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第3話 姉の思惑
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翌朝......。
義妹の深雪が私を起しにきた、いや私の部屋を訪ねてきたと言う方が正解なのかもしれない。
深雪も女の子だから、昨日の私の表情から感じる得るものがあったのだろう。
そう、深雪も隆の事が好きなのだから。
そうでなければ、隆が行く予定の偏差値の高い高校を選んでまで、受験勉強を必死になってする必要はないのだから。
隆は、隆で部活が忙しいと言いながらも学業の方は疎かにはしていない。
学年で上位5位以内の成績を常に収めているからだ、幾らスポーツが優秀でも学業もそうでなければ進学校の特待生には選ばれないのだから。
さて、私を訪ねてきた...可愛い義妹の深雪をどうやって私の思惑に乗せることが出来るだろうか。
先ず確認して置かなければいけない事は、隆に対する深雪の気持の度合だろう。
「如何したの、深雪。 起しに来るなんて珍しいじゃない」
「ん~、小百合お姉さんの足の痛みは取れたかなと思って...それと、びっこだとダイニングまで来るのが大変でしょう、だからお手伝いが必要かなと」
「もう今朝、起きた時には大分痛みも引いていたから大丈夫よ。 心配させてごめんなさいね深雪」
そう無難に答えた私だが、深雪の表情を見ている限り胸に何かを秘めている感じだ。
そこで、私はこう切り出してみた。
「深雪、入学試験は何とかなりそう」
「昨夜、隆に勉強を手伝ってもらったから大分自信が付いたよ」
「そう、良かったわね」
なら、少し核心の部分を聞いてみようかな。
「でも、如何してそこまで勉強して隆の行く進学校を選んだのかしら」
「え~と、それは...」
言い淀む、深雪の表情を確認した私は...
「深雪。 あなた隆の事が好きだから離れたくないんでしょう」
(・・・・・・・・)
沈黙は肯定と言う事だろう。
私たち姉弟と義妹の深雪の関係は特殊だ。
私と隆は実の姉弟だが、義妹の深雪は...私達の母親の妹の娘だからだ。
私を慕っていた深雪は、5歳の頃...私達の家に二泊三日で泊まりに来ていた。
しかし、三日目の夕方頃に深雪の両親が深雪を迎えに来る予定だったのだが、その途中の高速道路で渋滞の中、後ろから来た大型バスが起こした追突事故に巻き込まれて亡くなってしまったのだった。
事故から三ヶ月後...。
諸々の処理が終わり、深雪をどうするか親戚一同で話し合いが持たれた。
私の母親は自分の妹の娘であり、私と仲が良かったので引き取りたいという事で親戚一同を納得させて、私達の義妹として育てることにした。
あれから、十年...。
深雪は小学校の入学から、中学三年になるまでずっと隆と一緒に過ごしてきた。
学校の行きも帰りも一緒だ。
途中は、私も一緒なのだが三学年も離れているせいで、私よりも深雪の方が隆と居る時間が長いのだ。
その状況に、私は苛立ちを覚えた時期があった。
そう、その時の私は...、
その苛立ちによって、自分が隆の事を好きになっていたんだなと、自覚した時期でもあった。
深雪に取られたくない、そんな気持ちが...
昨日の展望台での行動を起こす要因になっていたかも知れない。
でも、深雪の頑張りも見ているから、同志にするのも有りかも知れないと、昨夜は早目にベッドに入り策を練っていたのだ。
さぁ~て、どうやって...
「深雪、あなた私に何か聞きたいんじゃ無いの、そういう表情をしているわよ」
「えっ、私は何も...」
「そう、なら良いわ。 でも、本当にその答えで良いのかしら」
思案顔の深雪を見て、私は一つ爆弾を落として見る事にした。
「昨日、展望台で会った時の私の表情が気になっているんでしょう」
(・・・・・・・・)
なんて言って良いのか分からない、という顔を見せる深雪。
そんな葛藤を続ける深雪に近付くと、私は深雪の耳元で囁いた。
(・・・・・・・・)
私の言葉を聞いた深雪は驚愕の表情を浮かべて、私を見つめていた。
「そんな...」
そして、深雪は言葉に詰まり、目には涙を浮かべて始めていた。
その光景に深雪の隆に対する愛情の深さを、私は計り知ることが出来たのだった。
そこで私は、未だに思考の海に沈んでいる深雪に近付くと...
(・・・・・・・・)
私の思惑を話したのだった。
その私の話を聞いた時の深雪の表情には、驚きも含んでいたが何か期待を寄せる感じでもあった。
この時、私は...私の思惑が上手くいくと確信したのだった。
義妹の深雪が私を起しにきた、いや私の部屋を訪ねてきたと言う方が正解なのかもしれない。
深雪も女の子だから、昨日の私の表情から感じる得るものがあったのだろう。
そう、深雪も隆の事が好きなのだから。
そうでなければ、隆が行く予定の偏差値の高い高校を選んでまで、受験勉強を必死になってする必要はないのだから。
隆は、隆で部活が忙しいと言いながらも学業の方は疎かにはしていない。
学年で上位5位以内の成績を常に収めているからだ、幾らスポーツが優秀でも学業もそうでなければ進学校の特待生には選ばれないのだから。
さて、私を訪ねてきた...可愛い義妹の深雪をどうやって私の思惑に乗せることが出来るだろうか。
先ず確認して置かなければいけない事は、隆に対する深雪の気持の度合だろう。
「如何したの、深雪。 起しに来るなんて珍しいじゃない」
「ん~、小百合お姉さんの足の痛みは取れたかなと思って...それと、びっこだとダイニングまで来るのが大変でしょう、だからお手伝いが必要かなと」
「もう今朝、起きた時には大分痛みも引いていたから大丈夫よ。 心配させてごめんなさいね深雪」
そう無難に答えた私だが、深雪の表情を見ている限り胸に何かを秘めている感じだ。
そこで、私はこう切り出してみた。
「深雪、入学試験は何とかなりそう」
「昨夜、隆に勉強を手伝ってもらったから大分自信が付いたよ」
「そう、良かったわね」
なら、少し核心の部分を聞いてみようかな。
「でも、如何してそこまで勉強して隆の行く進学校を選んだのかしら」
「え~と、それは...」
言い淀む、深雪の表情を確認した私は...
「深雪。 あなた隆の事が好きだから離れたくないんでしょう」
(・・・・・・・・)
沈黙は肯定と言う事だろう。
私たち姉弟と義妹の深雪の関係は特殊だ。
私と隆は実の姉弟だが、義妹の深雪は...私達の母親の妹の娘だからだ。
私を慕っていた深雪は、5歳の頃...私達の家に二泊三日で泊まりに来ていた。
しかし、三日目の夕方頃に深雪の両親が深雪を迎えに来る予定だったのだが、その途中の高速道路で渋滞の中、後ろから来た大型バスが起こした追突事故に巻き込まれて亡くなってしまったのだった。
事故から三ヶ月後...。
諸々の処理が終わり、深雪をどうするか親戚一同で話し合いが持たれた。
私の母親は自分の妹の娘であり、私と仲が良かったので引き取りたいという事で親戚一同を納得させて、私達の義妹として育てることにした。
あれから、十年...。
深雪は小学校の入学から、中学三年になるまでずっと隆と一緒に過ごしてきた。
学校の行きも帰りも一緒だ。
途中は、私も一緒なのだが三学年も離れているせいで、私よりも深雪の方が隆と居る時間が長いのだ。
その状況に、私は苛立ちを覚えた時期があった。
そう、その時の私は...、
その苛立ちによって、自分が隆の事を好きになっていたんだなと、自覚した時期でもあった。
深雪に取られたくない、そんな気持ちが...
昨日の展望台での行動を起こす要因になっていたかも知れない。
でも、深雪の頑張りも見ているから、同志にするのも有りかも知れないと、昨夜は早目にベッドに入り策を練っていたのだ。
さぁ~て、どうやって...
「深雪、あなた私に何か聞きたいんじゃ無いの、そういう表情をしているわよ」
「えっ、私は何も...」
「そう、なら良いわ。 でも、本当にその答えで良いのかしら」
思案顔の深雪を見て、私は一つ爆弾を落として見る事にした。
「昨日、展望台で会った時の私の表情が気になっているんでしょう」
(・・・・・・・・)
なんて言って良いのか分からない、という顔を見せる深雪。
そんな葛藤を続ける深雪に近付くと、私は深雪の耳元で囁いた。
(・・・・・・・・)
私の言葉を聞いた深雪は驚愕の表情を浮かべて、私を見つめていた。
「そんな...」
そして、深雪は言葉に詰まり、目には涙を浮かべて始めていた。
その光景に深雪の隆に対する愛情の深さを、私は計り知ることが出来たのだった。
そこで私は、未だに思考の海に沈んでいる深雪に近付くと...
(・・・・・・・・)
私の思惑を話したのだった。
その私の話を聞いた時の深雪の表情には、驚きも含んでいたが何か期待を寄せる感じでもあった。
この時、私は...私の思惑が上手くいくと確信したのだった。
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