シンデレラは夢を見ない

コトイアオイ

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厨房での賑やかな朝食

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 替えの食事を即座に持っていき、ゴミを見るような目でエディナに告げた。


「お待たせしました。しっかりと味わってお食べ下さい(二度と無駄にするなよ馬鹿娘)」


心の声は何とか押し留めた。えらいぞアリステラ!我慢だアリステラ!


エディナは流石に着替えていたが、それをちらっと見て、アリステラは退室する。先程ラムザには朝から騒ぎを起こした手前、一応謝ったが、エディナにまで謝りはしない。所詮、自業自得なのだから。


 厨房に戻って、メルヴィルを目にした途端、アリステラの感情は爆発した。


「メルヴィルー!」

「うおっ!?」

アリステラより少し背の高い彼に飛びつき、彼女は愚痴を零す。


 「あの、被害妄想女…!私達の血と汗と涙の産物を無駄にして…」


「分かったから離れろ!暑苦しい!」


調理場は火を使うため、どんな季節だろうと暑い。それはアリステラも分かるので、大人しく身を引いた。


かといって、手で風をあおぐのは何か失礼じゃないか。不満に頬を膨らませるアリステラに、後ろから宥めるようにポンと肩を叩くのは料理人のターナーだ。


「駄目よぅ、メルちゃんたら、女の子は丁寧に扱いなさいって言ってるじゃないの~。そんなだから、メルちゃんはいつまでたってもメルちゃんで、メルヴィルになれないのよ~」


そう、ターナーはれっきとしたオネエである。中性的な顔立ちだから、あまり違和感がないが、それは体つきを無視した話だ。その筋肉を見れば、人々は皆慄く。お前、男かよ…!と。


ターナーに批判されたメルヴィルはそれに食いつく。


「いや、待てよ。何なんだよ最後の!メルヴィルになれないも何も、俺は元々その名前だっつーの!」


「アリスちゃん、ご飯ここに置いとくわね~」


「ありがとうございます!いただきますっ」


「お前ら、人の話を聞けよ…」


げんなりしたメルヴィルを皆で笑いながら、アリステラは朝食を完食した。その頃には先程の怒りも大分薄れてきた。食事とは偉大である。
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