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第1章 プロローグ
⑤
しおりを挟む悠理の面談はものの10分ほどで終わっただろうに
俺の面談は40分以上かかってしまった。
(生活態度は、問題ないと思うんだけどなー)
三者面談には母親が来ていた。
ノンストップ、息子への愚痴ワンマンショーだ。
耳が痛いし、先生も途中から呆れている。
「おかん、そろそろ終えないと次の人たちが…」
「そうなの??先生お時間ちょうだいしてすみませんでした」
「いえいえ。とんでもございません」
真司が最後なのは先生も知っているが
担任がやっと解放されると思ったのか、安堵の表情をしている。
(貸し1、だからな。先生。)
俺は先生を見て顔で訴える。
先生はため息をついていた。
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「やっぱり、おかんのワンマンショーだったわ。なげーのな。」
「真司のお母さんらしい」
隣で笑う彼女に癒されている自分。
最近様子がおかしいと思うことが多かったが
この帰り道では通常運転のようだ。
(気のせいだったのかな…)
他愛もない道を、好きな人と歩く。
それが俺の日常ーーー……
「私、真司に何かあっても必ず守るから…だからずっと、ずっと……!」
急に隣にいた彼女が俺の前に立ち、そう言った。
(もしかして予知夢のことか…?俺に何かあるのだろうか…)
予知夢の話を聞いたら、どうなるのだろう。
少しでも未来が変わるのか。
好転する、、のか??
わからない。
それに俺自身に何かが起こるとして、こんなにも悠理が必死になることが今までにあっただろうか。。。
(もしかして俺が....死んだりとか…??)
「ふっ。なーんてな…俺には、天才悠理様がついてるもんな。期待してるよ、悠理」
わざとらしく悠理の肩を叩きつつ、目の前にいる悠理を追い越す形で歩いていく…
「うん。絶対にあんな未来にはさせない」
悠理は小声で呟いた。
だが、その両手の手のひらは硬く握られ
彼女の決意を示すものとなった。
真司には聞こえていない。
もう、召喚されるタイミングは明日へと迫っていたーーーー
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