3 / 10
第3話 姉の思惑
しおりを挟む
翌朝......。
義妹の深雪が私を起しにきた、いや私の部屋を訪ねてきたと言う方が正解なのかもしれない。
深雪も女の子だから、昨日の私の表情から感じる得るものがあったのだろう。
そう、深雪も隆の事が好きなのだから。
そうでなければ、隆が行く予定の偏差値の高い高校を選んでまで、受験勉強を必死になってする必要はないのだから。
隆は、隆で部活が忙しいと言いながらも学業の方は疎かにはしていない。
学年で上位5位以内の成績を常に収めているからだ、幾らスポーツが優秀でも学業もそうでなければ進学校の特待生には選ばれないのだから。
さて、私を訪ねてきた...可愛い義妹の深雪をどうやって私の思惑に乗せることが出来るだろうか。
先ず確認して置かなければいけない事は、隆に対する深雪の気持の度合だろう。
「如何したの、深雪。 起しに来るなんて珍しいじゃない」
「ん~、小百合お姉さんの足の痛みは取れたかなと思って...それと、びっこだとダイニングまで来るのが大変でしょう、だからお手伝いが必要かなと」
「もう今朝、起きた時には大分痛みも引いていたから大丈夫よ。 心配させてごめんなさいね深雪」
そう無難に答えた私だが、深雪の表情を見ている限り胸に何かを秘めている感じだ。
そこで、私はこう切り出してみた。
「深雪、入学試験は何とかなりそう」
「昨夜、隆に勉強を手伝ってもらったから大分自信が付いたよ」
「そう、良かったわね」
なら、少し核心の部分を聞いてみようかな。
「でも、如何してそこまで勉強して隆の行く進学校を選んだのかしら」
「え~と、それは...」
言い淀む、深雪の表情を確認した私は...
「深雪。 あなた隆の事が好きだから離れたくないんでしょう」
(・・・・・・・・)
沈黙は肯定と言う事だろう。
私たち姉弟と義妹の深雪の関係は特殊だ。
私と隆は実の姉弟だが、義妹の深雪は...私達の母親の妹の娘だからだ。
私を慕っていた深雪は、5歳の頃...私達の家に二泊三日で泊まりに来ていた。
しかし、三日目の夕方頃に深雪の両親が深雪を迎えに来る予定だったのだが、その途中の高速道路で渋滞の中、後ろから来た大型バスが起こした追突事故に巻き込まれて亡くなってしまったのだった。
事故から三ヶ月後...。
諸々の処理が終わり、深雪をどうするか親戚一同で話し合いが持たれた。
私の母親は自分の妹の娘であり、私と仲が良かったので引き取りたいという事で親戚一同を納得させて、私達の義妹として育てることにした。
あれから、十年...。
深雪は小学校の入学から、中学三年になるまでずっと隆と一緒に過ごしてきた。
学校の行きも帰りも一緒だ。
途中は、私も一緒なのだが三学年も離れているせいで、私よりも深雪の方が隆と居る時間が長いのだ。
その状況に、私は苛立ちを覚えた時期があった。
そう、その時の私は...、
その苛立ちによって、自分が隆の事を好きになっていたんだなと、自覚した時期でもあった。
深雪に取られたくない、そんな気持ちが...
昨日の展望台での行動を起こす要因になっていたかも知れない。
でも、深雪の頑張りも見ているから、同志にするのも有りかも知れないと、昨夜は早目にベッドに入り策を練っていたのだ。
さぁ~て、どうやって...
「深雪、あなた私に何か聞きたいんじゃ無いの、そういう表情をしているわよ」
「えっ、私は何も...」
「そう、なら良いわ。 でも、本当にその答えで良いのかしら」
思案顔の深雪を見て、私は一つ爆弾を落として見る事にした。
「昨日、展望台で会った時の私の表情が気になっているんでしょう」
(・・・・・・・・)
なんて言って良いのか分からない、という顔を見せる深雪。
そんな葛藤を続ける深雪に近付くと、私は深雪の耳元で囁いた。
(・・・・・・・・)
私の言葉を聞いた深雪は驚愕の表情を浮かべて、私を見つめていた。
「そんな...」
そして、深雪は言葉に詰まり、目には涙を浮かべて始めていた。
その光景に深雪の隆に対する愛情の深さを、私は計り知ることが出来たのだった。
そこで私は、未だに思考の海に沈んでいる深雪に近付くと...
(・・・・・・・・)
私の思惑を話したのだった。
その私の話を聞いた時の深雪の表情には、驚きも含んでいたが何か期待を寄せる感じでもあった。
この時、私は...私の思惑が上手くいくと確信したのだった。
義妹の深雪が私を起しにきた、いや私の部屋を訪ねてきたと言う方が正解なのかもしれない。
深雪も女の子だから、昨日の私の表情から感じる得るものがあったのだろう。
そう、深雪も隆の事が好きなのだから。
そうでなければ、隆が行く予定の偏差値の高い高校を選んでまで、受験勉強を必死になってする必要はないのだから。
隆は、隆で部活が忙しいと言いながらも学業の方は疎かにはしていない。
学年で上位5位以内の成績を常に収めているからだ、幾らスポーツが優秀でも学業もそうでなければ進学校の特待生には選ばれないのだから。
さて、私を訪ねてきた...可愛い義妹の深雪をどうやって私の思惑に乗せることが出来るだろうか。
先ず確認して置かなければいけない事は、隆に対する深雪の気持の度合だろう。
「如何したの、深雪。 起しに来るなんて珍しいじゃない」
「ん~、小百合お姉さんの足の痛みは取れたかなと思って...それと、びっこだとダイニングまで来るのが大変でしょう、だからお手伝いが必要かなと」
「もう今朝、起きた時には大分痛みも引いていたから大丈夫よ。 心配させてごめんなさいね深雪」
そう無難に答えた私だが、深雪の表情を見ている限り胸に何かを秘めている感じだ。
そこで、私はこう切り出してみた。
「深雪、入学試験は何とかなりそう」
「昨夜、隆に勉強を手伝ってもらったから大分自信が付いたよ」
「そう、良かったわね」
なら、少し核心の部分を聞いてみようかな。
「でも、如何してそこまで勉強して隆の行く進学校を選んだのかしら」
「え~と、それは...」
言い淀む、深雪の表情を確認した私は...
「深雪。 あなた隆の事が好きだから離れたくないんでしょう」
(・・・・・・・・)
沈黙は肯定と言う事だろう。
私たち姉弟と義妹の深雪の関係は特殊だ。
私と隆は実の姉弟だが、義妹の深雪は...私達の母親の妹の娘だからだ。
私を慕っていた深雪は、5歳の頃...私達の家に二泊三日で泊まりに来ていた。
しかし、三日目の夕方頃に深雪の両親が深雪を迎えに来る予定だったのだが、その途中の高速道路で渋滞の中、後ろから来た大型バスが起こした追突事故に巻き込まれて亡くなってしまったのだった。
事故から三ヶ月後...。
諸々の処理が終わり、深雪をどうするか親戚一同で話し合いが持たれた。
私の母親は自分の妹の娘であり、私と仲が良かったので引き取りたいという事で親戚一同を納得させて、私達の義妹として育てることにした。
あれから、十年...。
深雪は小学校の入学から、中学三年になるまでずっと隆と一緒に過ごしてきた。
学校の行きも帰りも一緒だ。
途中は、私も一緒なのだが三学年も離れているせいで、私よりも深雪の方が隆と居る時間が長いのだ。
その状況に、私は苛立ちを覚えた時期があった。
そう、その時の私は...、
その苛立ちによって、自分が隆の事を好きになっていたんだなと、自覚した時期でもあった。
深雪に取られたくない、そんな気持ちが...
昨日の展望台での行動を起こす要因になっていたかも知れない。
でも、深雪の頑張りも見ているから、同志にするのも有りかも知れないと、昨夜は早目にベッドに入り策を練っていたのだ。
さぁ~て、どうやって...
「深雪、あなた私に何か聞きたいんじゃ無いの、そういう表情をしているわよ」
「えっ、私は何も...」
「そう、なら良いわ。 でも、本当にその答えで良いのかしら」
思案顔の深雪を見て、私は一つ爆弾を落として見る事にした。
「昨日、展望台で会った時の私の表情が気になっているんでしょう」
(・・・・・・・・)
なんて言って良いのか分からない、という顔を見せる深雪。
そんな葛藤を続ける深雪に近付くと、私は深雪の耳元で囁いた。
(・・・・・・・・)
私の言葉を聞いた深雪は驚愕の表情を浮かべて、私を見つめていた。
「そんな...」
そして、深雪は言葉に詰まり、目には涙を浮かべて始めていた。
その光景に深雪の隆に対する愛情の深さを、私は計り知ることが出来たのだった。
そこで私は、未だに思考の海に沈んでいる深雪に近付くと...
(・・・・・・・・)
私の思惑を話したのだった。
その私の話を聞いた時の深雪の表情には、驚きも含んでいたが何か期待を寄せる感じでもあった。
この時、私は...私の思惑が上手くいくと確信したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる