43 / 48
第1章 魔法学園入学編
新しい常識⑤表彰式
しおりを挟む
「まずは1年Fクラスと担任は全員陛下の前に並びなさい」
ハーラルフ宰相の呼びかけがあったが理由もわからずキョロキョロするクラスメイト達にとりあえず声をかける。
「とりあえず、リュシを先頭に並んで行こうよ」
「えっ? 俺を先頭?」
「当たり前だろ? リュシ達の領地での話なんだから、リュシが代表だよ」
「いや、そこは功労者のトラーオだろ?」
「ほら、さっさと行く!」
リュシを急かすと、しぶしぶながら先頭を切って歩いて行ったので、のこりのクラスメイトも後ろに続いて歩いて行く。隣のクラスをはじめ、他のクラスや学年の生徒は何で防衛戦にいなかったFクラスが呼ばれるのか? しかも全クラス代表者だけの表彰だったのが、Fクラスは全員呼ばれたのは何故か? みな不思議そうな顔と嫉妬心が滲み出たような顔をしていた。
「これで全員か?」
「はい、ぜ、全員でございましゅる……」
あっ、ナタリー先生が噛んで、顔を真っ赤にして震えている。
「それでは今からFクラスの表彰を行う。陛下よろしくお願いいたします」
「ふむ、1年Fクラスの諸君、オーフライでの活躍ご苦労であった。その方らの働きで王都での被害も少なくスタンピードを抑えることが出来たと報告を受けておる。よって1年Fクラス全員及び担任のナタリーに赤鷲勲章を授け、全員を準騎士爵を授けることを宣言する」
それらを聞いてもみんなピンとこないようで、茫然としているとハーラルフ宰相がみんなに杖を掲げるようなジェスチャーをしてくれたので、ようやく我に返って叙任の儀式を行う。
全員が片膝を立て、制服に装備している儀式用の杖を頭の上で横にし宣誓する。
「「「「「我が杖は弱者に優しく強者には勇ましく民を守り主君を守る盾となることを誓います」」」」」
「これでお主たちは準騎士となる。今後も王国の発展の為に尽力してくれ」
「「「「「はっ!!」」」」」
その後陛下より全員に赤鷲勲章を一人ずつ渡され、儀式も終わるかと思っていたところに横やりが入った。
「陛下、これは何かの間違いではないでしょうか? 王都防衛戦の時には1年Fクラスだけ参加もせずに逃げておりました。そんな輩に爵位を与えるのは間違っております」
「ほぉー、その方は?」
「私は1年Sクラスを担任しておりますステファンと申します」
「お主がSクラスの担任か? 魔法師団の副団長と聞いておるが?」
「お見知り置き頂いた事、誠に光栄でございます。第3魔法師団の副団長を兼ねております」
「良く知っておるぞ、入学以来Fクラスの授業を全く行うことなく、Fクラスに全属性の取得を命じたばかりか対抗戦でFクラスが負ければ卒業までSクラスの下僕にすると宣言したらしいの? 更に万が一Sクラスが負けた場合には我々の前で裸踊りをすると言ったそうだな?」
「な、な、なぜそれを……?」
ステファン先生は陛下に覚えて貰っている事実に喜んでいたところ、何故か教室でのやり取りを陛下が知っていた事に顔を真っ青にして震えていた。
「何故知っているかは、まぁ良かろう。そしてその賭けも承認しようではないか」
「え、えっ? 本当でございますでしょうか?」
「もちろん本気であるぞ、その代わりSクラスが負ければSクラスは卒業までFクラスの下僕扱いであるぞ?」
「はっ ははぁ~ そのような事は決して有り得ませんので問題ございません」
「それではSクラスとFクラスの戦いをと言いたいが、それでは面白くないのでハンディをつけようぞ」
「ハンディでございますか? SクラスとFクラスの差を考えれば仕方の無いことだとは存じますが、どのくらいのハンディを与えればよろしいでしょうか?」
ステファン先生はハンディを与えることには、あまり気が乗らないようで顔をしかめながら陛下に質問をしていた。
「何を言っておる、ハンディはSクラスに与えるのだ、そうだな1年はFクラス対残り全クラスとしよう。連携の相談や陣を作成する時間もあるだろうから今から2時間に開始とする」
ハーラルフ宰相の呼びかけがあったが理由もわからずキョロキョロするクラスメイト達にとりあえず声をかける。
「とりあえず、リュシを先頭に並んで行こうよ」
「えっ? 俺を先頭?」
「当たり前だろ? リュシ達の領地での話なんだから、リュシが代表だよ」
「いや、そこは功労者のトラーオだろ?」
「ほら、さっさと行く!」
リュシを急かすと、しぶしぶながら先頭を切って歩いて行ったので、のこりのクラスメイトも後ろに続いて歩いて行く。隣のクラスをはじめ、他のクラスや学年の生徒は何で防衛戦にいなかったFクラスが呼ばれるのか? しかも全クラス代表者だけの表彰だったのが、Fクラスは全員呼ばれたのは何故か? みな不思議そうな顔と嫉妬心が滲み出たような顔をしていた。
「これで全員か?」
「はい、ぜ、全員でございましゅる……」
あっ、ナタリー先生が噛んで、顔を真っ赤にして震えている。
「それでは今からFクラスの表彰を行う。陛下よろしくお願いいたします」
「ふむ、1年Fクラスの諸君、オーフライでの活躍ご苦労であった。その方らの働きで王都での被害も少なくスタンピードを抑えることが出来たと報告を受けておる。よって1年Fクラス全員及び担任のナタリーに赤鷲勲章を授け、全員を準騎士爵を授けることを宣言する」
それらを聞いてもみんなピンとこないようで、茫然としているとハーラルフ宰相がみんなに杖を掲げるようなジェスチャーをしてくれたので、ようやく我に返って叙任の儀式を行う。
全員が片膝を立て、制服に装備している儀式用の杖を頭の上で横にし宣誓する。
「「「「「我が杖は弱者に優しく強者には勇ましく民を守り主君を守る盾となることを誓います」」」」」
「これでお主たちは準騎士となる。今後も王国の発展の為に尽力してくれ」
「「「「「はっ!!」」」」」
その後陛下より全員に赤鷲勲章を一人ずつ渡され、儀式も終わるかと思っていたところに横やりが入った。
「陛下、これは何かの間違いではないでしょうか? 王都防衛戦の時には1年Fクラスだけ参加もせずに逃げておりました。そんな輩に爵位を与えるのは間違っております」
「ほぉー、その方は?」
「私は1年Sクラスを担任しておりますステファンと申します」
「お主がSクラスの担任か? 魔法師団の副団長と聞いておるが?」
「お見知り置き頂いた事、誠に光栄でございます。第3魔法師団の副団長を兼ねております」
「良く知っておるぞ、入学以来Fクラスの授業を全く行うことなく、Fクラスに全属性の取得を命じたばかりか対抗戦でFクラスが負ければ卒業までSクラスの下僕にすると宣言したらしいの? 更に万が一Sクラスが負けた場合には我々の前で裸踊りをすると言ったそうだな?」
「な、な、なぜそれを……?」
ステファン先生は陛下に覚えて貰っている事実に喜んでいたところ、何故か教室でのやり取りを陛下が知っていた事に顔を真っ青にして震えていた。
「何故知っているかは、まぁ良かろう。そしてその賭けも承認しようではないか」
「え、えっ? 本当でございますでしょうか?」
「もちろん本気であるぞ、その代わりSクラスが負ければSクラスは卒業までFクラスの下僕扱いであるぞ?」
「はっ ははぁ~ そのような事は決して有り得ませんので問題ございません」
「それではSクラスとFクラスの戦いをと言いたいが、それでは面白くないのでハンディをつけようぞ」
「ハンディでございますか? SクラスとFクラスの差を考えれば仕方の無いことだとは存じますが、どのくらいのハンディを与えればよろしいでしょうか?」
ステファン先生はハンディを与えることには、あまり気が乗らないようで顔をしかめながら陛下に質問をしていた。
「何を言っておる、ハンディはSクラスに与えるのだ、そうだな1年はFクラス対残り全クラスとしよう。連携の相談や陣を作成する時間もあるだろうから今から2時間に開始とする」
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる