男装聖女と暴走天使

コトイアオイ

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6.帝国の魔の手

聖女の企み

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 この塔に再び閉じ込められて何日が経ったのだろう。私は大人しく従うふりをして、着々と力を蓄え続けていた。自分の身の内には収まりきらなくなった力は部屋に流れ出し、部屋はピリピリと力の波動を受けて小刻みに震えている。


帝国側には、今回迷惑をかけたお詫びにいつでも奉仕できるよう集中しているのだと説明した。それを聞いた白の塔の責任者は一切疑うことなく、喜んでいた。彼らは私がここに来て以来大人しいので、すっかり油断しているようだった。



そういう背景もあって、こちらはかなり順調だった。あとは、もう一つのちょっとした騒ぎだ。これに関しては、部屋もしくはその周辺でボヤ騒ぎを起こすつもりだ。紙などに強い光を当て続けると、紙が燃えることを利用して。


これだけだと不十分だが、何と一人の兵士が私の逃亡に力を貸してくれると言ってくれた。彼は私が捕まったのは自分のせいだと謝っていた。また、保護とは名ばかりの監禁は間違っていると。私としては、助力は非常にありがたいので喜んで彼の申し出を受けた。


彼の手助けを計算に入れると、まず夜ご飯を運んでくる彼の手を借りて部屋から抜け出す。その際には兵士の変装をさせてもらうつもりだ。続けてボヤ騒ぎを起こして、人の目を集める。頃合を見計らった後に、その部屋の力を一気に増幅させ、部屋自体を壊す。


仕事熱心な者ならば聖女を助けなければと思うだろう。しかし、人間いざとなれば我が身が可愛いものだ。そうした状況であれば何とか逃亡のチャンスは掴めるかもしれない。


上手くいくかは分からないし、協力者もたった一人だけだ。不安は尽きないけど、やるしかない。今のうちに、燃えやすそうなものを確保しておこう。


私はそう決意して目を閉じる。



決行は明日の夜、そこで全てが決まる。
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