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出会いの季節。
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——ピピピピ、ピピピピ、ピピッ
「…んー…」
うるさいアラーム音で目が覚めた。
起き上がってカーテンを開ける。
雲一つなく澄んだ綺麗な青空だった。
リビングに行き朝食を食べ、顔を洗って歯を磨く。
髪のセットも忘れずに。
まっさらな新しい制服に腕を通す。
「少しサイズ大きかったかな…」
まあ、3年間もあるわけだし大丈夫か。
ふと近くにあった鏡を見る。
「…ははっ、なんか違和感」
中学の時の制服と違って何だか自分が少し大人っぽく見えた。
「唯ー!そろそろ時間よー!!」
リビングから母の呼ぶ声がする。
「はーい。今行くよ」
階段を降りて母の元へ行く。
「…おお、似合ってんじゃん!!さすが私の息子!!」
髪をわしゃわしゃと撫でられる。
「ちょっと母さん!さっきセットしたばっかなんだけど!!」
「あ、ごめんごめん(笑)…でもほんとに良く似合ってるよ。」
「…ありがとう。」
なんだか照れくさいな…。
「あ、そろそろ行かないと。」
新品の綺麗な青色のスニーカーを履く。
「行ってらっしゃい。」
「行ってきます!!」
時間には余裕があるけれど何だかとてもわくわくしてしまって走って学校へ向かった。
「…ここが春ヶ丘高校か」
春ヶ丘高校は市立の男子校、通称春高。
少し古い校舎は味があって雰囲気がとても好きだ。
「よし!!」
ここから新たなるスタートだ!!
…と校門をくぐろうとした時。
「ぐあっ」
ビターン
隣にいた男子生徒が盛大にコケた。
「だ、大丈夫…??」
俺はとっさに手を差し伸べる。
彼はその手を取って立ち上がった。
「いや、あはは! 初日からやっちまったわ!!」
「怪我とかしてないか??」
「おお、全然大丈夫! サンキューな!!」
…なんていうか明るい人だな。
「俺、嘉島 那月!! 新入生!!!」
「七海 唯。俺も新入生なんだ!」
「おお、同じだ!! よろしく唯!!」
「よろしく、那月!!」
友達1人GET…かな。
周囲が少しずつざわついてきた。
「唯、クラス貼り出されたみたいだぞ!!」
「マジで!? 見に行こ!!!」
俺達は走ってクラス表を見に行った。
「うわ、人多いな。唯見えるか??」
「ぜんっぜん見えない…」
そう、なんせ俺の身長は160cm。
そして周りには俺よりはるかにでかいヤツばっかだ。
背伸びしたりジャンプしたりしてみるけど…見えない。
——すると何かにふわっと持ち上げられた。
「うわっ」
「…どうだ。これで見えるか?」
知らない声。
「あ、おれA組だ…って、そーじゃない! 降ろして!!」
「なんだ、もういいのか。」
地面に足がついた。
後ろを振り向くと背が高くてガタイのいい男子生徒が立っていた。ちなみに眼鏡もしている。
「君、A組なのか。俺もA組なんだ よろしく。」
「そ、そうなんだ。えっと…ありがとう。おかげでクラス表見れたよ。」
「礼はいらない。俺は高橋 正義。」
「おっ俺は七海 唯。よろしく!」
真面目で誠実そうな人だな。
「唯!! 俺もA組!!」
那月が嬉しそうに言った。
「おお!! やったな!!」
「君は…?」
正義が尋ねる。
「俺は嘉島 那月!! クラス一緒だな、よろしく!!」
那月が答えた。
「俺は高橋 正義。よろしくな。」
「おう!!」
その後俺達は1年A組の教室へ向かった。
とても入学初日とは思えないほど賑やかだ。
「やっぱ男子ばっかだと仲良くなるの早いよな。」
「現に俺達も初日から仲良くなったしな!!」
ガラリとドアが開き、皆の視線がそちらへ向いた。
するとさっきまで賑やかだった教室が急に静まり返った。
「…おい、あれ山崎じゃね。」
「ほんとだ。やっぱこええ」
周りがざわつき始めた。
黒髪に青のメッシュ、耳にはたくさんのピアス、初日なのに着崩した制服。それと鋭い目つき。
見るからに不良というオーラが漂っていた。
「山崎、ここの学校だったんだ」
那月が言った。
「那月、知ってんのか?」
「あれ、唯知らねーの。ここら辺じゃ有名人だぜ。」
「俺も知ってる。相当な問題児らしいな。」
「正義も知ってんのか。ふーん…」
確かに見た目は怖そうだけど…
「…チッ」
山崎は居心地が悪かったのか、舌打ちして教室を出ていった。
「やっぱ怖いな、あいつ。」
「確かに少し近寄り難いけど…そんなにヤバイやつなの??」
「俺が聞いた話だと中学の時仲の良かった友人に暴力を振るって重症を負わせたとか。」
正義が言った。
「でもそれって噂なんだろ?」
「それはそうだが…」
正義の言う噂話を聞いても俺にはどうしても山崎がそんな悪いヤツには見えなかった。
理由はわかんないけど。
「おーい、お前ら席つけー。」
30代前半くらいの男性教員が教室に入ってきた。
「今日からお前らの担任になりました。松野 浩二って言います。生徒にはまっちゃんとか呼ばれてるんで好きに呼んでくれ。」
少し気だるげだがいい先生っぽい。よかった。
「よし、じゃあ今から体育館に移動して入学式な。その後は下校。以上。」
はーいと返事をした後体育館へ移動した。
入学式はすごく長かった。
特に校長の話が…
校長ってのは長々と話をするのが好きな生き物なんだろうか。
すごく疲れた…。
入学式にやっぱり山崎はいなかった。
帰ってしまったんだろうか…
「ゆーいっ!!」
「ぐえっ」
那月が後ろから飛びついてきた。
「途中まで一緒に帰ろーぜ!!」
「おう」
「俺も一緒して構わないか。」
「もちろん! 3人で帰ろーぜ!!」
和気あいあいとたわいもない会話をしながら歩く帰り道はとても楽しかった。
これからとりあえず1年間なんとかやっていけそうだ。
明日は山崎にも話しかけてみよう。
きっと悪いヤツじゃない気がするんだ。
「…んー…」
うるさいアラーム音で目が覚めた。
起き上がってカーテンを開ける。
雲一つなく澄んだ綺麗な青空だった。
リビングに行き朝食を食べ、顔を洗って歯を磨く。
髪のセットも忘れずに。
まっさらな新しい制服に腕を通す。
「少しサイズ大きかったかな…」
まあ、3年間もあるわけだし大丈夫か。
ふと近くにあった鏡を見る。
「…ははっ、なんか違和感」
中学の時の制服と違って何だか自分が少し大人っぽく見えた。
「唯ー!そろそろ時間よー!!」
リビングから母の呼ぶ声がする。
「はーい。今行くよ」
階段を降りて母の元へ行く。
「…おお、似合ってんじゃん!!さすが私の息子!!」
髪をわしゃわしゃと撫でられる。
「ちょっと母さん!さっきセットしたばっかなんだけど!!」
「あ、ごめんごめん(笑)…でもほんとに良く似合ってるよ。」
「…ありがとう。」
なんだか照れくさいな…。
「あ、そろそろ行かないと。」
新品の綺麗な青色のスニーカーを履く。
「行ってらっしゃい。」
「行ってきます!!」
時間には余裕があるけれど何だかとてもわくわくしてしまって走って学校へ向かった。
「…ここが春ヶ丘高校か」
春ヶ丘高校は市立の男子校、通称春高。
少し古い校舎は味があって雰囲気がとても好きだ。
「よし!!」
ここから新たなるスタートだ!!
…と校門をくぐろうとした時。
「ぐあっ」
ビターン
隣にいた男子生徒が盛大にコケた。
「だ、大丈夫…??」
俺はとっさに手を差し伸べる。
彼はその手を取って立ち上がった。
「いや、あはは! 初日からやっちまったわ!!」
「怪我とかしてないか??」
「おお、全然大丈夫! サンキューな!!」
…なんていうか明るい人だな。
「俺、嘉島 那月!! 新入生!!!」
「七海 唯。俺も新入生なんだ!」
「おお、同じだ!! よろしく唯!!」
「よろしく、那月!!」
友達1人GET…かな。
周囲が少しずつざわついてきた。
「唯、クラス貼り出されたみたいだぞ!!」
「マジで!? 見に行こ!!!」
俺達は走ってクラス表を見に行った。
「うわ、人多いな。唯見えるか??」
「ぜんっぜん見えない…」
そう、なんせ俺の身長は160cm。
そして周りには俺よりはるかにでかいヤツばっかだ。
背伸びしたりジャンプしたりしてみるけど…見えない。
——すると何かにふわっと持ち上げられた。
「うわっ」
「…どうだ。これで見えるか?」
知らない声。
「あ、おれA組だ…って、そーじゃない! 降ろして!!」
「なんだ、もういいのか。」
地面に足がついた。
後ろを振り向くと背が高くてガタイのいい男子生徒が立っていた。ちなみに眼鏡もしている。
「君、A組なのか。俺もA組なんだ よろしく。」
「そ、そうなんだ。えっと…ありがとう。おかげでクラス表見れたよ。」
「礼はいらない。俺は高橋 正義。」
「おっ俺は七海 唯。よろしく!」
真面目で誠実そうな人だな。
「唯!! 俺もA組!!」
那月が嬉しそうに言った。
「おお!! やったな!!」
「君は…?」
正義が尋ねる。
「俺は嘉島 那月!! クラス一緒だな、よろしく!!」
那月が答えた。
「俺は高橋 正義。よろしくな。」
「おう!!」
その後俺達は1年A組の教室へ向かった。
とても入学初日とは思えないほど賑やかだ。
「やっぱ男子ばっかだと仲良くなるの早いよな。」
「現に俺達も初日から仲良くなったしな!!」
ガラリとドアが開き、皆の視線がそちらへ向いた。
するとさっきまで賑やかだった教室が急に静まり返った。
「…おい、あれ山崎じゃね。」
「ほんとだ。やっぱこええ」
周りがざわつき始めた。
黒髪に青のメッシュ、耳にはたくさんのピアス、初日なのに着崩した制服。それと鋭い目つき。
見るからに不良というオーラが漂っていた。
「山崎、ここの学校だったんだ」
那月が言った。
「那月、知ってんのか?」
「あれ、唯知らねーの。ここら辺じゃ有名人だぜ。」
「俺も知ってる。相当な問題児らしいな。」
「正義も知ってんのか。ふーん…」
確かに見た目は怖そうだけど…
「…チッ」
山崎は居心地が悪かったのか、舌打ちして教室を出ていった。
「やっぱ怖いな、あいつ。」
「確かに少し近寄り難いけど…そんなにヤバイやつなの??」
「俺が聞いた話だと中学の時仲の良かった友人に暴力を振るって重症を負わせたとか。」
正義が言った。
「でもそれって噂なんだろ?」
「それはそうだが…」
正義の言う噂話を聞いても俺にはどうしても山崎がそんな悪いヤツには見えなかった。
理由はわかんないけど。
「おーい、お前ら席つけー。」
30代前半くらいの男性教員が教室に入ってきた。
「今日からお前らの担任になりました。松野 浩二って言います。生徒にはまっちゃんとか呼ばれてるんで好きに呼んでくれ。」
少し気だるげだがいい先生っぽい。よかった。
「よし、じゃあ今から体育館に移動して入学式な。その後は下校。以上。」
はーいと返事をした後体育館へ移動した。
入学式はすごく長かった。
特に校長の話が…
校長ってのは長々と話をするのが好きな生き物なんだろうか。
すごく疲れた…。
入学式にやっぱり山崎はいなかった。
帰ってしまったんだろうか…
「ゆーいっ!!」
「ぐえっ」
那月が後ろから飛びついてきた。
「途中まで一緒に帰ろーぜ!!」
「おう」
「俺も一緒して構わないか。」
「もちろん! 3人で帰ろーぜ!!」
和気あいあいとたわいもない会話をしながら歩く帰り道はとても楽しかった。
これからとりあえず1年間なんとかやっていけそうだ。
明日は山崎にも話しかけてみよう。
きっと悪いヤツじゃない気がするんだ。
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