俺と幼馴染だけ、異世界の別の場所に転移したそうです

ふじ

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第2章 俺と幼馴染と異世界

4.

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朝も森の中だからか冷える。
寝袋から出たくない。

焚いていた火はいつの間にか消えていた。

悠理はまだ寝ているようだ。

昨日の夜は悠理がテキパキと動いていたので
朝は俺が準備しようと思う。
無理矢理にでも体を起こす。

残っていた枝木をかき集めてもう一度火をつける。
悠理のようにテキパキとはいかないが、なんとか火がついた。

朝ごはんは、悠理の四次元ポケットから適当に取り出した。
食パンが掴めた。
バターやジャムなんてもんは流石になかったが
この森は空気がいいのもあって、パンだけでも美味しく食べれそうだ。

火傷しそうになりながらもパンを焼いてみる。

「男飯って感じだね」

悠理が起きてきた。

「まぁ、男だしな。よく眠れたか?」

「お陰様で、真司と隣同士で寝るなんて小さい頃以来だよね」

悠理も昨日の俺と同じことを思っていたようだ。
それだけで、なんとなく嬉しくなった。

「昨日のレトルトのカレー残しておいたんだ。
これをつけて食べようよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

朝ごはんを済ませて、片付けを終えた頃、、
悠理の方から話を切りだした。

「さて本題を話そうか。
にしても、さすがにこのまま動かないのはまずいから
移動しながらでもいい?」

「構わないが、これからどっちの方向に向かうんだ?
地図もコンパスもないのに、、、」

「地図ならある、女神から借りた。
コンパスは四次元ポケットに入ってる」

お前、女神から色々貰いすぎのような気がするんだけど、、、
後で女神から返せと言われも返せるのか??

早速地図を取り出した。
その時まで気づかなかったが、文字がわかるのだ。
悠理いわく、これも女神様の恩恵らしい。
ありがとうございます。女神様。

「私たちはオウガマヤ国を目指す。
ここには女神から加護を貰った姫さまがいるらしい。
その姫様にあって、加護を貰い受ける。
そして冒険者登録をする」

聞くだけなら容易く聞こえるなー。不思議だなー。

「そんな簡単に姫様に会えるのか?
それに冒険者になるのにその加護は必須なのか?」

「オウガマヤ国は、定期的に国王達が街を凱旋するらしい。
そのタイミングを狙う。加護は必須ではないけど、、、」

悠理は予知夢の中で真司が死ぬ未来を見ている。
リービッヒ国に召喚されていない段階で
最悪の未来は避けられたような気はしているが
それでも完全に排除できたわけではない。
せっかく女神からもらった知識だ。
加護は貰っておいて損はないと思う、と考えている。

悠理が考え込んでしまった。

「まぁ、いいや。とりあえずその国に行くんだろ?」

「うん。よし、出発の準備をしよう」


正直、面と向かって話されると
覚悟を決めたとはいえ心臓に悪いと思っていたから
悠理が初めに歩きながらと言ってくれたのは助かった。
きっと悠理も歩きながらの方がいいと思ったのだろう。

(そういえば、この森って動物とかいないのかな?
昨日からだが生き物が動いて、草木が揺れるとかいうのが無かったな)

リスとかウサギぐらいなら可愛いものだが
クマとかきても困るし、安全に越したことはないから
俺は考えないことにした。

これは後から知るのだが、
悠理が暗殺者のスキル〔危険探知〕と〔殺気〕を使って
テント周辺を守っていたのだった。








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