
「えぇもちろん、多い方が楽しいものね」
きゃいきゃいと皆で騒ぎながら、食堂へと向かう。
「クラスや学年で大体使う所は決まっているけれど、わたくし達には個室があるから」
王族専用の部屋があるらしい。
昔は他の皆と一緒に食堂を使っていたらしいけれど、むやみに近づこうとするものや、薬を盛られそうになったりとか、色々あったから個室を作ったそうだ。
「信用できる者しか入れられないようにしてもらっているわ」
食事も特別に作ってもらえるそう、凄い。
「お邪魔します……」
そうして部屋に入るとディフェクト様達もいたわ。
「あれ、どうしてここに?」
「うっかりしてたけれど、実はね……」
今までは入学しても王族は一人であったから余分な部屋はないそうだ。
双子だからとテーブルは増えたけれど、部屋は別々にならなかったらしい。
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