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6.ノアの決意
しおりを挟む先日、舞加の幼馴染という女が来た。
舞加と違い、見た目は少々派手な女だったが、中身は良い女のようだ。
舞加のことをとても思いやっているのがわかった。
舞加の方も、あの女のことが好きなのがわかったからな。
あの舞加が好きになる女だ。良い女に決まっている。
最初はどんな奴なのかわからず少し距離をとっていたが、
良い奴だとわかったので、吾輩を撫でさせてやった。
吾輩の毛並みの素晴らしさに気づいた点を見ても、良い奴だろう。
この毛並みを整えた、舞加を褒めるがいいぞ!
舞加とこの女の話を舞加の傍で聞いてみた。
その内容を繋げて考えてみると、
舞加が時々悲しそうな、痛みを耐えるような顔をする原因は、
舞加の親と姉の存在のようだ。
今まで会ったことはないのだから、別の場所に住んでいるのだろう。
詳しくはよくわからなかったが、舞加の親は舞加の良さを理解しない奴らで、
舞加の姉は性悪らしい。
なんてことだ。
舞加はそいつらからいじめられていたのではないのか?
その時のことを、時々思い出してあの表情をしていたのではないのか?
舞加のすばらしさを理解できないなど、おろかなことだ。
こんなに他のものに優しく、愛情豊かな存在などなかなかいないのだぞ!?
あのブラッシング技術も滅多にお目にかかれないというのに。
ふむ。
舞加には、舞加を認めてくれる存在が必要なのだろう。
吾輩やあの女もいるが……ここは同じ人間の男もいた方が良いのではないだろうか。
確か人間は1人の相手と結婚というものをして一緒に住むらしい。
一緒に住む男がいれば、舞加ももっと安心できるであろう。
となれば、舞加に似合いの男を見繕わなければ。
どんな男が良いか……
人間の男の良さはどういったものなのかわからないが、舞加には穏やかな男が良いような気がする。吾輩も騒がしいのは嫌いだしな。
それに吾輩を邪険にしない奴でなければならないから、ネコ好きの奴だな。
吾輩の撫で方も重要だ。
近所を散歩している時に会っている奴で誰かいないだろうか。
そいつの家の庭に行くといつも撫でてくれる男は、撫で方は良いがやや力が弱いし、年も舞加より年上すぎるからダメだろう。公園でよく会う男は、撫で方が雑で力加減も下手で、年も舞加より年下すぎるからダメだな。魚屋の前で会う男は、撫で方はやや雑だが、力加減はできている。年は舞加よりやや年上という感じだが、声がうるさいのが気になる。家でもあの声の大きさだと……舞加が疲れてしまうからダメか。吾輩も嫌だな。
うーん、他の男、他の男……
あ、時々道端で会う男はどうだろう?力加減は良いし、年も舞加に近いような気がする。声も普通の大きさだし、雰囲気も悪くないし、何より撫で方が良い。
うむ。あの男なら良いかもしれん。
時期を見て、舞加をあやつと会わせてみようか。
実際会って見なければ、相性がわからないからな。
吾輩の大切なご主人。
舞加がもっと笑顔でいられるように、吾輩がんばるぞ。
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