女神のいたずらで若返った大賢者、異世界と行ったり来たり……

ぽてたん

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第1章 魔法学園入学編

新しい常識⑤表彰式

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「まずは1年Fクラスと担任は全員陛下の前に並びなさい」

 ハーラルフ宰相の呼びかけがあったが理由もわからずキョロキョロするクラスメイト達にとりあえず声をかける。

「とりあえず、リュシを先頭に並んで行こうよ」

「えっ? 俺を先頭?」

「当たり前だろ? リュシ達の領地での話なんだから、リュシが代表だよ」

「いや、そこは功労者のトラーオだろ?」

「ほら、さっさと行く!」

 リュシを急かすと、しぶしぶながら先頭を切って歩いて行ったので、のこりのクラスメイトも後ろに続いて歩いて行く。隣のクラスをはじめ、他のクラスや学年の生徒は何で防衛戦にいなかったFクラスが呼ばれるのか? しかも全クラス代表者だけの表彰だったのが、Fクラスは全員呼ばれたのは何故か? みな不思議そうな顔と嫉妬心が滲み出たような顔をしていた。

「これで全員か?」

「はい、ぜ、全員でございましゅる……」

 あっ、ナタリー先生が噛んで、顔を真っ赤にして震えている。

「それでは今からFクラスの表彰を行う。陛下よろしくお願いいたします」

「ふむ、1年Fクラスの諸君、オーフライでの活躍ご苦労であった。その方らの働きで王都での被害も少なくスタンピードを抑えることが出来たと報告を受けておる。よって1年Fクラス全員及び担任のナタリーに赤鷲勲章を授け、全員を準騎士爵を授けることを宣言する」

 それらを聞いてもみんなピンとこないようで、茫然としているとハーラルフ宰相がみんなに杖を掲げるようなジェスチャーをしてくれたので、ようやく我に返って叙任の儀式を行う。
 全員が片膝を立て、制服に装備している儀式用の杖を頭の上で横にし宣誓する。

「「「「「我が杖は弱者に優しく強者には勇ましく民を守り主君を守る盾となることを誓います」」」」」

「これでお主たちは準騎士となる。今後も王国の発展の為に尽力してくれ」


「「「「「はっ!!」」」」」

 その後陛下より全員に赤鷲勲章を一人ずつ渡され、儀式も終わるかと思っていたところに横やりが入った。

「陛下、これは何かの間違いではないでしょうか? 王都防衛戦の時には1年Fクラスだけ参加もせずに逃げておりました。そんな輩に爵位を与えるのは間違っております」

「ほぉー、その方は?」

「私は1年Sクラスを担任しておりますステファンと申します」

「お主がSクラスの担任か? 魔法師団の副団長と聞いておるが?」

「お見知り置き頂いた事、誠に光栄でございます。第3魔法師団の副団長を兼ねております」

「良く知っておるぞ、入学以来Fクラスの授業を全く行うことなく、Fクラスに全属性の取得を命じたばかりか対抗戦でFクラスが負ければ卒業までSクラスの下僕にすると宣言したらしいの? 更に万が一Sクラスが負けた場合には我々の前で裸踊りをすると言ったそうだな?」

「な、な、なぜそれを……?」

 ステファン先生は陛下に覚えて貰っている事実に喜んでいたところ、何故か教室でのやり取りを陛下が知っていた事に顔を真っ青にして震えていた。

「何故知っているかは、まぁ良かろう。そしてその賭けも承認しようではないか」

「え、えっ? 本当でございますでしょうか?」

「もちろん本気であるぞ、その代わりSクラスが負ければSクラスは卒業までFクラスの下僕扱いであるぞ?」

「はっ ははぁ~  そのような事は決して有り得ませんので問題ございません」

「それではSクラスとFクラスの戦いをと言いたいが、それでは面白くないのでハンディをつけようぞ」

「ハンディでございますか? SクラスとFクラスの差を考えれば仕方の無いことだとは存じますが、どのくらいのハンディを与えればよろしいでしょうか?」

 ステファン先生はハンディを与えることには、あまり気が乗らないようで顔をしかめながら陛下に質問をしていた。

「何を言っておる、ハンディはSクラスに与えるのだ、そうだな1年はFクラス対残り全クラスとしよう。連携の相談や陣を作成する時間もあるだろうから今から2時間に開始とする」




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