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4.カトカの事情
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僕と同じぐらいの年齢に見える女の子が4児の母親?
しばらく驚きで言葉を忘れてしまった僕だけど、
「話し、したい。いい?」
なんとかそう、口を開いた。
「はい」
女の子がそう答えてくれたので、僕も女の子と同じように床に座り込んだ。
「名前、教えて」
「カトカ」
「カトカ。僕は守隆」
「モリタカ」
「うん」
最も単純な自己紹介を終えて、次に何を言おうか考えていると。
「どうして、助けて、くれた?」
女の子が僕に聞いた。
この国の言葉になれていない僕のことを気づかってか、単語を区切ってわかりやすく言ってくれた。
「それは……」
僕は口ごもった。
日本語で言うなら、
「そうしなければいけないと思った。残酷な処刑が許せなかった。何もせずにいることなんてできなかった」
そう答えるところだけど、語彙力が足りない。
「かわいそうと思った」
僕はようやくその言葉を言った。
正確ではないけど、語彙力の範囲で一番近い答えだと思った。
「ありがとう」
女の子は穏やかな笑顔で、僕にそういった。
ドキッとした。
テレビに出るアイドルのような、とびっきりの美少女ってわけじゃない。
でも、とても身近に感じられる、心に届く笑顔だった。
「え、ええと……」
僕は照れ隠しに、何か言おうと言葉を探した。
「カトカ、何歳なの」
そう聞いてしまってから、デリカシーのない質問だったかなとも思った。
「16」
カトカはあっさりそう答えてくれた。
そうか、僕と同じぐらいの年齢だと思ってたけど、ぴったり同じ歳だったか……って。
16歳なのに子供が4人もいる?
僕は4人の子供を見た。
ぱっと見た感じ、カトカが抱いている赤ん坊が1歳未満で、寝ている二人の子供が1歳、2歳、そしてさっきから僕のことを不思議そうに見ている子が3歳というところだろうか……。
12、3歳のときから連続で子供を生んできた、ということになるのか。
「カトカの夫は?」
「いないよ?」
僕が思わず聞いてしまった質問に、カトカは何でもないことのように軽く答える。
いない。
いないというのは……。
「出かけてるの?」
「ううん。いない」
僕の理解が可笑しいのだろうか。カトカは小さく笑う。
「死んだの?」
「いないの」
ここまで「いない」という答えが帰ってくるってことは……。
聞かないでいるのが礼儀なのかも知れないと一瞬思ったけど、僕は聞かずにはいられなかった。
「カトカは、結婚は……」
そう聞くと、カトカはクスクスと笑った。
僕の理解が遅いのが可笑しかったのかも知れない。
「したことない」
カトカはそう答えた。
未婚の母……ということなんだろう。
「カトカの家族は?」
彼女の両親のことを知りたくて、僕はそう聞いた。
どうしてだろう、彼女のことをたくさん聞きたかった。
「この子たち」
カトカは、そう言って子供たちを慈しむような目で見た。
3歳ぐらいに見える子供が、カトカに甘えるように抱きついた。
カトカはその子の頭をそっと撫でる。
「カトカの、お父さん、お母さんは」
「いない」
あっさりとした答えが帰ってくる。
「それは……」
「お母さんは死んだ。お父さんはいない」
僕は言葉をなくした。
日本で平凡な高校生として過ごしてきた僕からは相当にかけ離れた現実が、ここにはあるようだった。
「カトカは、何がほしい?」
僕は聞いていた。
「?」
首をかしげるカトカ。
「欲しいもの。何?」
どうしてだろう。
僕はカトカの力になりたいと思っていた。
カトカが欲しいものがあるなら、僕に買えるものなら買ってあげたいと思った。
「服」
カトカが簡潔に答えた。
「どんな服?」
「なんでも」
特に好みはないということだろうか、と思ったとき、僕はあることに気づいた。
処刑されそうになっていた時は、処刑されるにあたって服を脱がされたのかも知れないが、家に帰ってきている今もカトカが裸でいるということは、どういうことだろう、もしかして……。
「カトカは、服、ある?」
「もうない」
カトカはどういう心情なのか、微笑みながらそう答えた。
「ない……」
「取られた。もうない」
取られた、というのがどういう事なのか具体的な事情は分からないけど、16歳の女の子が、着る服がないなんてことは許されない。
僕はそう思った。
僕は服を脱ぎ、上半身裸になった。
「これでもいい?」
僕は自分が来ていた服を差し出した。
カトカの表情にまず驚きが、次に喜びがあふれた。
とても嬉しそうな顔。
「服!」
カトカは抱いていた赤ん坊を3歳ぐらいの子供に預け、服を受け取り、袖を通した。
そして立ち上がり、その場で一回転したりして、服の感触を確かめているようだった。
僕はどういうわけか、そのカトカを見て、ドキッとしていた。
さっきまで彼女の全裸を見ていたのに、服を着たらドキッとするなんて、自分でもどういうことかよく分からない。裸の上に下着をつけないでシャツ上の衣服だけというのがかえってセクシーに感じられたのだろうか。
「服! この服、くれるの?」
カトカが僕に聞いた。
「うん、カトカ、喜ぶ、僕、うれしい」
僕の答えに、カトカはすこし何かを考えるような表情になった。
「どうして?」
カトカはまっすぐにそう聞いてきた。
「え……」
「どうして、カトカ喜ぶ、モリタカ嬉しい?」
「それは……」
僕はこのときになって初めて意識した。
僕のカトカに対する思いは、ただの同情とかではなかった。
いつの時点からか、僕はカトカのことが好きになってたんだ。
僕は、僕の恋を自覚した。
「……僕は、カトカが好き」
うつむき気味になっちゃったけど、思い切って、勇気を振り絞って、そう言った。
きっと喜んでくれるだろうと思ってそう言った。
ドキドキしながらカトカの表情を伺うと。
どうしてだろう。
カトカは少し困ったような顔だった。
失望しているようにも思えた。
どうしてだろう?
しばらく驚きで言葉を忘れてしまった僕だけど、
「話し、したい。いい?」
なんとかそう、口を開いた。
「はい」
女の子がそう答えてくれたので、僕も女の子と同じように床に座り込んだ。
「名前、教えて」
「カトカ」
「カトカ。僕は守隆」
「モリタカ」
「うん」
最も単純な自己紹介を終えて、次に何を言おうか考えていると。
「どうして、助けて、くれた?」
女の子が僕に聞いた。
この国の言葉になれていない僕のことを気づかってか、単語を区切ってわかりやすく言ってくれた。
「それは……」
僕は口ごもった。
日本語で言うなら、
「そうしなければいけないと思った。残酷な処刑が許せなかった。何もせずにいることなんてできなかった」
そう答えるところだけど、語彙力が足りない。
「かわいそうと思った」
僕はようやくその言葉を言った。
正確ではないけど、語彙力の範囲で一番近い答えだと思った。
「ありがとう」
女の子は穏やかな笑顔で、僕にそういった。
ドキッとした。
テレビに出るアイドルのような、とびっきりの美少女ってわけじゃない。
でも、とても身近に感じられる、心に届く笑顔だった。
「え、ええと……」
僕は照れ隠しに、何か言おうと言葉を探した。
「カトカ、何歳なの」
そう聞いてしまってから、デリカシーのない質問だったかなとも思った。
「16」
カトカはあっさりそう答えてくれた。
そうか、僕と同じぐらいの年齢だと思ってたけど、ぴったり同じ歳だったか……って。
16歳なのに子供が4人もいる?
僕は4人の子供を見た。
ぱっと見た感じ、カトカが抱いている赤ん坊が1歳未満で、寝ている二人の子供が1歳、2歳、そしてさっきから僕のことを不思議そうに見ている子が3歳というところだろうか……。
12、3歳のときから連続で子供を生んできた、ということになるのか。
「カトカの夫は?」
「いないよ?」
僕が思わず聞いてしまった質問に、カトカは何でもないことのように軽く答える。
いない。
いないというのは……。
「出かけてるの?」
「ううん。いない」
僕の理解が可笑しいのだろうか。カトカは小さく笑う。
「死んだの?」
「いないの」
ここまで「いない」という答えが帰ってくるってことは……。
聞かないでいるのが礼儀なのかも知れないと一瞬思ったけど、僕は聞かずにはいられなかった。
「カトカは、結婚は……」
そう聞くと、カトカはクスクスと笑った。
僕の理解が遅いのが可笑しかったのかも知れない。
「したことない」
カトカはそう答えた。
未婚の母……ということなんだろう。
「カトカの家族は?」
彼女の両親のことを知りたくて、僕はそう聞いた。
どうしてだろう、彼女のことをたくさん聞きたかった。
「この子たち」
カトカは、そう言って子供たちを慈しむような目で見た。
3歳ぐらいに見える子供が、カトカに甘えるように抱きついた。
カトカはその子の頭をそっと撫でる。
「カトカの、お父さん、お母さんは」
「いない」
あっさりとした答えが帰ってくる。
「それは……」
「お母さんは死んだ。お父さんはいない」
僕は言葉をなくした。
日本で平凡な高校生として過ごしてきた僕からは相当にかけ離れた現実が、ここにはあるようだった。
「カトカは、何がほしい?」
僕は聞いていた。
「?」
首をかしげるカトカ。
「欲しいもの。何?」
どうしてだろう。
僕はカトカの力になりたいと思っていた。
カトカが欲しいものがあるなら、僕に買えるものなら買ってあげたいと思った。
「服」
カトカが簡潔に答えた。
「どんな服?」
「なんでも」
特に好みはないということだろうか、と思ったとき、僕はあることに気づいた。
処刑されそうになっていた時は、処刑されるにあたって服を脱がされたのかも知れないが、家に帰ってきている今もカトカが裸でいるということは、どういうことだろう、もしかして……。
「カトカは、服、ある?」
「もうない」
カトカはどういう心情なのか、微笑みながらそう答えた。
「ない……」
「取られた。もうない」
取られた、というのがどういう事なのか具体的な事情は分からないけど、16歳の女の子が、着る服がないなんてことは許されない。
僕はそう思った。
僕は服を脱ぎ、上半身裸になった。
「これでもいい?」
僕は自分が来ていた服を差し出した。
カトカの表情にまず驚きが、次に喜びがあふれた。
とても嬉しそうな顔。
「服!」
カトカは抱いていた赤ん坊を3歳ぐらいの子供に預け、服を受け取り、袖を通した。
そして立ち上がり、その場で一回転したりして、服の感触を確かめているようだった。
僕はどういうわけか、そのカトカを見て、ドキッとしていた。
さっきまで彼女の全裸を見ていたのに、服を着たらドキッとするなんて、自分でもどういうことかよく分からない。裸の上に下着をつけないでシャツ上の衣服だけというのがかえってセクシーに感じられたのだろうか。
「服! この服、くれるの?」
カトカが僕に聞いた。
「うん、カトカ、喜ぶ、僕、うれしい」
僕の答えに、カトカはすこし何かを考えるような表情になった。
「どうして?」
カトカはまっすぐにそう聞いてきた。
「え……」
「どうして、カトカ喜ぶ、モリタカ嬉しい?」
「それは……」
僕はこのときになって初めて意識した。
僕のカトカに対する思いは、ただの同情とかではなかった。
いつの時点からか、僕はカトカのことが好きになってたんだ。
僕は、僕の恋を自覚した。
「……僕は、カトカが好き」
うつむき気味になっちゃったけど、思い切って、勇気を振り絞って、そう言った。
きっと喜んでくれるだろうと思ってそう言った。
ドキドキしながらカトカの表情を伺うと。
どうしてだろう。
カトカは少し困ったような顔だった。
失望しているようにも思えた。
どうしてだろう?
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