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1.攻略対象者との初接触
内職に勤しむ令嬢
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夕食後は唯一の私の自由時間である。部屋にこもり、何をしているのか?それは家族にも詳しく明かしていない。
これぞ内職の時間とばかりに、私は魔法道具の制作に勤しんでいた。魔法ステッキとかじゃないぞ、どこかの猫型ロボットが駆使するような便利アイテムを作っている。
小型の録音チップに魔力蓄蔵機、通信機、常時浄化機能付きのドレス(ドレス改造)、その他諸々が私の部屋に置いてある。これらを勝手に触られるのは嫌なので、このあたりの掃除だけは自分で行っている。
私の魔力は物作りに適しているらしい。どれほど複雑な代物でも、頭の中に設計図面が浮かび、簡単に制作できる。
攻撃魔法などが苦手というわけではないが、人には得意不得意があるのだ。ただ、漫画の中の悪役令嬢は、こんな使い方をしなかっただろう。何といっても、地味だから。恐らく、目立つために、派手な炎だか水魔法を無理して使っていたんだろうなぁ…。
漫画でのクリスティーヌは、自分の成功を信じて疑わなかった。だから、将来に備えるという考えもなかったのだろう。しかし、私は違う。
何かあった時に備え、こうして着々と魔法道具を作る。備えのためと作り始めたが、今では立派な趣味になっている。これ、没落しても手に職ありってことになりそうだし。
となれば、商売の知識もつけておくべきか。
ふむ、やることが沢山あって毎日が充実している。恋愛なぞしなくても、これほどワクワクできる。前世になかった魔法は、まだまだ研究する余地はあるし。
「よし、完成」
手元にあるのは、小さなイヤリングだ。ムーンストーンを核にしたもので、魔よけのようなものである。正確には、魅了魔法を打ち消す効果が込められたものだ。
私にとっては、かなり重要なグッズとなる。なるべく攻略対象者に近づきたくないのもあるが、万が一魅了魔法を使われても惚れることを防ぐ。効果のほどは試さないと分からないが、全力で注ぎ込んだ魔力に不足はないはずだ。
それに、これを常に身につけておけば、使わない魔力が自然と吸収され、効果を強める仕組みに設定しておいた。我ながら良い出来ではなかろうか。
今日も、クリスティーヌは恋愛とは真逆の道を突き進んで行く。しかし、その表情は非常に生き生きとしていた。
これぞ内職の時間とばかりに、私は魔法道具の制作に勤しんでいた。魔法ステッキとかじゃないぞ、どこかの猫型ロボットが駆使するような便利アイテムを作っている。
小型の録音チップに魔力蓄蔵機、通信機、常時浄化機能付きのドレス(ドレス改造)、その他諸々が私の部屋に置いてある。これらを勝手に触られるのは嫌なので、このあたりの掃除だけは自分で行っている。
私の魔力は物作りに適しているらしい。どれほど複雑な代物でも、頭の中に設計図面が浮かび、簡単に制作できる。
攻撃魔法などが苦手というわけではないが、人には得意不得意があるのだ。ただ、漫画の中の悪役令嬢は、こんな使い方をしなかっただろう。何といっても、地味だから。恐らく、目立つために、派手な炎だか水魔法を無理して使っていたんだろうなぁ…。
漫画でのクリスティーヌは、自分の成功を信じて疑わなかった。だから、将来に備えるという考えもなかったのだろう。しかし、私は違う。
何かあった時に備え、こうして着々と魔法道具を作る。備えのためと作り始めたが、今では立派な趣味になっている。これ、没落しても手に職ありってことになりそうだし。
となれば、商売の知識もつけておくべきか。
ふむ、やることが沢山あって毎日が充実している。恋愛なぞしなくても、これほどワクワクできる。前世になかった魔法は、まだまだ研究する余地はあるし。
「よし、完成」
手元にあるのは、小さなイヤリングだ。ムーンストーンを核にしたもので、魔よけのようなものである。正確には、魅了魔法を打ち消す効果が込められたものだ。
私にとっては、かなり重要なグッズとなる。なるべく攻略対象者に近づきたくないのもあるが、万が一魅了魔法を使われても惚れることを防ぐ。効果のほどは試さないと分からないが、全力で注ぎ込んだ魔力に不足はないはずだ。
それに、これを常に身につけておけば、使わない魔力が自然と吸収され、効果を強める仕組みに設定しておいた。我ながら良い出来ではなかろうか。
今日も、クリスティーヌは恋愛とは真逆の道を突き進んで行く。しかし、その表情は非常に生き生きとしていた。
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2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
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